2023.06.15

映画監督 中島貞夫氏 訃報

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映画監督 中島貞夫氏が、6月11日(日)夕刻に肺炎の為、京都市内の病院にて逝去致しました。享年88才。葬儀は家族葬として既に執り行いました。生前のご厚誼を深謝し、謹んでご連絡申し上げます。

*喪主であるご子息(ご長男)の 中島純太(じゅんた)氏のご意思によりご香典、ご供花、ご供物は固く辞退申し上げます。

【プロフィール】

1934年(昭和9年)8月8日千葉県東金市出身。東京大学に入学し、美学美術史を専攻。倉本聰氏らと東大ギリシャ悲劇研究会を設立。1959年大学卒業後、東映㈱に入社。京都撮影所に配属、1964年『くノ一忍法』で映画監督デビューし、京都市民映画祭新人監督賞を受賞。1967年よりフリー監督として、幅広いジャンルの作品を手がける。

主な監督作品に映画では、『893 愚連隊』(1966年)、『大奥㊙物語』(1967年)、『日本暗殺秘録』(1969年)、『まむしの兄弟』シリーズ(1971年~)、『木枯し紋次郎』シリーズ、「暴動島根刑務所」(1975年)、『狂った野獣』(1976年)、『沖縄やくざ戦争』(1976年)、『日本の首領』三部作(1977年~)、『真田幸村の謀略』(1979年)、『制覇』(1982年)、『序の舞』(1984年/インド国際映画祭監督賞受賞)、『瀬降り物語』(1985年)、『女帝 春局』(1990年)、『新 極道の妻たち』(1991年)、『極道の妻たち 危険な賭け』(1996年)、『極道の妻たち 決着』(1998年)。20年ぶりにメガホンを取った『多十郎殉愛記』(2018年)が映画監督としては最後となった。その『多十郎殉愛記』の撮影現場を追ったドキュメンタリー『遊撃 / 映画監督 中島貞夫』(監督:松原龍弥)は2023年1月27日に公開された。

テレビは「大奥」(1968年~ 関西テレビ)他多数。

脚本家としても、代表作に『人生劇場』(1983年)、『吉原炎上』(1987年)、『将軍家光の乱心 激突』(1989年)などがある。

1987年に大阪芸術大学教授、1997年から同大学院教授に就任。2011年からは立命館大学映像学部客員教授も務めた。京都国際映画祭名誉実行委員長。

京都市文化功労賞(2001年)、京都府文化功労賞(2002年)、牧野省三賞(2006年)、映画の日特別功労賞(2015年)、京都映画大賞 受賞(2018年)、日本アカデミー賞特別賞(2020年)、毎日映画コンクール特別賞(2023年)、京都府文化賞特別功労賞(2023年)、など受賞多数。

【東映株式会社コメント】

この度は中島貞夫監督のご逝去の報に接し、謹んで哀悼の意を表します。

中島監督は、1959年に当社入社後、当社の代表作となる劇映画、またテレビ映画を数多く制作されました。まさに東映の一時代を支えてくださった監督でした。

さらに中島監督は監督業だけでなく大阪芸術大学や立命館大学でも長らく教鞭をとられ、その教室からは熊切和嘉監督、山下敦弘監督、呉美保監督、石井裕也監督など数々の才能を輩出し、邦画界に新しい息吹を与えてくださいました。

個人的には関西で勤務していた1990年代に、エキスポランドのお化け屋敷の監修で中島監督にお世話になった思い出があります。

日本を代表する偉大な監督を失ったことは大きな悲しみではありますが、日本映画界に素晴らしい財産を残してくださったことを深く感謝するとともに、衷心からご冥福をお祈り申し上げます。

東映㈱代表取締役社長

吉村文雄