科捜研の女 season20
- 2020年10月22日~2020年12月17日放送
放送は終了しました。ご視聴ありがとうございました。
臨場した榊󠄀マリコ(演・沢口靖子)らは、被害者のブランド物のバッグに付着した奇妙な「紋様」に目を留める。
「これはおそらく……牛の鼻ね」
鑑定の結果、バッグに残されていたのは、はたして牛の「鼻紋」だった。
殺害現場に牛がいたのだろうか?
やがて、被害者がリゾートホテル開発のために「みくら牧場」の買収を企てていたことが発覚。
牛を溺愛する「牛博士」こと三倉秀一(演・夙川アトム)が営む牧場だった。
買収をめぐるトラブルを疑う土門刑事(演・内藤剛志)ら。
いっぽうマリコたちは、事件の「目撃者」となった牛を求めて、牧場じゅうの牛の「鼻紋」採取に奔走する。
どうやらこの牧場には「秘密の牛」がいるようで――
脚本 吉原れい
監督 西片友樹
ゲスト
夙川アトム
秋元才加
中原果南
奥井隆一
竹下健人
中須翔真
ほか
みどころ
高級ホテルの社長が、とがったハイヒールで牧場に乗り込んできて、
「ここをつぶしてリゾートホテルにしたい」「お金なら出すわよ」と都会の笑顔で言い放つ。
それを困った顔で聞いている、土まみれの長靴をはいた「牛博士」。
履いている靴も、歩くスピードも全然違う二人の間には、トラブルの匂いが漂います。
そしてその傍らには、牛、牛、牛。
「犬は見ていた」(シーズン17第2話
)
「タコは見ていた」(シーズン17第16話
)
「猫は見ていた」(シーズン19第4話
)
「オウムは見ていた」(シーズン19最終回
)
「インコ(亜美「ピーちゃんです!」)は見ていた」(シーズン20第3話
)
……と、撮影現場泣かせの「動物シリーズ」のはてに、今回は「牛が見た殺人」です。
演出を手掛けたのは、「猫」「オウム」に続いてこの1年で3回も動物モノを撮ることになった西片監督。
画面のはしばしに牛への愛情が滲みます。
曰く、撮影の難易度としては猫>牛だったそうですが、
その要因のひとつが、牛があまり動かないこと(猫は、いわずもがなですね)。
「牛歩」という言葉があるように、牛の歩みは、ハイヒールより、長靴より、ずっと遅い。
あれがほしい、これもほしい。
言えばよかった、言わなければよかった。
――忙しすぎる人間の営みを、牛はただ、泰然と見つめています。
王道ミステリの風格を保ちつつも、どこか詩情ただよう作品に仕上がりました。
【マリコの衝撃的ワンカット】
牧場に来た時点で、牛の「鼻」のことしか考えていないマリコさん。
心なしか柔和な表情で乳しぼりに挑みつつ、どこか実験器具を扱うようなその仕草。
榊󠄀マリコは、そうでなくっちゃ!
(文責・東映プロデューサー 中尾亜由子)
第4話 こぼれ話
第4話、眠り姫の秘密、お楽しみいただけましたでしょうか!?
前シーズンの28話「筋肉は噓をつかない」で「科捜研」監督デビューを果たした柏木監督。
2本目の本作は、緊急事態宣言による撮影スケジュールの変更で、なんと「制作1話」の大役を担うことになりました。
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京都撮影所の助監督として経験豊富な柏木監督。芝居を見る厳しい演出眼は既に定評を得ていますが、そんな監督にも、コロナ禍での演出はもちろん初めての経験です。
業界・テレビ局・撮影所の各種ガイドラインを元に、手探りの撮影が始まりました。
現場の差し入れやお茶セットも「自粛」に。マスクかフェイスシールドは必着です。そして芝居が白熱して思わず役者さん同士が接近しそうになる時にも、「ごめんなさい、今の位置より一歩引いていただいて…」。うーん、ニューノーマルは難しい! 監督には芝居の計算だけではなく、「ディスタンス番長」としても采配を振るっていただくことになりました。
さらに、「殺すときは後ろから」、「殺す途中で声を出さないでください(声は後で別で収録)」など、プロデューサーからも監督や役者さんや殺陣師さんに申し訳ないお願いをたくさんしなければなりませんでした。それだけではありません。マスクをしてリハーサルをすれば声が通らなくなり本当は録音部さんは困ります。フェイスシールドをしてリハーサルをすれば、照明部さんにとってリハーサルの意味は半減です(顔の前で反射してしまうため)。そういったことは、重々理由のあることであり、お願いする側としてもとても申し訳ないのですが、それでもなお、撮影を続けるため、作品をテレビの前の皆さんにお届けするために、どこを落としどころにすればいいのか、悩ましい日々が続きました。撮影から帰ってくると手袋手(◎櫻井武晴さん:「手袋をした手」の意味のト書きです)で明日使うフェイスシールドを毎日組み立て……。フェイスシールドも、メイク・結髪さんと、役者さんが毎日試行とフィードバックを重ねてくださり、日々より安定感のあるものに改良進化していきました。現場を支えてくださる皆さんの努力にただただ感謝です。
このように今までにない現場となりましたが、沢口さんは「接近しないことで逆に画に緊張感が生まれる」とおっしゃってくださり、非常に勇気づけられました。
和歌山出張中の土門刑事(演:内藤剛志)はもう一人の「カオル」(和歌山県警の熊谷馨刑事)とニアミスしたんだろうか!?と妄想を膨らませつつ、さて次回。
戻ってきた土門刑事は、マリコと牧場へ!
疑惑の「牛博士」との対決、そしてマリコが数々の「新兵器」で全力で牛を愛でます=鑑定します!
とっても楽しい牧場ロケでした。お楽しみに。
でんじろう先生と異色のコラボ!
「科捜でんの女」vol.4 グルグル風船実験 配信中!
「ルヴァンプライム」コラボCMはこちらでご覧いただけます。
(文責・東映プロデューサー 谷中寿成)