爆上戦隊ブンブンジャー

バクアゲ37 二人のスパイ

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~BAKUAGE EPISODE GUIDE~

監督:葉山康一郎 脚本:冨岡淳広

「もう終わりにしよう。君は……」

射士郎はブンブンジャーを離れ
ISAやライトニング・テックを単独で調査。
徐々に明らかになっていくハシリヤン利権の実は
内藤を師に持つ大也の心を曇らせていく。

全てを明らかにするため動く射士郎だったが、
そこにかつてのスパイ仲間・ステアが接触。

久しぶりの再会でいくつかの言葉を交わす二人…。

次に範道邸に現れた射士郎は躊躇なく銃を抜く。
そしてあろうことか銃口を大也に向け──。

(文責 : 吉川史樹)

~BAKUAGE TOPICS~


バクアゲ36、ご視聴ありがとうございます!

これまで、渡辺監督の担当回にミラがメインの回がなかったので、ここはミラを預けてみようと決めました。
今回、監督には、3話持ちで撮影していただいたのですが、このバクアゲ36は、34・35とはガラッと変わったテイストで描いてくれましたね。この監督……引き出しが多い…!

ヒーローと人々、憧れと羨望、夢と現実、他者と自分……。

FINAL LAPのスタートとなるこのタイミングでこのあたりのトピックが描かれたのは何かしら意味があるかも……!?


それにしても、鈴木美羽という役者は、テーマ性を背負ったセリフを視聴者に飲み込みやすく温かく届けるのが本当に上手いなぁ…。

「ハンドルを握ってるなら、アキの世界の主役は、アキだよ」

……ミラぴの言葉に、見ているこっちも背中を押してもらえた気がしました。


この作品はこれまで「自分のハンドルは自分で握る」をテーマに走ってきましたので、ミラとアキのやり取りを通して、あらためてこのテーマと向き合ってみる回でもありました。
この言葉……すぐにでも実践できそうなテーマのように見えて、実は簡単ではない……。

自分のハンドルを迷いなく切るためには、夢やビジョンが必要だと思うのですが、まわりや他者ばかり気にしても、夢はみつからない。
夢は自分にしか決められないし、自分のことをよく理解しないと探せない。
でも、自分ばかり見ていても、たまによくわからなくなる。

自分のことは自分が一番良くわかっていると思いがちですが、案外、自分が知らない自分をまわりの人は知っているもの。
だから、自分の知っている自分がすべてだと決めつけず、人から見つけてもらう自分もある、くらいのスタンスが夢を探すための適度な視野かもしれません。


そして、「自分の夢がひとつでも見つかれば、それだけでもすごいこと」と、以前どこかで書いた気がしますが、夢が見つかったとして、そこからさらに「夢に向かって自分らしく道を進む」というのは極めて難しいことのように思います。

「昔と違って選択肢が多くなった」「自由に生き方を決められるようになった」という前提がなんとなく共通認識とされているような現代。
生きやすくなってきたようにも捉えがちですが……むしろ、時代を乗り回す難易度は上がっているようにも感じます。

生き方に絶対的な正解はないけれど、無数の選択肢の中、ロールモデルさえも示されず、ノーヒントで自分の幸せを探さなければならない。

「自分の責任で自由に(自分のハンドルは自分で)」といっても、社会の様々な環境要因が介入してきて、そう簡単には思った通りに進めない。

……難しい。でも、たぶん、いつの時代も何かしら難しいんですよね…。で、難しいなら、それはもう面白がるしかない。


一旦「目的地」さえ決められたなら、そこへと続く道を探れる。そしてそのルートはひとつじゃない。
イメージしていた道を進めなかったとして、迂回したり、分岐点まで戻ったり、一時停止したとしても、「目的地」を設定していれば、アキが語っていたように、別ルートの道にも意味と価値が生じる。
もちろん、「目的地」が変化したって良いんです。

「夢」へと走る道は、どんなルートであってもハンドルを握っている人が主役なのです。


つまり何が言いたいかというと……
難しい時代を走るすべての人をブンブンジャーは応援しています!(?)



次回バクアゲ37は、
対峙するアカとアオ…!?
交差する視線と剣戟…!?
そのミッションは遂行可能か、インポッシブルか……!?

とにかく、スパイ・シャーシロのカッコよさ大放出回です!

「この世界には…キザが足りない…」
と常日頃感じていたそこのあなた。わかります。ブンブンジャーがなんとかします。次回放送をどうぞお楽しみください…!
みなさんの心のシャッターチャンスをたくさんご用意しておりますので!

来週まで待てない…という方は、TTFCで連載中の「バクアゲコミック」こと、『爆上戦隊ブンブンジャー formation lap 情報屋の秘密(ユア・アイズ・オンリー)』でも、おキザなバクアゲをご堪能いただけるかと思います。本日、第2話更新です。


次回も、ズルいくらいクールに、爆上がっていただきタイヤー!

(文責 : 久慈麗人)

~BAKUAGE REPORT~


バクアゲ36「夢へと走る道」ご視聴ありがとうございました!

ついに始まったFINAL LAP、
1話目は“夢”をテーマにお話をお送りしました。


大人になってみるとなかなかヘビーなテーマです。

そして皆さんも爆上がったかと思いますが、
あの痛快な特別ゲストも出演!!

そんなモリモリな37話、早速振り返っていきましょう☆

■ツーカイな親友
今回のメインゲストはミラの中学からの親友、野木秋。

演じてくださったのは皆さんご存知の森日菜美さん!
『機界戦隊ゼンカイジャー』では
フリント・ゴールドツイカーを演じていましたね!

今回は渡辺監督たっての希望でキャスティング。
久々の特撮ですが今回はフリントとは打って変わって
一般人代表のような役での凱旋でした。

スーパー戦隊はスタッフの入れ替わりが比較的少ない番組なので、
森さんとゼンカイジャーを作り上げたスタッフもブンブンジャーに大勢残っています。
そんな作品ですから、
OB・OGが凱旋すると一盛り上がりするのは定番なのですが、森さんほど現場から愛されている方は見たことがないかもしれません。


衣裳合わせ室に入ってくるなり独特のオーラを発し、
スタッフ陣の雰囲気が一気に緩んだのはかなり衝撃的でした。

スタッフが「ひなみんおかえり〜」と声をかけ、
森さんはそれに対して「ただいま〜」とニコニコ返していて、
その光景だけで(ゼンカイジャーって良い現場だったんだろうな)と察することができました。

監督椅子に座っても笑って許される人、あんまいないです笑


途中悪い子に見えそうなシーンもありましたが、
森さんが演じてくれたおかげで陰険さは軽減され、
我々が本来伝えたかった物語のテーマがうまく表現されていたかと思います。

そんな森さんを起用した秋。
実は随所に遊び心が満載なのでちょっと紹介させてください。

◯ダンスの秘密
劇中でミラが秋を紹介する時に秋が舞台で踊っている様子が映ります。
その時に踊っていたダンス、どこかで見覚えありませんでしたか?
そうです、ツーカイなアニキの変身ダンスです(変身ダンス??)。

森さんも何度も見ていたので体の深いところに動きが染み付いていたらしく、
軽く練習を挟んだらすぐに踊れるようになっておりました。
それにしても、あれは一体なんの舞台だったのでしょうか…。

◯チェンジの秘密
物語後半、秋はミラのチェンジャーを手に苦魔獣退治へと向かいます。

その際、白シャツにデニムからピンクっぽい洋服に着替え家を出ました。
渡辺監督は「大勝負だから憧れのミラに似た“ピンク色”に身を包んで気合いを入れた」としつつ「フリントみを足しましょうか」と遊び心のスパイスを。
カラーリング構成やヒラヒラの感じ、確かにフリントみありますよね〜。
そしてこの時の髪飾りはなんとフリント役で実際に使っていた小道具を使用しています。

これまたスタッフが変わらないからこそできる遊び、素晴らしい!!

◯名前の秘密
最後に小さな小ネタ。
野木秋という名前は、冨岡先生が脚本を担当された某アニメのキャラクター名をもじってつけられました。誰かわかった人、いますかね??


このようにスタッフの愛が詰め込まれた野木秋さん、
人間らしい魅力的なキャラクターになっていたかと思います。

夢を追い続けるもなかなかうまくいかない秋と
転がり込んできたチャンスをものにしたミラ。


2人の対比が描かれた話になりました。
隣の芝生は青いと言いますか、
結局人はみな無い物ねだりをしがちな生き物なのかもしれません。

羨望や誤解なんかを描いた物語。
振り返って参りましょう。

■夢への道、ナビなし
人々が見上げる先にはブンブンジャーロボ。
今日も苦魔獣相手にブンブンジャーは大活躍です。


あれれ、なんか男性店長さん見たことあるな…気のせいか…?

と、そこに野木秋がやってきました。

そうそう、こちらのロケでトイザらスさんにお邪魔しました!!
何歳になってもトイザらスさんに入るとテンション上がってしまいますよね。
なんか、こう、幼児期の興奮が自然と蘇ると言いますか!
トイザらスさん、ありがとうございました♪

話を戻しまして、
人々が大盛り上がりを見せる中、
秋はどこか物憂げな表情でブンブンジャーの活躍を見守ります。


その理由はと言うと…

ブンブン抜けから帰ってきたブンピンクが、

“ミラぴ”が、

中学からの友達だから。


昔から知ってるミラぴの活躍、
応援する気持ちはもちろんありつつ、
なんか、こう、置いて行かれた感と言いますか…。

そんな複雑な気持ちでミラを迎えますが、
周りの人たちは英雄の帰還とばかりにミラを持て囃します。

やはり友達に水を開けられた感が表情を曇らせます。
心ここに在らずな秋は店長から仕事のミスを指摘されてしまいました。


!!
やはりこの人!!
そうです。
『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の山田部長です。
滝さんもニチアサに凱旋してくださいました!
ご出演ありがとうございました!

さて、持て囃されたミラはというと、
驕ることなく笑顔で仕事に戻ろうと…。

そこで秋が仕事中だからとブンブンチェンジャーを預かることに。

時が経ち、バイト終わりの帰り道。

秋は長年追い続けた役者の夢を諦めることをミラに告白します。
ミラは秋の出る舞台を観に行ったりと応援していただけにかなりのショック。

でもそれが秋のハンドルならと、受け入れますが…。

そこに現れたのは錠と大也。

これは冨岡先生のこだわりで、
夢破れた秋の前で
親友の周りに続々とイケメンが集まる様を描きました。
ジワジワと差を見せつけることで秋の中に溜まっていくフラストレーション。

そこで預かっていたチェンジャーを返していないことに気が付きますが、
出来心でつい返すのを躊躇ってしまいます。


この複雑な心情変化、お子様の視聴者にどれだけ伝わるかわかりませんが、
多くの子がこの先の人生で味わうことになるのかもしれませんね…。

その不安定な感情遷移がハザードランプに合わせて演出されており、
観ているこちらも思わずドキドキしてしまいます。

もちろんミラは悪いことをしていませんし、
秋の気持ちが理解できないでもありません。
人間誰しもが持つ嫉妬や羨望。
その相手が親友だと心にくるものがあるのではと容易に想像できます。


そしてミラに悪気がないことの証拠に、
彼女は範道邸で秋の魅力を大也に語ります。

(お掃除大也、なんか良いですよね)

秋はミラにはないものを持っているからこそ
親友としてのリスペクトがあるのでしょう。

そんな話を聞いていた大也。


ミラの手首にチェンジャーがないことに気が付きます。
パニクるミラ、鞄をひっくり返しますが大也がナイスセーブ。

コンビネーション抜群(?)なカット、笑っちゃいましたね。

チェンジャーの所在はすぐにブンドリオが突き止めました。

それは秋の家。

ミラはすぐに電話をしますが秋が電話に出ることはなく…。

こちらの揺れる秋のシーンでも
踏切やライトの点滅で、
秋の不安定な心情が巧く演出されています。

渡辺監督は常々「芝居は感情なんですよ」と仰っており、
まるで映画のようなシーンを撮ってくださいました。

「これがあれば私も…」と、
秋はついに電話を無視してしまいます…。

翌日、苦魔獣が出現。
しかもヤル気満々のヤルちゃんの作戦で二箇所同時に出現です!!
ブンブンジャーも二手に分かれ現場に急行しますが…。
そうです、ミラのチェンジャーは秋が持ったまま!!

とりあえず現場に向かう大也とミラでしたが…

そこに登場したのはチェンジャーを付けた秋。


憧れのブンピンクになれば自分も人々から憧れられる存在になれるかもしれない。
そんな気持ちで苦魔獣の前に立ち塞がり
「ブンブンジャーだ!!」と啖呵を切ります。


その顔は自信を失くし夢を諦めた人のそれではなく、
ヒーローの顔をしていますが…

(ブーン ブンブーン ブンブンブーン!!)

「ブンブンチェンジ!!」


しかし秋の身体は変身せず…。


それもそのはず、アクセルペダルを押した後に
下部のタイヤを回さなければブンピンクにはなれません。

それを見ていたミラ、秋を連れ苦魔獣から避難させます。


そこで繰り広げられる舌戦。

私だって主役になりたかった、
みんなに頼られるミラが羨ましかった、と告白する秋。


対するミラは頼られると言うより流されていただけだと返しますが、
秋は劇団でも脇役しかやれない自身を卑下します。
しかしミラはそんな秋に
「あたし、秋のことずっと憧れてた」「ずっと夢に真っ直ぐで、かっこいいと思ってた」

隣の芝生は青い、もとい隣の芝生はピンクい。
親友の中に自分の足りない部分を見て
お互いに尊敬していたのでした。


人間らしいすれ違いが生んだ今回の諍いですが、
ミラは「今はちょっと回り道するだけじゃない?」と夢への向き合い方を伝え戦いへ。
このセリフ、筆者大好きです。
「今はちょっと回り道、するだけじゃない?」とここで区切ったのもすごく良い!

秋も秋の人生の主役。
人生にナビはないですが、
回り道にもきっと意味があって楽しいはず。

そんなメッセージが込められた素敵なセリフ、
ぜひもう一度配信で観直してください…!!

さぁ、ここからはミラのステージです。


ブンブンチェンジをして苦魔獣のもとへ駆け出します。


渡辺監督による魂の素面からの変身です!!

そしてパトカー2をカスタマイズし、ブンピンクは2人に分身。

片方はミラ、もう片方は秋の気持ちを背負ったダブルピンク!!


この暴れん坊な戦闘スタイルを見ると、
ミラがブンピンクなのはブンブンチェンジャーがあるからではなく
ミラがミラだからなのがよく分かりますね。

秋は大也たちと共にミラのバクアゲを見守ります。


なんか、後方から応援するの
めちゃくちゃ見覚えありますね、やってましたか??

「いっけ〜ミラぴ、突っ込め〜!」


絶対やってた!俺これなんか知ってる!!

そしてミラは大也たちからの背中タッチを受け、
フルスロットルで一気に倒し切りましたパチパチパチ。


そして秋、旅立ち時。
運転屋のミラが新居まで送ることに。


ミラは秋へ自分のハンドルを握っていれば自分の人生の主役だとメッセージを送ります。


すると秋は「回り道して違う景色見たら私パワーアップできる気がする、また夢にチャレンジする!何年かかっても絶対あの舞台に立つ!」と新たな宣言を。



今回のお話、秋が最後に取る選択をどうするかで
打ち合わせが白熱したのを覚えています。

夢を諦めるのは悪いことか?
諦めて次の夢を探すのもまた人生ではないか?
そんな話になりました。


我々はそれを運転になぞらえて
「目的地を変えるだけでハンドルは握ったままだよね」
「ルートも行き先も変えてもドライブ(人生)は楽しいよね」とまとまりました。
つまり夢の追い方に正解はないということ。
そして今回の秋は回り道をして経験値を増やして再挑戦するという道を選びました。
高速を降りて下道で寄り道しながら行くみたいなもんでしょうか。


大人になればなるほど現実を知り夢を叶えることの難しさを実感しますが、
別に全て叶えるだけが主人公じゃない。
主役の隣もまた主役、と久慈Pが言っていたのを残しておきます。。。

さてさて、ブンブンの夢を届けるために頑張っている大也はどうなっていくのでしょうかね…。

ISAと玄蕃&始末屋コンビの密談も今後大きく物語に影響してくるのでそちらも再度ご確認ください。


そして森日菜美さん、改めて帰ってきてくれてありがとうございました!!
また特撮でお会いできるのを楽しみにしています〜∧( ‘Θ’ )∧


ではまた来週!!

(文責 : 吉川史樹)

~BAKUAGE INFORMATION~


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「爆上戦隊ブンブンジャー」八手三郎(原作)/冨岡淳広(監修)
大川武宏、久慈麗人(コミック企画プロデュース)
漫画堂(作画)/サイドランチ(コミック制作)
東映特撮ファンクラブ(製作)