爆上戦隊ブンブンジャー

徹底ブン解 キャラソンライナーノーツ

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■徹底ブン解キャラソンライナーノーツ
こんにちは、プロデューサーチーム広報屋の吉川です。
1月29日(水)に配信開始されたブンブンジャーのキャラクターソングは聴いていただけたでしょうか?
https://boonboomger.lnk.to/CharacterSong

もう聴いたよという方、ありがとうございます。
まだだよって方は今すぐ聴いてほしい!
きっとキャラクターの内側が覗けるはずです。


今回のキャラソンは私があーだこーだと
好きにやらせていただいたのですが、
いざ作るにあたってキャラクター像を整理をすると、
「あら、私はこんなにもブンブンジャーを好きになっていたのか」と驚いたり。

好きすぎてかなり時間がかかったのですが、
逆に言えばそれだけ魂を込めたキャラソン。
ライナーノーツを書いてみようかと思いPCを開きました。

この後の予定は夜の就寝だけってくらい暇な人だけ読んでいってください…。


まずキャラソン企画の立ち上げ時に
日本コロムビアの穴井さんにお話ししたのは、
「THEキャラソンっぽいのはあえて避けたい」
「カラオケで歌ってもヒーローのキャラソンだとわからない感じにしたい」の2点でした。
というのも、YouTubeやTTFCで配信している
THE BUNBUNZという企画がありまして。
https://youtu.be/LZobRq_uN_A?si=PW3cciJ1RpflJppP

こちらはキャスト6人が1から曲作りをする企画で、
完成した曲はキャラソンアルバムの7曲目に
『BAKUAGE!!』として収録されています。

これがまた良い曲で…。
イメージしたのは某アイドルの
マイクリレーで自己紹介や他己紹介をする曲。
なのでこれはもうキャラクター節全開で、
決め台詞や“〇〇屋”というワードもバッチリ押さえてあります。
本日2月5日開催の超英雄祭2025でも披露されますのでお楽しみに!
配信もあります!
https://www.tv-asahi.co.jp/gavv/eiyusai2025/#ticket

こういった経緯で生まれた『BAKUAGE!!』が良い曲だからこそ
個人曲はそっちに振りたくなかったんです。

例えば「お困りのようだねえ」とかを言わせることなく
キャラクターの魅力を伝えたかった。
だって彼らは普通の人間ですし。(玄蕃以外)
となると、やらねばならないのは内面性の深掘りです。
これがまた難しいんですが…。
以下、吉川なりの解釈と、曲作りの経緯です。


『自転/範道大也』


これは井内くんの優しい歌声ありきで考えた曲です。
切なさのイメージはandymoriさんの『ハッピーエンド』とか
あいみょんさんの『ジェニファー』とか。

歌詞に込めたのは大也が纏っている空気。
静かな炎というか、どこか切なさを孕んだ感じというか。
でもそれは大也の年齢設定を鑑みると些か完成されすぎている。

ということは、彼は努めて“大人”になろうとしているのではないか。
お、そういえば大也たちの年齢設定や出身地、座右の銘なんかは
2月7日発売の『Best Bakuage Graffiti』(東京ニュース通信社)に書いてありますのでひとつよしなに…!
https://zasshi.tv/products/49248/


さて、話を戻しましょう。
劇中でも大也は、かつて救えなかった子どもの影を忘れず
“余裕のある大人”であることに拘っている描写が散見されます。

ではそこから再び逆に考えますが、大人ってなんでしょうか。
成人を迎えること? 自分でお金を稼ぐこと?
子どもを見て「子どもだ」と思ったら?
どれも微妙かも。

でも、ふと「あれ俺って大人?」と思うことはある。

実家に帰った時に「あ、ここにあった店潰れてる」とか、
明確に時の流れを感じた時、
自分の中に大人を見たりしませんか?
その感情に、大也お得意の「買った!」と趣味のギターを掛け合わせて
「初めてCDを買った店は今はコンビニに変わっている」という歌詞に。

同じく、昔遊んだ公園の前を久々に通った時に
「あれ、なんか狭くね?」と思うこともありますよね(自分がデカくなったからなのに)。
そこは「迷路に見えたあの裏山 涼しい顔して越えられた」という歌詞に。
また、身体の成長によって軽く越えられただけでなく、
迷路に見えてワクワクしたあの頃の感情を忘れ、
すまし顔で越えられちゃった…というダブルミーニングにもなっていたり。

「良い天気だなあ」と言う歌詞も唐突に聞こえますが、
晴天に虚しさを見出せるのは大人だけかもしれません。

無駄を省き、嫌いなものを避けて生きていけるのも大人の特権です。
でもあの日探した伝説の剣は果たして無駄だったのか…。

また、何が無駄かは人それぞれとしても、
大也はあれだけの資産を築くのに相当の苦労はしているはず。
そこらへんはサビに込めてありますので味わってみてください。

ちなみに大也の「大人とは?」の答えは、
2月9日発売の『Don’t stop the BoonBoom』(一迅社)に書いてありますのでぜひ!
https://www.ichijin-shop.jp/view/item/000000000364


『Hot Chemistry /鳴田射士郎』


これはもう葉山侑樹という男がカッコ良いことを
もっともっとみなさんに知ってもらいたくて作りました。
目指したのはKPOPっぽい感じのダンスナンバー。
葉山くんが黒い衣裳で踊っているのが浮かばないでしょうか?

しかしあくまでもこれはシャーシロのキャラソン。
「え、予想してたよりアゲアゲじゃん」と思った方もいるかもしれません。
でもそこは“予定外も笑って”いただければ。

意図としては、
バクアゲ6のトイレグルマー戦で見せた
彼の内なるバクアゲを全面的に出したつもりです。
シャーシロはバクアゲ43から長いこと裏切りを装っていたわけですが、
今回の話で明かされたように内心では大也たちを信じ
自分にできることをやっていた。
であれば今回の曲はキャラと乖離したことにはならないのかなと。
大也との「待ち合わせは想定通り」でしたし、
スピンドーに対しては「サプライズは戦略的に」ということです。


また、大也やミラたちと生きていると予定外のことがたくさん起こります。
かつての孤独なスパイだった頃の彼は「予定外なんて認めない」と言いそうですが、
今の彼はそれすら楽しんでいる節があり、
バクアゲ37の「(大也が危険人物だからこそ)共に走る価値がある」というセリフがそれを示しています。

それを踏まえて作詞家さんから
「計画は柔軟に行こう」「予定外も笑えるように」という歌詞が上がってきた時は爆上がりました。

ちなみに最後の最後にお願いして足してもらった
“轍”という単語はタイヤ痕という意味で、
「大也たちとの旅路」を表しているつもりです。


『life is mine /志布戸未来』


この曲は「明るいミラぴソング!」の予想を裏切るために
あえてダウナー系に振りました。
こっちのミラぴ、今までみたことなくて新鮮じゃないですか?

穴井さんと共有したイメージは「そりゃ普通に悩みもある20代の女性」。
ブンピンクとして戦うミラですが、普段はバイトもする普通の女性です。

いつも明るい人ってたまにいますが、
別に家でまであのまんまじゃない気がしていて
ミラにそういう部分があっても良い。

多分「理由はわからんけどバイト行きたくないなー」
「あ、またシャンプー買い忘れた最悪」みたいなことを思ったりもするので、
ここは等身大さを狙った歌に仕上げていただきました。

とはいえダウナーだけのミラはミラじゃないので、
部分的には前向きさが垣間見える歌詞、
「何者かになろうだなんて思わなくてもいい」
「現在地は見失わずに きっと道はできる ずっと私だから」
あたりも入れてあります。

現在地を見失わない「life is mine (人生は私のもの)」というのは
ニアリーイコール「自分のハンドルは自分で握る」のつもりです。

その結果、「悪くないって最近は思う こんな私のこと」と言えたら素敵かも。

明るい方のミラは『BAKUAGE!!』で楽しめるので
そちらも併せて楽しんでくださると嬉しいです!


『正しさ/阿久瀬錠』


この曲は最初にご提案頂いた歌詞から一番変更があった曲でした。
当然のことながらアツすぎるものをご提案いただいたもので。

齋藤くんはTHE BLUE HEARTSが大好きで、
確かにそういったアツさもかなり意識しています。

でもアツさだけだと警察屋が背負う“正義”とかって
どうしても押し付けがましくなってしまうような気がしてしまって。

そんなことはn通りの正義があるこの世界ではやりたくない。
錠は、これが正義だ!これが正しさだ!と決めつけない。
だからこそ彼は、自分の中にある正しさという羅針盤だけは信じて、
警察官を辞めたりもします。

歌詞において意識したのは、バクアゲ46で大也が自分の夢を
「綺麗事だと笑われたよ…」と零したのに対し
「俺は綺麗事だなんて思いません!」というセリフ。

きっと実現できると信じている彼の人間性は、
最近話題の2000の技を持つ男に近い部分を感じると言いますか…。
「綺麗事でも綺麗なままでいいんだ それを本当にしていくんだ」という歌詞は
その男のイメージもあったり。
でもその理想を本当にしていくためのアプローチが
“力”や“暴力”からくるものではないというのもまた然り。
そこはバクアゲ15で泣きながらキー太郎を倒した時から思っていたことで、
そりゃ拳も痛みます。

また、作詞家さんから上がってきた
「まず目の前の落とし物を届けよう」という歌詞がそこにビビッとハマった気がして、
そこからは正しさの狭間で自分の羅針盤を信じ進む錠を固めた感じです。
「0か100じゃなく」は、
バクアゲ40の「100点満点のヒーローなんていない」というセリフが好きで足した部分。

そして最後に思いついた「白黒つけるのが難しい世界だ」というのを
ブン“ブラック”に言わせたことでこの曲は完成しました。


『MIMIC /振騎玄蕃』


この歌は逆に作詞家さんの歌詞の完成度がとても高く、
大きな修正はなかったです。
曲の構成で玄蕃の心情の変化(バクアゲ27→33)を
表したかったので、最初の注文が細かかったからかもしれません。

メロディは玄蕃が本来持っていたミステリアスな雰囲気をAメロに、
ブンブンジャーという仲間ができて居場所を見つけた柔らかさをBメロに。

歌詞はブレキ人の生き残りとして彷徨っていたイメージをAメロに、
大也たちのいる届け屋本部への帰り道をニコニコ歩くイメージをBメロに。

1番サビは仲間への感謝、
2番サビはこれから掴もうとする未来への決意です。

そして個人的に好きなのはラスサビ前の
「先の予報は外れだったよ 晴れはないと思っていた」の部分。

言い換えれば、今の玄蕃の未来予報は晴れているということ。
孤独に生きていた玄蕃は未来に希望がないと考えていたでしょうが、
お気に入りの特等席で望み通りの景色に辿り着いてほしいですね。


ちなみに「これから自由の話をしよう 迷ったり変わったり 日が昇るまで」は
元々「〜日が沈むまで」とご提案されていたのですが変更しました。
だってケモ耳ゲンバードさん、夜行性っぽいので!笑


『マッチメイト/焔先斗』


マッチメイトとは、直訳すると「好敵手」。
つまりライバルです。
先斗っぽいですよね。
常にトップであろうとするので
大也たちは仲間でありつつライバルというポジション。

メロディは宮澤くんとカラオケに行った時に
湘南乃風さんとかそういうジャンルの曲を
超楽しそうに歌っているのを見て「これしかないな」と。
ラップもあり、ノリノリでタオルを回せそうなパートもあり、
感情的なバラードパートもあり…。

でもその結果、歌詞は他のメンバーと比べ約2倍あります。
レコーディングの時に渡された歌詞カードも
他の人たちが1枚だったのに対し丸々2枚びっしり。

レコーディング後の宮澤くんは
「あぁいう曲は4人とかでパート分けて歌うから成立してんすよ!」と言っていましたが、
あなたがカラオケで歌い上げていたからこうしたんですよ!笑

歌詞で言うと、作詞家さんが提案してくださった歌詞には最初から
「ヨーイドンだろ」というワードが入っており、
「先斗っぽいなぁ」としみじみ。
足させていただいたのは「ロクな思い出なかったけど」あたりの暗い部分とか。
でもそこを悲観的に見せるのではなく、
その後に「今なら言えるさ この場所結構イケてるって」と足すことで、
地球や大也たちへの愛が感じられる構成になっています。

「あん時(16〜18話)散らした火花 今(25話)は眺めながら語らう花火」は
私の提案ながらバチコリとハマったのでお気に入りです。

にしても、スーパー戦隊のキャラソンで
“乾杯”って単語が出てくるのは後にも先にも先斗だけかもしれませんね笑



と、こんな想いを込めて6曲作りましたが、
見事に曲調も主題も、キャラの想いもバラバラでしたね。

でもこのカラフルな奴らが集まってチームを組んでいるのが
ブンブンジャーの素敵なところだと強く思います。

長くなりましたが読んでくださってありがとうございました。
これを聴いて大也たちの内側が見えたら最終回も超楽しめるはず!


そして最終回以降もたくさん聴いて
大也たちの姿をこの世界に再生してくれたら嬉しいです。

(ブン責&キャラソン責 吉川史樹)