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『利休にたずねよ』滋賀県・三井寺ロケ リポート!

DATA
2012.12.03

山本兼一の第140回直木賞受賞小説を原作とした2013年12月公開予定映画『利休にたずねよ』(田中光敏監督作品)の撮影が11月5日にクランクイン。主演・千利休役の市川海老蔵、その妻・宋恩役の中谷美紀、その他豪華キャストによる撮影が順調に進んでいます。
12月3日には、国宝に指定されている滋賀県・三井寺にて、市川海老蔵、豊臣秀吉役の大森南朋、石田三成役の福士誠治らによるロケーション撮影が行われました。
この日の撮影の舞台は、関白だった秀吉が権力誇示の為に開いたといわれる北野大茶会。1958年、日本中の侘び茶人を集め、茶席が1500席も設けられた程の盛大さを極めた、史上最も有名な茶会と伝えられています。そこで、石田三成を伴った秀吉が、苦々しく思うようになった利休と対峙する重要なシーンが撮影されました。武士や公家、町人など、総勢200名のエキストラが見守る中、市川海老蔵と大森南朋の二人が演じた対決は華やかさに対比してまさに圧巻。
折しも、三井寺は赤や黄色に染め尽くされた紅葉が真っ盛り。早朝から始まった撮影は、底冷えの凍てつくような寒さ。寺の藁葺き屋根からは霜が朝日に照らされて蒸発する様が、神秘の煙のように立ち上り、観光客もまだいない厳かな雰囲気の中、お茶をたてる市川海老蔵の姿はまるで利休そのもの。いかにも室町時代にタイムスリップしたかのような撮影となりました。

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コメント

市川海老蔵(千利休役)

歌舞伎では幕があいて終わるまで、順番通りに演じられるわけですが、今回の撮影では19歳から69歳までの利休を演じつつ、順撮りで撮影するわけではないので、苦心しながらやっています。静の中にも激しいものを宿している利休の精神をどのように表現しようか模索中です。

幼いころから茶道はたしなんでいましたが、皆様の前で披露させていただくレベルに達するには、相当練習しました。原作はもちろん、利休について書かれた書物も読みましたが、実際に長次郎の器を拝見したり、利休が実際に削った茶杓などに触れさせてもらったりすることで、インスピレーションとして感じる手立てになりました。

  天才は生まれたときから天才ではない――利休という偉人もそうであったように、(若い頃の)与四郎から宗易になった時の成長、更に宗易から利休になった時の成長という過程があります。この映画では、敢えてそれを晩年から遡って描いているので、そこを楽しみに観ていただきたいです。

大森南朋(豊臣秀吉役)

関白になるまでの秀吉を演じなくてはいけないので、難しいところですが、これからもこだわってやっていきたいと思っています。

福士誠治(石田三成役)

石田三成のイメージは、これまでは戦略家、戦国天下取りいうのが一般的ですが、今回いやらしい戦略家になりすぎないよう、監督とも話し合いながら演じています。

田中光敏(監督)

市川海老蔵さんは想像していたとおり、今の時代にふさわしい新しい利休像を演じてくれています。今日撮影した北野大茶会の場面は、これまで利休を描いた作品でもあまり映像化されていないシーンですが、原作でも重要なシーンなので、1500席もの茶席がたった大茶会を再現しました。この三井寺は、秀吉ともゆかりのある場所なので、本作にふさわしい撮影場所です。

 

『利休にたずねよ』は2013年12月全国ロードショー予定です。

 

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