科捜研の女season18
- 2018年10月18日~2018年12月13日放送
放送は終了しました。ご視聴ありがとうございました。
「統合型リゾート」に関する実施法、いわゆる「IR法」の成立を受けて、京都府がその候補地に名乗りを上げた。
そのリゾート建設候補地「桂」に隣接する「長岡京市」の山中で、爆発事件が発生!
マリコ(演・沢口靖子)ら科捜研は、爆発物処理班の黒部(演・堀部圭亮)とともに現場を鑑定。
結果、「時限式爆弾」が仕掛けられていたことが判明した。
さらに爆破された土地には、「IR道路」になる計画があったことが判明。
これは、「IR反対派」によるテロなのだろうか?
そんなとき、京都府庁の巽(演・宅麻伸)から、「爆破された土地の所有者が見つかった」という報告が入る。
所有者は、東京で飛行機部品の開発を手掛ける水野珠美(演・宮崎美子)。
土門刑事(演・内藤剛志)は、土地が爆破されたのに「却って助かる」と平然と言い放つ珠美が気になっていた。
やがて、爆弾魔の正体を必死で突き止めようとするマリコらをあざ笑うように、第2の爆破事件が起きる。
だがそれは、日本列島を震撼させる「連続爆破テロ」の始まりにすぎなかった――
そして土門の身にもある「変化」が起こり――
脚本 櫻井武晴
監督 森本浩史
ゲスト
宅麻伸
宮崎美子
堀部圭亮
上島竜兵
ほか
みどころ
「久々に硬派な題材はどうでしょう。たとえば爆弾とか…」
という超ざっくりした私の発言に対して、
「爆弾ね」
とまた、こともなげに相槌をくれた脚本家の櫻井さんが、
2週間も経たないうちに、超濃密な「爆弾の科学」オンパレードのプロットを送ってくれて、震えたのが今年の晩夏。
まだ初回スペシャルを撮影していた森本監督は読んで一言、
「科学の新兵器、多すぎない?」
たしかに、これ全部、2時間10分の放送枠に収まりません!状態。
普段血眼になって科学ネタを探している我々にとっては、
「科学ネタ多すぎ」という超ぜいたくな事態です。
あえなく少し削って、でも、おいしいところはなるべく全部ぎゅっと詰め込んで、
連続爆弾魔が次々に繰り出す奇想天外な爆弾と、
それを上回る勢いで科捜研チームが披露する最先端科学のアイテムとの、
熱い熱い戦いを、皆様にお届けします。
最強のゲストキャスト陣も、作品の熱いエネルギー源のひとつ。
宅麻伸さん演じる元刑事の巽は、土門とマリコに対して、
ある大きな「サポート」をしてくれます。
超絶ハンサムなマスクの下に秘められた熱い想い、
マリコ、土門それぞれとの間に芽生えていく絆にもご注目ください。
ミステリアスな飛行機部品のエンジニア、珠美役には、宮崎美子さん。
噂にたがわぬ才女っぷりで、複雑なセリフも華麗にキメて、なおかつ魅力的なシーンにしてくれました。
爆弾処理班の黒部隊員の役には、堀部圭亮さん。
鮮烈な存在感を持つ役者さんで、黒部の持つ「情念」を見事なバランスで演じてくださいました。
被害者の弟役には、上島竜兵さん。
お正月にふさわしいスペシャルゲストですが、
そのあふれるスター性に、現場スタッフも皆上島さんの虜になっていました。
そして最後に。
「俺がいなくても、大丈夫そうだな」
最終回での土門刑事のこのセリフに、もやもやした気持ちを抱いている視聴者の方々も少なからずおられることと思います。
そんな煩悩を持ったまま年を越していただくことになり、心苦しい部分もありますが、
すべての答えは、この正月スペシャルにあります。
マリコにとって、ひとつの「転機」が訪れます。
どうか皆さま、マリコに寄り添って、最後まで見届けていただければ幸いです。
【マリコの衝撃的ワンカット】
今回は、色々な意味での「衝撃カット」が多く、
選ぶのがとっても難しいですが、あえて一言。
「マリコ、叫ぶ」
とさせてください。
もったいぶってすみません。
何に対して、だれに対して、どんな想いで叫ぶのか。
どうかお見逃しなく。
(文責・東映プロデューサー 中尾亜由子)
第8話 こぼれ話
解剖医・風丘早月の悩みと決断をフィーチャーした第8話、いかがでしたでしょうか。
風丘家の子供たちの登場は、妹の亜矢(演・染野有来さん)はシーズン15の第8話でマリコに「弟子入り」して以来、
兄の大樹に至っては実にシーズン8の第5話以来の登場でした。
今回、二人は大学生になっています。
大樹役は和田慶史朗さん。
ちなみに先日、藤倉刑事部長役の金田明夫さんの主演舞台で、
金田さんの息子役を演じられていました。
今回は若村麻由美さんの息子役にコンバートです(笑)
久々に風丘家が描かれるとあって、
若村さんもさらに気合十分。
台本が上がってから、まず、西片監督と、
この十年間、風丘家にどういうことがあったのかの話し合いがありました。
その時点で、まだ菫役も、大樹役も決定しておらず、
若村さんにとっても探り探り状況をつかんでいこうという状態ではあったと思うのですが、
そこは若村さんの女優としての洞察力で、
本質をつかむ質問がぐいぐいと投げかけられました。
風丘家に仏壇と夫・洋二の遺影があったり、
早月の身振りや大樹の台詞の要所要所に、
今は亡き洋二の存在が(今回初めて「科捜研の女」をご覧になった方が不自然に思わないくらいの塩梅で)感じられたりするのは、
すべて若村さんとの話し合いの中で出していただいたアイディアです。
そして、菫役を、抜群のリアリティで演じてくださったのが、田中律子さん。
さらに、マリコと早月先生の間には根底にゆるぎない信頼関係があるからこそなのですが、
風丘家の事情は一顧だにせず、
「脳梗塞で死亡した遺体に事件性はあるか?」の鑑定に奔走する、
沢口さん演じるマリコの姿も改めて魅力的でした!
事件のキモにあたる脳梗塞の発症の部分は、
視聴者の皆様にも、なんとか医学的なメカニズムをわかりやすく説明したく、
医療監修の先生にも見ていただいて、
CGアニメーションの表現は血管の内壁の厚さにまでこだわりました。
ああ、早月先生回をやってよかったなぁ~とスタッフとしても実感できた第8話でした。
そして、いつもの屋上のはずなのに、いつもとは何かが違う――。
そんなマリコと土門の空気に、戸惑われた方も多いと思います。
年明け1月3日、二人の身に何が起きるのか! 必見です。
正月三が日は、初日の出、初夢、初科捜研。よいお年をお迎えください!!
(文責・東映プロデューサー 谷中寿成)