東映ホーム > 東映マイスター > vol7刑事ドラマの原点を語る! 刑事ドラマの原点とは

刑事ドラママイスター: 桑原秀郎プロデューサー「刑事ドラマの原点を語る!」

刑事ドラマの原点とは

日本の“刑事ドラマ”における位置づけ

原点は映画『警視庁物語』。そこからいろんなバリエーションのドラマがありますが、「所轄署」よりは「警視庁」を舞台にしたものが多い。『ブラックチェンバー』みたいに、刑事の肩書きを外して一秘密捜査員みたいなドラマもありましたが、もともと『警視庁物語』からいろいろと枝葉が別れていったのだと思います。実際、警視庁物語をつくった作家、プロデューサーというのは、後々“テレビ”の刑事ものに多く関わっていますから。  

東映の中には、「片岡千恵蔵」御大の七つの顔をもつ『多羅尾伴内』のような作品があって、その流れが『キイハンター』に移行しているのかもしれません。もう一方では、「特撮」の部門があって、例えば『仮面ライダー』に結びついたんです。うちのキャラクターものは特撮技術から生まれています。“キャラクターもの”はビジネスとして成功する部分があって拡張していきました。“刑事もの”は、局からの制作受注業務があるだけで、派生的な事業展開はありませんでした。

僕は東映の映画が衰退期を迎えた段階で、映画会社全体がそうですが、支えたのが「テレビ」だと思います。ある時期は“ボーリング”。これは短命でした。やはりテレビだったと思います。中でも「特撮」を利用したキャラクターものでした。

警視庁物語
昭和31年~昭和39年 (9年間) 24本
警視庁捜査一課の刑事たちが様々な事件を追いかける姿を描いたサスペンス作品。

東映チャンネルにて放送中
 

警視庁物語

©東映

作り続けるということ

ドラマづくりには大勢の人間が関わっています。テレビ朝日の水曜21時台は、歴代東映の枠として移動していません。これは大事なことで、番組を支えるためにいろんな人間が関わり、その中から絶対人材は育ってきますよね。僕はそれを必然だと思います。また必然が生まれてくるような能力のある人が関わらないと、番組は長続きしないものです。  

『はぐれ刑事』の第一話は、今でも覚えていますが、視聴率14%を取りました。そこから始まり、『はぐれ刑事』を2クール、次の『さすらい刑事』へと続いていきました。一つの番組枠を続けて行くのは、皆さんの努力の結果だと思っています。ドラマでも“集団劇”のようなものは中々長続きしません。制作チームの呼吸というものが大切で、一人欠け二人欠けすると呼吸が合わなくなり、それが番組の端々に影響してきます。そして番組が少し違うカラーになると、番組は終わってしまうのものなんです。

僕の場合は、主役は一人。『はぐれ刑事』は、全ての出演者、全ての音楽が「藤田まこと」のために作れと指示を出しました。レギュラーの設定、さくらのママさんにしても、子供たちにしても、署長さんにしても、全部「藤田まこと」が演じる刑事をきらびやかに見せるために配置しているわけです。『非情のライセンス』もそうです。全て「天知茂」を魅力的にするために「昭和ブルース」が生まれた。あの曲は実は別のグループの歌だったんですが、彼に歌わせました。僕は“一人称ドラマ”なんていっているけれど、“グループもの”はどうしてもダメですね。“視点ボケ”してしまうんですよ。すると見る側の人もボケてしまうのではないかと。

毎週水曜日の夜になったら、安浦刑事を見ようと、その安浦刑事が見た人の心の中に何気なくふっと残ってくれたら…。その“何気なさ”が大事だと思います。映画は逆で、ドラマでも音でも全て押し付けてきます。そしてお客さんが「参った」とうなって、それが快感になるんです。金を払ってもらう訳ですからそれでも良いのですが、テレビは大体タダで家で見るわけですから、「安浦さんがその辺にいるような何気ない作り方しなさい」、「テーマも家庭の人たちが分かるように作りなさい」と、いつも周りには言っています。

東映リリース