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科捜研の女 season19

DATA
2019年4月18日~2020年3月19日放送
放送は終了しました。ご視聴ありがとうございました。

EPISODE GUIDE

第26話 待ち人、来る

次回の放送は1月16日(木)よる8時~です。お見逃しなく!

科捜研のメンバーが近所の神社に揃って初詣に出かけた。
物理研究員の呂太(演・渡部秀)によると、
この神社の「御朱印」がネットで話題になっているのだという。
マリコ(演・沢口靖子)がおみくじで「凶」を引いた矢先、境内で神職の悲鳴が!
駆けつけると、宮司の妻の深守教子(演・平井三智栄)がうつぶせに倒れて絶命していた。
遺体の状況から、前夜のうちに撲殺された可能性が高い。

神社でくだんの「御朱印」を書いている住込み職員の浜内詩帆(演・高田里穂)に対し、
ネットでつきまといをする書き込みがあったことから、
広域サイバー捜査係の堀切刑事(演・中村俊介)と蒲原刑事(演・石井一彰)が捜査を主導することに。
いささか不謹慎な佐伯本部長(演・西田健)は、
新しい広域サイバー係の前途に期待を膨らませる。

マリコと科捜研のメンバーは科学で、
蒲原刑事は土門刑事に叩き込まれたデカの作法で容疑者を追い、
堀切刑事は「人」に寄り添う。
そして、新たなコンビネーションの先に、意外な真相が浮かび上がる――!
 
 
脚本 戸田山雅司
 
監督 田﨑竜太

ゲスト

中村俊介

高田里穂
山根和馬
本山力
中川浩三
内藤邦秋
平井三智栄
ほか

(文責・東映プロデューサー 谷中寿成)



みどころ

我らが土門さんから、広域サイバー係・堀切徹(演・中村俊介)へと渡ったバトン。
堀切が初登場した前回の第25話と、今回の第26話――この二つの大事なエピソードを描くにあたって、
「科捜研の女」のダブルメインライターである、脚本家の戸田山さんと櫻井さんとの間でも、
バトンが受け渡されていたのでした。

この二つのエピソード、放送時期は約1か月離れているものの、
撮影は田﨑監督の指揮のもと、同時に行われました。
そのため、2人の脚本家さんが、同時進行で脚本を作ることに。
堀切というキャラクターを生んだのは、登場回の第25話を担当した櫻井さん。
その櫻井さんが書いたプロットを受け取った戸田山さんが、
堀切の人間像を鋭い洞察力で分析し、第26話のプロットを書いてくださいました。
実は前回のみどころで堀切を評して書いた「名探偵」というフレーズは、
戸田山さんが最初におっしゃったもの。
櫻井さんからのバトンを受け取り、
堀切というキャラクターをさらに豊かに膨らませ、
そして「新たな一面」まで描き出すようなプロットを構築してくれました。

そんな戸田山さんのプロットを読んだのが、初稿執筆中の櫻井さん。
そうしてできあがった初稿を今度は戸田山さんが読んで、初稿を書き……
と、息の合ったリレーが行われ、
そのたびごとに堀切徹という男が、いきいきと立ちのぼってくるのを感じました。

さらに、今回の第26話は、蒲原刑事の成長物語でもあります。
そんなアツいストーリーをどっぷり描きながら、
「おみくじ」「初詣」をモチーフにした、サービス精神あふれるミステリーも楽しい。
鋭い読者の皆様は、戸田山さんに対して今回は一体いくつの「無茶ぶり」が行われたのか……
とお思いになるかもしれませんが!お察しの通り、ここにはまだ書けないことも含めて、たくさんです!

亥(いのしし)から子(ねずみ)に、
櫻井さんから戸田山さんに、
バトンが渡ったところで迎える2020年最初のエピソード。
「科捜研の女」、まだまだ全力疾走です。

そして、耳をすませば、あの人の足音が……!?

(文責・東映プロデューサー 中尾亜由子)



【マリコの衝撃的ワンカット】

マリコのおみくじ確率論

新年初回となる次回!
脚本・戸田山さんのアイディアで、
《科捜研みんなで初詣》というお正月らしいほのぼのしたシーンからスタートします
(すぐさま死体が見つかりますが)。

東映は、社内にお稲荷さんがあり、
仕事始めの日に出社している社員はお参りするのですが、
最近はそうした職場は少なくなりつつあるかもしれません。

「あらすじ」にも書きました通り、
今回はマリコ&科捜研メンバーがおみくじに挑戦!
マリコの「おみくじ確率論講座」をお楽しみください。

あまり来年のことを書きすぎると、
鬼が笑うと言いますが、
別の誰かの微笑みも見られる冬クールになったらいいな、と、
私の初詣のお願い事を先にここに書いておくことにいたします。
新年も『科捜研の女』にご期待ください!

(文責・東映プロデューサー 谷中寿成)





第25話 こぼれ話

科捜研の女season19 第25話、いかがでしたでしょうか?
中村俊介さん演じる新キャラクター、サイバー犯罪対策課・堀切徹刑事の登場にざわめき、そのスマートかつチャーミングな魅力にときめく回となりましたね。

サイバー犯罪対策課といえば京都府警と言われるほど、全国の警察の中でも恵まれた環境と知財を持っている花形的な部署でもあり、本シリーズを長年ご覧いただいている方なら馴染み深い科捜研の元研究員・吉崎泰乃(演・奥田恵梨華)が所属するセクションでもあります。
今回は、刑事部と生活安全部とが合同で高度な捜査にあたる「広域サイバー捜査係」創設計画の一段階として、刑事部捜査一課の蒲原勇樹(演・石井一彰)と生活安全部サイバー犯罪対策課の堀切徹がバディを組むことになります。

事件は、頭に傷のある若い男性の遺体が見つかったところから始まります。被害者は岡村陽太(演・長南洸生)、23歳のその青年はいわゆる「バイトテロ」で炎上した過去を持ち、社会から身を消すように過ごしていた男でした。
岡村のバイトテロによって経営に大きな痛手を負ったラーメン高持屋を運営する高持屋フードサービスの経営陣から、バイトテロによって平穏な暮らしを壊されてしまった被害者の家族、バイトテロ動画に批判的なコメントを付けた数千数万の一般市民まで、全ての関係者が容疑者とされる今回のケース、櫻井さんの脚本ということもあり一瞬たりとも見逃せない展開が続きました…!

魅力的な登場人物たちの中でも一際目を引いたのは上海コンサルティングの張怡(チョウ・イー)氏ではなかったでしょうか。被害者の岡村陽太とは日本に留学していた頃のバイト先の同僚でしたが、蒲原刑事と堀切刑事の上海渡航により、例のバイトテロ動画は実はチョウイーが撮影したものだということがわかります。
チョウイーを演じてくださったのは、「バイプレイヤーズ」でジャスミンという中国人の女の子を好演し話題を呼んだ北香那さん!ご自身の過去のアルバイト先で中国語圏の方に囲まれて働き、そこで見聞きした口ぶりや所作などの実体験を生かしてキャラクターを作られたそうで、ジャスミンとはまた違うテイストのチョウイーの役作りにも生かされたそうです。今シーズン初回の「相棒」にも出演され豪快なアクションも見せるなど多彩で器用な役者さんである一方、現場ではとても腰が低く、ご自身が出ないカットでは他の役者さんのお芝居をじっと見つめて勉強されているのがとても印象的でした。

岡村陽太がバイトしていたラーメン高持屋難波店の元店長・占部文彦を演じてくださったのはヨーロッパ企画の諏訪雅さんです。怪しすぎる男で、高持屋が閉店してからは、手を止めるとお腹が空くからという理由で旧世代のゲームばかりしており、金が尽きたらバイトをして食いつなぐと言います。
このゲームハードは小道具さんの手作りですが、レトロな雰囲気が出ていましたよね。音響効果の助手さんが自作したBGMとSEも非常によく出来ておりゲームっ子ではありませんでしたが感動してしまいました(笑)助監督さんが構成したゲームの画面はマリコさんの鑑定の動きとシンクロし、より面白味のある出張鑑定シーンとなったのではないでしょうか。

さて、このシーンで初登場となった新アイテム!モバイルDNA解析装置です!モバイルとは言えこのサイズ!大きめのスーツケースくらいで、持つとかなり重いのです(笑)
しかし、ご担当の方によれば、実際のDNA解析は一定の広さの部屋に複数の機器をガッツリと設置してようやく始められるものなので、この大きさでも十分モバイルサイズと言えるのだとか。お借りしたのは実用できる本物の解析装置で、田﨑監督がクールに撮り下ろしてお披露目してくださいました!

日本ではまだまだ試験的な導入しかされていないそうですが、アメリカなど広大な土地を擁する国の警察組織では国土の広さから解析できる場所と事件現場との距離がかなり長大になるケースも多く、初動でこのモバイル解析装置を持って臨場することで検体と試料の関与可能性の高低を振り分け捜査対象を絞り込めるなど、効果的な運用が実現できているとのことです。
また、合わせてお借りしたモバイル3Dスキャナーも出張鑑定のお役立ちアイテムですよね。血痕を発見したゲームハードを成傷器の候補として読み取りラボに送って鑑定してもらうというシークエンスでしたが、実用的な分野は美容業界なのだとか。。。たとえば美容鍼の施術ビフォアフターのビジュアルデータを3Dスキャナーで取り込んで効果を実証したり、それを医療機器メーカーなど別分野のフィードバックやプレゼン用に使ったりするそうです。医工連携という注目分野で多用される機器を科学捜査にも応用する、まさに科捜研シリーズの見どころのひとつです。

さて、「ラーメン高持屋」関係では、運営母体である高持屋フードサービスの面々もミステリーのエッジが利いていたのではないでしょうか。社長の高持太郎にいわすとおるさん、常務の岩井出修に吉田輝生さんというキャストを据え、監督が東映京都俳優部のコミカルテイストを余すことなく引き出してくれたように思えます。
ちなみに今回お借りした会社のロケ地が、以前兼﨑組・第22話「ミステリーの達人」の臨場シーンで使わせていただいた草むらの真隣(偶然!)で、石井さんと科捜研スタッフたちは草の種が服にたくさん付いて大変だったねという話で少しだけ盛り上がりました(笑)しんどいロケも、喉元過ぎれば熱さを忘れるということでしょうか。。。

昨日までの人間関係が音を立てるように崩れ落ちる経験は、しかし、忘れられないことでしょう。
岡村陽太のバイトテロ動画が流出したせいで姉の岡村美奈子(演・入来茉里)を始め彼の家族周辺は俄かに荒れ始めます。。美奈子の結婚は破談になり、勤務する会社も辞め、自宅を売ってまで弟の賠償金を支払い、母親は体調を崩して入院、自身のアルバイトだけでは病院代も尽きてしまう、まさに悲惨な現状です。

司法は推定無罪が大原則とは言え、刑事というのは人を疑う仕事であると言えます。蒲原刑事が堀切刑事に、「捜査対象に波風立てるのを怖がってたら、殺人の捜査なんかできませんよ」と言ったのも私はあながち間違っていないと思います。
しかし、堀切刑事は一癖も二癖もある関係者たちを疑うでも信じるでもなく、寄り添い、懇切丁寧に対応し、明晰スマートに事を運びます。漂う名探偵感は掴みどころがなく、何を考えているかわからない妖しさもあり、それがやはりこのキャラクターの最大の魅力なのかもしれないなと、土門刑事のスピリッツをたたき込まれている蒲原刑事とバディを組んだからこそ感じました。堀切の愛妻家プロフィールなど、時折垣間見えるチャーミングな面が中村俊介さんの穏やかな雰囲気とマッチしており次回の捜査も実に楽しみです!

さてさて、ネット絡みの犯罪ということで登場していただいたのは泰乃さん!奥田恵梨華さん、おかえりなさいでした!科捜研の女コンプリートブックでは「もしまた科捜研に行くことがあれば、呂太くんに「タ、タメ口…?」と言いたいです(笑)」(P62)とお話していた奥田さん、実際の呂太くんとの対面では「ぼく、呂太だよ(ハート)」に圧倒されていましたが、心では「タメ口…!」と思っていたはずです(笑)

泰乃さんが宇佐見さんに白衣を着せられるシーンはドキドキしてしまいましたが、ラストでは「宇佐見さんのお茶は魅力的だけど、もう行かないと」と言って去ってゆきます。意味深…!奥田さんの田﨑組オールアップは亜美ちゃん役の山本ひかるさんとの協働解析シーンで迎え、終了後は亜美ちゃんと写真を撮り、顔馴染みのスタッフに見送られながらラボを後にしました。。また是非ご出演いただきたいですね!奥田さん、ありがとうございました!!


さて、次回は第26話。2019年最後の放送を締めくくった田﨑監督が2020年初回の放送も担当します!そして、年明け1/16放送回は戸田山さんの脚本回。櫻井さんが生み出したキャラクターを戸田山さんが動かす、その贅沢な構造にもご注目ください!あらすじとみどころはページ上部から。ご期待ください!

(文責・東映プロデューサー補 山﨑雅人)

PAST EPISODE 過去のエピソード

INFORMATION 番組情報

CAST
榊󠄀マリコ ……… 沢口靖子

土門 薫 ……… 内藤剛志

風丘早月 ……… 若村麻由美

宇佐見裕也 …… 風間トオル

藤倉甚一 ……… 金田明夫

日野和正 ……… 斉藤 暁

佐伯志信 ……… 西田 健

橋口呂太 ……… 渡部 秀

涌田亜美 ……… 山本ひかる

蒲原勇樹 ……… 石井一彰

STAFF
【ゼネラルプロデューサー】関 拓也(テレビ朝日)

【プロデューサー】藤崎絵三(テレビ朝日) 中尾亜由子(東映) 谷中寿成(東映)
【プロデューサー補】山﨑雅人(東映)

【脚 本】戸田山雅司 櫻井武晴 ほか

【音 楽】川井憲次

【監 督】森本浩史 田﨑竜太 ほか

【制 作】テレビ朝日 東映

LINK テレビ朝日公式サイト

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