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『余命10年』藤井道人監督最新作
『劔岳 点の記』の木村大作とタッグ!

DATA
2023.11.07

北陸の港町を舞台に描く新作映画がクランクイン!

藤井道人37歳VS.木村大作84歳!
昭和から令和へ、木村から藤井へ、紡がれる日本映画の系譜

これは、藤井監督の想いが木村大作に届いて実現したという。日本アカデミー賞作品賞を獲得した『新聞記者』はもちろん、映像に只ならぬこだわりをみせる藤井監督が、長年息をのむ映像美で日本映画界をリードしてきた木村大作を迎えて作品を撮ることは、昭和から令和、フィルムからデジタルといった“継承”の意味合いも持つ。全編フィルム撮影を行う本作は、変わりゆく時代の中で日本映画の新たな“伝説”となることだろう。
木村とのタッグが決まり、藤井監督は「映画界のレジェンドから学び、盗みたい」と語り、木村は「自分の想いを快く受け入れてくれて嬉しい。藤井監督に気に入られるようにやりたい(笑)」と藤井監督についてコメントを寄せた。
能登半島の漁村で幕を開けた撮影初日は、海も風も凪いだ雲ひとつない晴天のもと行われた。漁港にレールを組み上げ、カメラの位置や動き、演技との連係やタイミングについて細かく話し合いながら調整していく藤井監督と木村。ファインダーを覗いた藤井監督が「なかなかしんどい体勢ですね」と気遣うと、木村が「苦しいところにこそ良いアングルがある」と“哲学”を語る光景もみられた。自身の経験則を惜しむことなく注入し、藤井監督の下エネルギッシュに輝く84歳がそこにいた。

藤井監督、木村大作の他、今後発表される予定の出演者、スタッフも新旧映画界の才能たちが集結し、最強の布陣で日本映画を代表する1本が生まれる。撮影は11月上旬〜12月下旬まで、北陸を中心に行われる予定。

藤井道人(監督)コメント
僕はずっとデジタルで育ってきて、その良さをわかって今まで映画を作ってきました。ただ、40歳が近づいてる今、ゼロからもう一回映画づくりを勉強したいという気持ちが芽生えてきました。「映画界のレジェンドである先輩方と仕事を出来る機会はあとどれくらいあるんだろう。先輩たちの技を学び、盗みたい」という想いから、ある方に相談をして「藤井くんと絶対に合うよ」と紹介いただいたのが木村大作さんです。
初日を迎えて、大作さんはとにかく元気ですね。自分も普段やっていることを半分にできているといいますか、スタッフの指示出し等々を大作さんがやってくれる分、監督として演出に集中できるので恵まれているな、ありがたいなと感じます。その反面、フィルム撮影のため監督生活10年で初めて「モニターがない」現場で、モニターに逃げられない状況がすごく勉強になっています。
1シーンだけフィルムカメラを回させていただきましたが、独特の音が鳴って重みがありますし、まさにその瞬間を刻んでいる気がしました。苦手な慣れない姿勢での撮影も経験して、大作さんはこれを50年もやってきたのかと凄さを改めて感じました。


木村大作(撮影監督)コメント
私は84歳で、人生の終末を歩いています。そういうときに37歳の藤井監督からお話をいただき、非常に嬉しく感じました。私に、若手の監督からのオファーなんて絶対来ないですから(笑)。そんな中でオファーをもらえて、ここまで約5カ月間を準備に費やしてきました。その期間に藤井監督に自分が思うことを色々と伝えましたが、そのすべてを快く受け入れてくれて嬉しかったです。
私にとって一番居心地がいい場所は、撮影現場です。本日撮影初日を迎えられ、全身で味わえて今は胸がいっぱいです。撮影はあと2ヶ月間ありますが、自分としては監督に気に入られるようにやりたいし(笑)、それが最後まで続くといいなと思っています。