東映ホーム > 東映マイスター > vol16キャラクタービジネスマイスター CMDマイスター登場!2

マイスターvol.16 戦隊シリーズ35作記念企画:キャラクタービジネスマイスター

CMDマイスター登場!2


ターニングポイントとなった1996年
佐藤)
版権の仕事でいうと、“ライセンサー”の東映さんと、“ライセンシー”のバンダイという関係です。当社の「こういう商品をやりたい」という申し入れに対して「やりましょう」と東映さんが受けて頂いて、契約を締結し、その対価をお支払いするという、いわゆる取引関係です。私は営業から来ましたので、良い意味で既成概念がなく思い切ってこの関係に入っていくことができました。最初は篠原さんから教えていただいて。

象徴的だったのは“消費者キャンペーン”をやった時ですね。あの取り組みは“ライセンサー”と“ライセンシー”が一緒になって、消費者に対してキャラクターを盛り上げようという初の施策でした。バンダイ商品を買って応募して頂くと「こんなのが当たるよ!」というプレゼント企画。

「戦隊」では、2月の番組スタート後、GW期におけるキャラクターとの“タッチポイント”の増加を目標に、本企画を実施しました。それが年末商戦へと繋がる「線」で考えた際、非常に重要であるという判断を両社でしていて、最終的な成功に到達するために、消費者に対してダイレクトにキャラクターの魅力を伝えられる“キャンペーン”をやろうとなりました。

そして翌年の2000年には、「仮面ライダークウガ」において更に踏み込み、バンダイだけではなく他のライセンシーさんも巻き込んだ総合的な展開としてのキャンペーン企画を実施しました。子供さんから見ますと、様々な商品群をメーカー毎に分けて認識はしていません。全部「仮面ライダー」の商品なんです。それらを全部キャンペーンの対象にしなくてはうそだよねということでの着想だったのです。
 

仮面ライダークウガ
© 石森プロ・東映
篠原)
更には商品だけではなくて、今では当たり前になっていますが“番組に登場できる権利”を目玉の景品として、テレビ局も巻き込んだ企画を練り上げました。いわゆるキャラクターを核に、番組や商品がコーディネイトされていくというものです。それは制作、商品というラインが一元化したことの一つの表れであると思います。
司会)
それは佐藤取締役が担当になった時からというわけですね。
篠原)
作品や担当者の入れ替わりはありますが、おそらく今後20、30年といった長いスパンで見ても、“1996年”がターニングポイントになったと言えるでしょう。
佐藤)
世代交代も含めて、互いにそういうタイミングにあったと思います。“サー”と“シー”において、昔より踏み込んだ関係になったということです。我々は契約を結び商品を企画・開発、生産、販売し、ロイヤリティをお支払いします。でも目的は一緒です。昔は互いの立場論があって、若干セパレートしていた部分があったと思いますが、その壁を破れたことがここ数年の成功につながっていると思います。両社が50:50の関係となってそれぞれの強みを生かし、消費者に対して同じ方向を向いていくことを、終始意識できるようになりました。
篠原)
僕は、何か貸し借りを伴っているような響きがあるように感じるので、“版権元”という表現が嫌いなんです。思えばあの頃からその言葉を使わなくなり、本当のパートナーになったと思います。
佐藤)
今もその関係は脈々と続いているわけですが、我々を取り巻く事業環境も日々変わってきていますから、臨機応変に対応する必要があります。例えば新たな流通としてのコンビニとかWEBとかのように。両社にはそうした変化に対応できるパートナーシップができています。
杉浦)
会社は違いますが密な関係です。ある意味社内よりも関係は深いかもしれません。
篠原)
佐藤さんや飯塚さんの誕生日を知っていますし、家族構成なんかもね(笑)。
杉浦)
同じチームの人として見ていますね。隠し事がないというか、駆け引きなんかもしませんし。
篠原)
駆け引きをしない分だけのスピード感だとか、厚みが両社にはあります。
杉浦)
実際駆け引きなんかをしている時間もないですし。
佐藤)
そうだと思います。我々がやっている「版権ビジネス」は、1年間で作品が終わって次に切り替わるというサイクルの連続です。「戦隊」の玩具でいうと、番組は2月に始まり1月に終わります。“クリスマス商戦”が最大のやま場になりますから、実質ビジネスを展開する期間は9~10ヶ月しかありません。そのために準備は1年前から始まりますので、1作品で立ち上げから与えられている時間はわずか“1年+10ヶ月間”。迷っている暇はないんです。
 

テンソウダー&ゴセイカードバックルセット
©2010 テレビ朝日・東映AG・東映

次へ

東映リリース