―映画の見どころは
そうですねえ、鑑識的な作業でしょうか。テレビの『相棒』では鑑識のセットがたまに映るんですが、実際の細かい作業が出ることはそんなにはありません。例えば顕微鏡で血液を判定したりするシーンがあって、それって“米沢が血液鑑定をしている”といった2行くらいの“ト書き”だったりするんですが、映画では30~40カットほど、何か調べている姿だったり、鑑識的なしぐさが、冒頭から入っているんです。ああ、こういう風に鑑識は仕事をしているんだなというところを、わりと細かい部分までしっかりと、しかもリアルに出しているのが“映画でしか見れない、映画ならではの良さ”と感じています。
最初に技術面も含む鑑識という仕事をクローズ・アップし、押さえるところを押さえてから、ストーリーをじっくりと展開していく。まさに映画ならではアプローチの仕方だと思いました。