2024.06.06

東映ツークン研究所による日本発“顔の表情解析”フェイシャルキャプチャーシステム『TOEI FCS』7月1日より販売開始

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「コンテンツの未来をデザインする」というミッションを掲げる東映ツークン研究所はこの度、人間の顔の表情を解析しCGキャラクターの表情として豊かに再現する、フェイシャルキャプチャーシステム『TOEI FCS』を開発しました。ハイクオリティ・フェイシャルアニメーションの実現を目指し、研究者と東映ツークン研究所のフェイシャルデザイナーが一体となってソフトウェア開発に取り組み、日本製の3DCGソフトウェア『TOEI FCS』を完成させました。
東映ツークン研究所は、業界に先駆けてフェイシャルキャプチャーサービスを展開してまいりました。そのノウハウを生かした『TOEI FCS』は、これまでのフェイシャルキャプチャーと比べて作業工数が少なく、複数の作業の同時進行も可能です。 デザイナーフレンドリーかつ制作現場のパイプラインに沿った、これまでにない画期的な操作性と効率性を有していることが特徴 です。

そしていよいよ、 『TOEI FCS』の一般販売を2024年7月1日(月)より一開始いたします。 販売に先立ち、6月6日(木)16時より東映東京撮影所内デジタルセンターにて、販売用FCSの製品発表会が行われました。

製品発表会では、株式会社HELTECセンシング事業部長・池田隆行氏、東映ツークン研究所テクニカルディレクター・三鬼健也氏、FCS開発デザイナー/フェイシャルスーパーバイザー・永木慎一氏が登壇。FCS開発の歴史やツークン研究所の使命、また今回販売される『TOEI FCS』の特徴についての説明を行いました。また、発表会後には『TOEI FCS』のハンズオン(体験会)も行われました。会場にお越しの方々は、実際にその機能を触って確かめ、操作のスムーズさと新しさに驚きの声をあげていました。

『TOEI FCS』とは

『TOEI FCS』は、 顔の映像から表情の解析とリターゲットを行い、3DCG キャラクターのフェイシャルアニメーションを生成する“動画解析”を行うソフトウェア です。ツークン研究所のフェイシャルデザイナーが研究者と連携して開発しました。演者の表情を3DCG キャラクターへ忠実に反映し、目線の動きや・瞳の揺らぎなどの細かい動きまで再現します。
『TOEI FCS』はCGデザイナー目線で作られた直感的な操作とさまざまな機能で効率の良い作業が可能であるため、制作現場やデザイナーに寄り添ったソフトウェアとなっております。
また、“FCS”は、”フェイシャルキャプチャーシステム: Facial Capture System”の頭文字から命名しました。

『TOEI FCS』の特徴的な機能

① オートトラッキング機能により自動で顔を推定
従来の動画解析ソフトでは必要だった、眉毛や口の形状に合わせて点を置く作業工程が不要になり、工数軽減が可能です。
また、この作業が不要になることによって演者の顔に印を描く必要がなくなります。

② Maya (※) との連携が可能
新規作成時に登録しておくことで、直接Mayaと対応するCGモデルが入ったMayaシーンを開くことができます。

※Mayaとは
オートデスク社によるハイエンド3DCG用ソフトウェア。3Dアニメーション、モデリング、シミュレーション制作などに使用される。映像現場で使われているプロ仕様のソフト。

③音声データやプレイブラストの出力を選択可能に
動画内に演者と3DCGモデルを並べて表示できるプレイブラストや音声データ(.wavファイル)、連番画像のセットなど、オプションを選択してアニメーションの出力ができます。

④複数出力機能を標準搭載
1本の動画を解析・アニメーション生成を行う単体出力だけではなく、複数の動画を一気に出力できるバッチ機能を標準搭載しています。
 
⑤ 作業負担を軽減するPredict機能を搭載
演者の表情のリターゲット+基本表情の登録を行うことでその情報から推定した画像解析が可能です。

葛西歩(東映ツークン研究所所長)コメント

東映ツークン研究所が独自で開発した、顔の表情を解析するツール「FCS」が完成し、さらに製品化して発売することに漕ぎつけました。自社で開発したソフトウェアを製品化して発売するのはツークン研究所として初の試みとなります。今後は、ツークン研究所独自で開発されたものを自社スタジオ使用だけに限らず、製品化も視野に入れ、収益の幅を広げていきたいと思っています。まずは、日本国内からの発売になりますが、順次海外での販売を行っていきます。この「TOEI FCS」はどの国でも有益に活用されると思っています。日本はコンテンツ制作のソフトウェアに関しては海外からの輸入ばかりと言われていますが、日本発の海外向けソフトウェアとして逆襲したいと願っています。ツークン研究所は、コンテンツの制作とその制作のための研究開発を両輪で行っていきます。

永木慎一(東映ツークン研究所 FCS開発デザイナー/フェイシャルスーパーバイザー)コメント

FCS開発の当初は社内で使用する内製ツールとしてのスタートでした。
ですが、開発をしていく中でFCSを使用してのフェイシャルキャプチャー、アニメーションサービスのみに留まらず、FCSのソフト自体を使って頂くことで、日本のフェイシャルアニメーション業界にもっと広く深く貢献出来るのではないかと考えました。そこで、内製ツールとしての完成からさらに1年間の開発を続け、今回製品として発表、発売をするに至りました。
これまでも東映ツークン研究所では日本を代表するクリエイターの方達とお仕事を共にさせて頂き、キャラクターのリアルさや、”カッコいい”や”可愛い”を追求する事に関わらせて頂きました。その道を辿る過程の中でFCSが生まれました。東映ツークン研究所で培ってきたノウハウを業界の皆様に共有させて頂き、日本のエンタメ業界の発展を加速させたいと思っています。


東映ツークン研究所では2015年にフェイシャルキャプチャーサービスを開始しました。
『TOEI FCS』を用いたハイクオリティなフェイシャルアニメーション制作サービス、自社オリジナルヘッドマウントカメラを用いたフェイシャルキャプチャー撮影サービスを展開しております。
今後もフェイシャル関連サービスの拡充を図り、フェイシャルアニメーション業界をより発展させてまいります。

製品販売概要

総販売・サポート元:株式会社HELTEC センシング事業部
1年ライセンス
1ライセンス400,000円/年(税込440,000円)
※2024年12月までのお求めの場合、1ライセンス購入につきもう1ライセンスを無償で付与致します。

関連リンク

★『TOEI FCS』 
専用ページ:https://www.fcs.zukun-lab.com/
★開発元
東映ツークン研究所:https://zukun-lab.com/
★総販売・サポート元
株式会社HELTECセンシング事業部:https://sensing.heltec.co.jp/product/zukun-lab/toei_fcs/