2023.08.09
「京都イノベーション・サマープログラム2023」
京都撮影所・東映太秦映画村がフィールドワークをコラボレーション
京都撮影所・東映太秦映画村は、一般社団法人京都知恵産業創造の森 スタートアップ推進部が主催する「京都イノベーション・サマープログラム 2023」の開催に協力しました。
このプログラムは、関西圏在住の高校生等を対象に若いうちからアントレプレナーシップを育成する目的で企画され、京都撮影所ならびに東映太秦映画村で実施するものです。
|
京都での映画産業(時代劇)は、伝統芸能である「舞台」と当時のハイテク「映画」が結びついて誕生したこと、また東映太秦映画村は京都撮影所の事業を多角化するために生み出されたことなど、東映にまつわる経営が常にアントレプレナーシップとイノベーションを内包していることから今回のプログラム開催に結び付きました。
初日の28日は撮影所のスタジオ群と美術倉庫の見学ツアーを実施。また見学後のワークショップでは、バーチャルプロダクションの最新事例や海外クリエイターとの交流の模様を紹介しました。
|
|
|
続いて2日目の29日は、京都における日本映画の誕生エピソードにはじまり、太秦で23歳の若さで俳優・阪東妻三郎が起業したことが契機となり、その後13社の撮影会社が集積したこと、さらに終戦直後は数々の国際映画祭で受賞作品を輩出した太秦地域における映画産業の繁栄の歴史とテレビをはじめとする多メディアへの転換などの経緯を紹介しました。その背景を理解した上で見える映画村誕生の理由と、近年におけるゲームやアプリなどIT産業とのコラボによりベンチャー企業が誕生した事例、アニメなどのIPコンテンツとのコラボ事業の変遷と事例を紹介。さらにエンターテイナーの視点を知ることのできる俳優との交流ツアーも参加いただきました。
|
|
|
|
東映京都地区での2日間を通し、イノベーションを絶えず繰り返すエンタメ業界の歴史を知り、トライアルを続ける重要さと、映画の海外市場における可能性を見出した意見がワークショップでは多数上がりました。
そして最終日となる3日目は、京都経済センター内にあるオープンイノベーションカフェ「KOIN」を会場に4グループに分かれ、コンテスト形式で各チームが考えるエンタメの未来を発表しました。
|
映画村はじめ、ゲストの京都信用金庫、京都府ものづくり振興課の審査員が見守る中、音楽フェスなどでリアルな人的交流を促進するアプリ開発の提案はじめ、SNSによる若手クリエイターを結集・創出するイベントを開催する映画村での事業や、ニューデフォルトというコンセプトで、幼児ファミリーを対象に100年前の歴史に未来を探しに行くアイデアなど意欲的なプレゼンテーションが続きました。
そして最も優れた「未来をつくるイノベーション」を発表したチームとして、バーチャルプロダクションとリアルなセットを融合させた没入感ある最新映画の世界を体験できる事業を提案した、女性二人組ダブルパッションズが選ばれました。
|
|
発表は、エンタメをテーマに、撮影所や映画村で行ったフィールドワーク等を通して高校生が強く感じ取った関心事をもとに作りたい未来をプレゼンテーションするルールでした。初めは時代劇に全く興味がないと答えていた高校生も、終盤では日本映画のルーツである「時代劇」をなくしてはいけないと発表するチームや、今後の課題として若年層にも親しまれるコンテンツを常にアップデートするべきとの意見があがりました。
<アンケート 参加後の生徒の感想>
- 自分の通っている学校と違う人と関わり、考え方や性格の違いはあるものの、
何かを作り上げるという目標に向かって協力し合えて凄くよかった。 - 普通に生きていたら関わる事のない人たちと関われた。映画村が楽しかった。
- イノベーションはセンスや才能がある人しか考えつかないことと思っていたが、私のような普通の人でもイノベーションを考えることができるということを実感できた。
- 今日学んだことを活かし、地域に貢献できる企画を考えて地域の独自性を守っていきたい
- 苦手なものを逃げるのでなく、イノベーションで考え方をちょっと変えてみるようにします
- 自分も与える側になって行動していきたい
- 実施日:7月28日(金)、7月29日(土)、8月4日(金) 9:00-16:30
- 会 場:東映㈱京都撮影所/東映太秦映画村/オープンイノベーションカフェ「KOIN」
- 対 象:関西圏在住の高校生または高専生
- 主 催:一般社団法人京都知恵産業創造の森、京阪神スタートアップアカデミア・コアリション(KSAC)
- 協 力:東映(株)京都撮影所、東映太秦映画村
- 運 営:一般社団法人i.club
- 後 援:京都府教育委員会、京都市教育委員会
- H P:https://open.kyoto/calendar/7786/
- https://open.kyoto/wp-content/uploads/2023/06/230628_kyoto_chirashi_ver10.pdf