リキッド ~鬼の酒 奇跡の蔵~
- BSプレミアム 毎週日曜よる10時放送
放送は終了いたしました。ありがとうございました。
鷲尾勇作(津川雅彦)が語る理想の酒。相楽修一(伊藤英明)はその思いに共感し、共にその理想の酒を追い求めようと決意する。
修一に勇作が要求したのは、米造りの名人・国重五郎(石橋蓮司)が作る最高級の酒米「石川門」だった。しかし、五郎は勇作との間に浅からぬ因縁があるらしく、修一が頭を下げてもなかなか米を売ってくれない…。
「石川門」の次に勇作が望んだのは、それを精白するための精米機だった。既に大きな借金を抱える相楽酒造が、簡単に調達できる金額ではない。
修一は、銀行員時代のライバルに頭を下げて融資を請い、愛車やコレクションのワイン、先祖代々の土地など売れるものは何でも売った。
「蔵を再生するためには何でもする」
その言葉通り、修一はプライドを捨て資金調達に駈けずり回った。
11月、修一の必死の努力が実り、相楽酒造は無事蔵入りを迎える。
既に住み込みで働いていた相楽直木(柄本佑)の他に、鈴原洋次(甲本雅裕)、清水真衣加(関めぐみ)、田島直太朗(深水元基)ら蔵人たちが、再び相楽酒造に集まってきた。
勇作の指揮の下、いよいよ本格的な酒造りが始まる。しかし、またしても轟勝久(渡辺いっけい)の妨害が…。
みどころ
今回からいよいよ本格的に酒造りが始まります。
勇作がどうしても造りたい酒が、「雪乙女 純米大吟醸」。日本酒を飲まない人でも、「大吟醸」とか「純米酒」という単語を耳にしたことはあると思います。
「純米酒」というのは、その名の通り、米と米麹と水のみを原料とした酒のことです。醸造アルコール等の添加(とそれによる増量)を行いません。
「大吟醸」というのは、精米歩合50%以下の米を原料とする酒です。今回、相楽酒造が造る「大吟醸」は40%以下まで精米します。精米歩合というのは、玄米を何%削ったかを数字で示したものです。例えば、玄米100kgを70%まで削ると精米は70kgになります(玄米100kg×70%=精米70kg)。精米歩合35%だと精米35kgです。お酒を仕込むのに70kgの精米が必要とすると、精米歩合70%では100kgの、35%(大吟醸)では200kgの玄米が必要な計算になります。単純計算ですが、大吟醸を仕込むためには、原価が倍になってしまいます。
そして「純米大吟醸」というのは、「純米酒」かつ「大吟醸」ということです。
長々と書きましたが、詰まるところ、「純米大吟醸」はコストが高い。ただでさえコストが高いのに、勇作が欲しがるのは最高級の酒米「石川門」。借金まみれの相楽酒造にとっては、まさに大冒険です。失敗し、酷い酒ができてしまったら、蔵の再生どころではありません。「うちが大吟醸ですか!?」と修一が尻込みするのも当然なのです。
更に勇作は数千万円もする精米機を買えなどと、とんでもないことを言い出します。
どんどん追い詰められて行く修一ですが、決して諦めません。この間までエリート銀行マンだった男が、人生を挽回するために、泥臭く、そして粘り強く酒造りに挑んでいきます。
スタッフによる酒蔵紹介 ~その2~
【月桂冠大倉記念館】
京都伏見が誇る大蔵元の月桂冠は、創業寛永14年(約380年前)。今回撮影させて頂いた酒蔵の中でも最古の歴史を誇ります。
今回撮影した「月桂冠大倉記念館」は、資料館として一般公開されています(有料、日本酒のお土産付き)。館内には、多数の酒造用具等が展示されおり、日本酒の歴史を知ることができます。
大蔵元は大蔵元らしく、轟酒造の設定で撮影させて頂きました。堂々とした外観は、まさに轟酒造のイメージにぴったりです。
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月桂冠大倉記念館
京都市伏見区南浜町247
075-623-2056
http://www.gekkeikan.co.jp/enjoy/museum/index.html
【秋鹿酒造】
大阪府北部の能勢町にある酒蔵です。
創業約130年。原料となる酒米「山田錦」を自家栽培し、純米酒のみを仕込むというこだわりの酒造りを貫いています。
第二話に登場する精米機の場面を、撮影させて頂きました。
関西では、精米を業者に外注する酒蔵が多いのですが、こちらの酒蔵では精米機を導入し、自家精米を行っています。こういう所にも秋鹿酒造さんのこだわりが感じられます。
ドラマでは「中古だけど最新型の精米機」という設定です。勇作のリクエストに応えて、修一が更に借金を重ねて導入します。
相楽酒造も、こだわりの酒造りを行うのです。
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秋鹿酒造
大阪府豊能郡能勢町倉垣1007
072-737-0013
(文責 石﨑宏哉)