王様戦隊キングオージャー

『王様戦隊キングオージャー』とは?

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“5人の王様がヒーローになる。”
その企画の根幹にあるのは、スーパー戦隊シリーズは“団結して戦うグループヒーローである”という宿命です。

国を従えるリーダーである王様は、例え相手が他国の王様であっても簡単には従わないはずです。それは、国を背負うプライドと責任感があるから。
でも、そんな立場だからこそキャラクターも一筋縄ではいかない奴らばかりにならざるを得ない。
やってみると、本当に自分の(国の)ことしか考えない、いい意味で自分勝手な奴らばかりになりました。

でも、もう一度言いますが、そんな人たちが『王様戦隊』になることを約束されているシリーズなのです。
単純に、ワクワクしません?
1人だけでも国のナンバーワンであり、最高であり、最強なのに、そんな人が5人もそろって、しかも団結して戦うんです。
キャラクターを動かしてみると団結するのは本当に難しいのですが、団結という運命を追っている戦隊だからこそ、そのシリーズの一番の旨味を最高に盛り上げる展開が待っているはずです!


と、思うだけならよかったのですが…。
これを映像として実現するまでは、いつもにも増して多くの方々の手を借りました。
企画していた当初、「こんなスケールで描くことなんてできるのだろうか」と思っていたところに飛び込んできた『バーチャルプロダクション』という魔法のワード。
すべての国を3Dで制作し、それを背景に投影することで撮影を可能にする技術。
日本ではほとんど馴染みのない技術でしたが、「きっと王様たちのスケールを最大限表現するためにはこれ以上のものはない」と決断し、舵を切りました。

もちろん、今までスーパー戦隊シリーズが積み上げてきた合成の技術という力強いバックアップがあったからこそ決断できたことで、47作品目となるこの作品の歴史に支えられ、その懐の深さには驚かされることばかりです。

現在公開されている映像には今までやってきた2D・3D合成の技術、バーチャルプロダクションを使った映像、そしてもちろん長年積み上げてきた特撮の技術が全て詰まっています。
ワンカット、ワンカット、監督を中心としたスタッフが「このファンタジーに満ちた夢の世界をどう表現するか」を考え抜き、それがつながり、物語が完成していきます。

そんな風につむがれる、1年に渡る王たちのドラマ。
ぜひご期待ください。

(文責・大森 敬仁)


ギラ/クワガタオージャー役 酒井大成


“自称”王様を謳うシュゴッダムの民。
工業国・シュゴッダム城下の児童養護園で育ち、子供たちのためなら自己犠牲を厭わない心優しい青年。ある出来事をきっかけに、自らを邪悪の王と名乗るようになります。そんな彼が口にする「俺様は世界を支配する!」という言葉に込められた本当の意味は何なのでしょうか。

演じるのは、まだドラマへの出演経験も少なく初々しさの残る酒井大成さん。
邪悪の王・ギラと心優しい青年のギラ、二面性のある難しい役に初めて挑んだときは、その強大な壁の前に打ちのめされた様子。しかし、彼は諦めなかった! ギラの初日。厳しい上堀内監督がギラのリハーサルの芝居を見て……なんと一発OK! これは奇跡か…!! 難役に果敢に挑戦し、試行錯誤を重ねながらも、確実に唯一無二のキャラクターを自分のものにしています。
とにかく素直で真面目で、少し天然?な酒井さんは、現場でもみんなから愛され、人を惹きつける不思議な魅力の持ち主。ちなみにフランス映画に精通した映画通な一面が発揮されることも、これからあるかもしれません。




ヤンマ・ガスト/トンボオージャー役 渡辺碧斗


ITテクノロジーの国・ンコソパ国 国王 a.k.a総長。
パソコン一つで王にまで成り上がったヤンキー国王。
生まれがスラム街のため口が悪く、「スカポンタヌキ」「タコメンチ」など独特な悪口を頻繁に口にする。喧嘩っ早いが、実は全く喧嘩慣れしていない一面を持っています。誰よりも”仲間”を愛し、国民から熱狂的に支持されている人情に熱いアニキです。
ヤンキーなんか古い?いやいや、時代はパソコン一つでぶちのめすテックヤンキーでしょ!!

演じるのは、笑顔が眩しい好青年・渡辺碧斗さん。
どちらかというとインドア派のヤンマとは打って変わり、キックボクシングで鍛え抜かれた肉体を持つ超アクティブな渡辺さん。その佇まいはオーディションのときからヤンマにドハマりしていました。監督のオーダーにもすぐに応え、様々なヤンマの姿を見せてくれる渡辺さんの魅力が画面上で爆発しています。芝居に対する情熱は人一倍の渡辺さん演じるヤンマの熱さを感じてください!




ヒメノ・ラン/カマキリオージャー役 村上愛花


美と医療の国・イシャバーナの女王。
美しいもの、かわいいものに目がない超わがままな女王。自分のわがままを突き通すためなら手段を選ばない、まさにチキューに蘇ったマリー・アントワネット。
わがままな反面、「人を救う」ためには我を忘れて患者を診るほど優秀な医師としての一面も持つ。美しさと正義感を持ち合わせたドクタークイーン。

演じるのはヒメノの美しさを地で行く、いつ見ても、どの角度から見ても美しい村上愛花さん。
雑誌の専属モデルを務める美的な一面と、理系大学に通うという才能を持つ正に才色兼備! 脚本の高野さんが描いた「こんな女王いるわけねぇだろ!」というスーパー戦隊史上最高に高いハードルの役をいとも簡単に飛び越えて、ヒメノ役をものにしました。 「いましたね!」と、驚愕と安堵の企画チーム。常に笑顔で明るい村上さんは、企画チームばかりでなく一緒にいる者をニコニコにしてくれる、撮影現場のムードメーカーでもあります。ワガママなところ以外はヒメノそのものの村上さんにも注目です!





リタ・カニスカ/パピヨンオージャー役 平川結月


氷雪の国・ゴッカン 国王 兼 最高裁判長。
口数が少なく、冷酷無比に人を裁く、絶対中立の国王。雪山に囲まれたお国柄もあってか、保守的であまり感情を表に出さない。誰もが震え上がる怖さと強さを持ち合わせているリタ様ですが、実は意外な一面も持っていたりします。その一面は、ぜひ本編でご覧ください。

演じるのは、その声色でリタの冷静沈着な魅力を引き出している5人の中で最年少の平川結月さん。
でも実は、無口なリタとは真逆で、実はとてもおしゃべりでお茶目なんです。話していると自分でボケとツッコミを両方やっているミニコントのような会話を展開してくれる平川さん。が、一旦スイッチが入るとそこには他を寄せ付けない女優の姿が! リタの衣裳はその魅力的な姿をほとんど隠してしまうのですが、オーラがあふれ出つつ、その奥には可愛らしさを忍ばせています。




カグラギ・ディボウスキ/ハチオージャー役 佳久創


農業の国・トウフ 王殿様。
一見すると、誰にでも下手に出て、おもてなし精神にあふれた優しい男。だが、実は自国や自分のためなら平気で嘘をつく、おっかなびっくり二枚舌の腹黒男。
ビジュアルも相まってとにかくクセしかないキャラクターです……。強烈なキャラの多いスーパー戦隊シリーズですが、未だかつてこれほどまでクセの強いキャラクターがいただろうか…!と、思わせてくれるのは、演じる佳久さんのあふれ出るパワーが要因かもしれません。

5人の中で最年長の佳久創さんは、元ラグビーの日本選抜選手として活躍していたほど素晴らしい肉体の持ち主。高身長なうえ、120キロのベンチプレスを持ち上げられるというその身体の形は逆三角形というより、逆台形。そんな身体で、カグラギという曲者を軽妙に演じていただくもんだから、そのうさん臭さ(※いい意味)には必ず笑わされてしまいます。現場で他のキャストが芝居で迷ったとき、必ず手を差し伸べてくださる頼もしい佳久さんの存在は、俳優部を支える力持ちなのかもしれません。




ラクレス・ハスティー:矢野聖人


最強の工業国・シュゴッダム 国王。
昆虫型機械生命体であり世界の守護神でもあるシュゴッドが宿る国。そして、2000年前のバグナラクとの戦いを制した王が誕生した始まりの土地・シュゴッダム。そんなシュゴッダムを背負う、実質の世界最高権力者であるラクレスは、国民からの信頼も厚く、カリスマ的な王様です。

演じるのは、多くのドラマや映画で活躍する矢野聖人さん。
ラクレスという絶対的な存在である王を見事に演じ上げていただいています。シュゴッダムの民であるギラ役の酒井さんとの絡みが多い矢野さんですが、実は前のドラマの現場でも酒井さんと偶然にも一緒で、王様と民のコミュニケーションはバッチリだった様子。そのカリスマの貫禄で、酒井さんの芝居を引き出しまくっています。どの王様も一筋縄ではいかないキャラクターですが、このラクレスも例外ではありません。一体どんな王様像を見せてくれるのか、ご期待ください!

(文責・髙橋 諒平)