東映ホーム > 東映マイスター > vol7刑事ドラマの原点を語る! ドラマの基本“人間の心”

刑事ドラママイスター: 桑原秀郎プロデューサー「刑事ドラマの原点を語る!」

ドラマの基本“人間の心”

ドラマの表現手法の変遷

ドラマのテーマや表現の原点。僕は「ドラマ」というのは、人間の深層心理、心の奥底にもっている欲求欲望にフィットするような形で表現するのがいいと思っています。ドラマって、刑事もの、捕物帖を含めすべて“人間が主体”ですから。当初の『土曜ワイド』は、人間ドラマを全部廃してゲーム性だけで追っていましたが、それはすぐ皆が気が付いて変えていきました。“人間の心のひだのぶつかり合い”、人間は一人で生きていけるわけではなくぶつかり合いながら生きていく。そういうものを構築していくのがドラマの基本だと僕は思っています。原点は一緒で、ただ表現は時代時代で多少違うものと考えています。  

東映の“刑事もの”の原点は、映画『警視庁物語』シリーズ。そこからテレビ時代に入り、形を変え出来たのが、『特別機動捜査隊』、後は『鉄道公安36号』ですね。映画の時代からテレビの時代に移行してきて、東映の中でもテレビを作ろうということになりました。そこで“東映制作所”というセクションを作り、そこで生まれてきたのが『キイハンター』、次が『Gメン75』。それと時期を同じくして出てきたのが『非情のライセンス』です。そこから“刑事もの”がずっーと並びました。当時、無国籍アクションが流行っていて、どこの国の刑事ものだか分からないような人たちが、ピストルをバンバン撃って、それこそ人間ドラマとか人情なんか全然関係なくて…。

要するに、米国がテレビ発祥の時代、「西部劇」というものすごい番組があったんです。今は銃の問題だとかありますが、西部劇というものを米国で流行っているのに対して、「日本は何か?」と問いかけた時、それが“時代劇“と“刑事もの”でした。その影響を受けながら『キイハンター』のようなちょっと無国籍映画みたいな、日本的な要素よりも“洋物の要素”を入れたドラマが登場しました。『非情のライセンス』もテーマは日本的、“義理・人情”ですが、表現は“ハードボイルド”なんです。例えば可哀想な人がいた、主人公がその人をどう助けるか。『はぐれ刑事』の「藤田さん」だったら、「おい、俺がなんかとするから付いてこい。就職も世話してやるぞ」と面倒を見てしまうんです。ところが『非情のライセンス』の「天知茂」だったら、「君の辛さは分かる。しかしそれは君でしか解決できない。時間だ。君自身の問題だよ」と言って去っていく。それも一つの相手を救う手段。ちょっと突き放す、“ハードボイルド”なんです。

当時日本はどういう時代かというと、戦後経済が上向き、庶民でも飛行機に乗って外国に行けるようになって、バブルを予兆させるような時代。 そして娯楽では「西部劇」。欧米の文化が日本に押し寄せてきて、潰されそうな時代があったじゃないですか。米を食わないでパンを食べていた時代ですよ。僕はね、『はぐれ刑事』で、「日本人は米食うんだ。米食うやつに悪いやつはいねえ。パン食うやつには悪いやつが居るんだ」なんてね、無理に論じていましてね。でも「藤田さん」が演じると、なるほどとみんな思うんですよ。その後、米屋が喜んでね、ロケに行くとすぐ米屋が10㌔ぐらい持って来て、「藤田さん、藤田さんこの米を!!」なんて飛んでくる時がありました。  
そうした時代だから、テレビドラマは無国籍映画か時代劇が主流、それと心ある人が作っていたホームドラマ。アクションものは、刑事ものも全部、晴海埠頭かなんかでジャンバーを着ながらバンバン鉄砲打つようなものしかやっていませんでした。

特別機動捜査隊
昭和36年~昭和51年(16年間) 774本
日本初の連続1時間ドラマとして放送され、不滅の記録打ち立てた刑事ドラマの金字塔。
この作品を機に各警察に「機動捜査隊」という名の組織が作られたといわれる。

東映チャンネルにて放送中(2009年10月15日より放送スタート) 
 

特別機動捜査隊
©東映


特捜最前線
昭和51年~昭和61年(11年間) 574本
東京総合ビルの一室に置かれた警視庁「特命捜査課」の刑事たちが、様々な事件に直面し、解決していく姿を描く。

特捜最前線 BSET SELECTION BOX(DVD)好評発売中!

特捜最前線

©東映
 

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