第15話 (最終回2時間スペシャル)
2009年3月19日放送
<第一部>
【脚本】 小澤俊介 石原武龍
【監督】 村川 透
<第二部>
【脚本】 森下 直
【監督】 村川 透
<第一部>
中年男性が、神社の階段で転落死しているのが発見される。その現場に、枯れ葉によく似た京番茶の茶葉が落ちていた。鳥居は気になり、洋子を連れて市内の京番茶店「ほうらく堂」へ向かう。
茶葉は、鳥居の読み通り「ほうらく堂」のものだった。十年前、「ほうらく堂」の主人の木島卓造は、遊園地「みやこパーク」の職員だった一人娘・めぐみを、夜の園内で何者かに刺殺され亡くしている。その現場にも「ほうらく堂」の茶葉が落ちていた。今回の事件と十年前の事件に関連はあるのか。鳥居は殺された中年男性の似顔絵を卓造に見せるが、卓造は知らないと答える。
刑事たちは、殺された男の身元を探っていた。男はサービス業関連の店舗や施設の従業員の名刺を数十枚持っており、手書きで一つ一つ、それぞれ別の苗字が書き込んであった。調べると、男は名刺に書いた苗字を名乗っては、クレーマー行為を繰り返していたようだ。
やがて、男の身柄が判明した。名和健二、無職。名和の自宅からは、「みやこパーク 木島めぐみ」という名刺が出てきた。鳥居と洋子は十年前の事情を確かめるため、めぐみの当時の上司・種村に会いに、「みやこパーク」へ向かう・・・。
【ゲスト】
木島卓造・・・竜 雷太
種村和也・・・正名僕蔵
<第二部>
京都郊外の山林で、男性の遺体が埋められているのが発見される。男が殺害されたのは、一週間から十日ほど前だった。男は左足が不自由で、血液型がAB型だったことから、鳥居は15年前の強盗殺人事件を思い出す。
15年前、マルチ商法、いわゆるネズミ講で荒稼ぎをしていた会社の社長が二人組の強盗に殺害され、金庫から現金六千万円が奪われる、という事件が起きた。その時逃亡する犯人を、出前の器を下げにきた中華料理店「招福飯店」の奥村チヨという女性が見ていた。チヨの証言から、犯人の一人が左足を引きずるようにして逃げたことが判明した。そして犯人のものとみられる毛髪の血液型は、AB型だった。
鳥居がたったこれだけの共通点で、男の遺体と15年前の事件を結びつけたのには訳がある。15年前の強殺事件は、あと一週間で時効が成立するのだ。
鳥居と洋子は、勝村チヨを訪ねる。チヨは夫が亡くなった5年前に「招福飯店」を畳み、最近になって自宅で中華の料理教室を始めた、と話す。この時も、チヨが「息子の友達」だという若者・野田健一が餃子を作っていた。しかし健一は鳥居と洋子が警察の人間と知ると、なぜかそそくさとチヨの家を出て行ってしまう。
その足で健一が向かったのは、とあるマンションだった。そこでは「振り込め詐欺」グループの若者たちが、携帯電話で年配者を言葉巧みに陥れようとしていた。健一はそのグループのメンバーの中では最も下っ端で、まだ“出し子”(預金を引き出す係)しか経験しておらず、チヨから何とか金をせしめ、手柄を立てたいと思っている。
そこへ、グループのボスである高見沢が戻ってくる。健一は高見沢に、「元『招福飯店』という中華料理屋をやっていた婆さんをターゲットにしていて、家に出入りしていたら今日警察がきた」と報告する。高見沢はそれを聞いて、なぜか健一を食事に誘う・・・!?
【ゲスト】
勝村チヨ・・・江波杏子
野田健一・・・金井勇太
高見沢 徹・・・金山一彦