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憧れのままで
終わらせない。

INTERVIEW 03

映画企画部企画製作室
2017年入社
北岡

PROFILE
アシスタントプロデューサーとして映画製作に携わる北岡さん。その業務はプロデューサーに関わる部署のサポートなど多岐にわたる。将来プロデューサーとして作品を企画し、撮影するには製作の全体を理解しなければならないからだ。様々な業務を自分の糧にしたいと仕事に意欲的に取り組む彼は、実は経理部出身。社内公募を勝ち上がり、企画製作部に異動したのだという。
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CHAPTER. 01

東映の
人たちの、
熱い姿に
憧れた。

ゼロから何かを生み出し、たくさんのリアクションを受け取れる仕事がしたい。学生時代、理系の学部に所属していた私は、日々研究に取り組みながらそう考えていた。周囲を見れば研究職に進むのが順当だが、自分には違う将来もあり得ると大学院に進むことを辞め、文系分野での就職を選んだ。就職活動も終盤に差し迫り、いよいよ進路を決めあぐねていたとき、出会ったのはとある一冊。著者の長年の取材から東映京都撮影所での映画撮影の裏側に迫るノンフィクション作品だった。そこにはお客さまがなにを観たら喜ぶかを徹底的に追求し、手段を選ばずときには命をかけてまで映画と向き合う東映の人たちの熱い姿が生々しく記されていた。伝統と技術を生み出し、映画業界で確固たる地位を築き上げた先人たちと、今もそれを守り続ける人たち。そんな熱さにオンリーワンの魅力を感じ、自分も東映で映画をつくりたいと入社を決めた。でも、入社直後に配属されたのは経理部。正直、予想外だった。一方で得るものはたくさんあったと思う。映画一本を完成させるために掛かる資金。達成しなければいけない目標。それらを知ることは映画をつくるために必要不可欠な知識だ。どんな状況でもすべて糧にするつもりでいた。いつか、自分にしかできない企画をつくるために。

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CHAPTER. 02

突然
やってきた
転機。

そんなある日、突然転機が訪れた。企画製作部異動のための社内公募が行われることになったのだ。この公募は毎年ではなく、全社的に不定期で行われる。他部署から作品の企画を募って、選ばれると企画製作部に異動することができるのだ。絶対に逃したくないチャンス。その情報を知るや否や、早速企画づくりに取りかかった。社内公募ではふたつのお題が提示された。オリジナル作品の企画と原作がある作品の企画。これら2本を企画書にまとめなければならない。私はどちらの作品にも「女性主人公」というテーマを掲げた。映画はつくりたいものをただつくるだけでは観てもらえない。今、世の中の人たちがどんなことに興味があり、どんなコンテンツを求めているのかを考慮しなければならない。昨今は多様性や女性の生き方に関心が向いている時代。女性の生き方にフォーカスを当てた作品も増えてきた。その中でもっと違った視点で、東映としてのアンサーとなる作品をつくれないだろうか。悩み葛藤する姿だけでなく、さまざまな個性を持つ女性たちが破天荒に活躍する姿を描きたい。ポジティブに女性を肯定し、応援する映画。シンプルだが今日本で最も必要とされているジャンルのひとつだ。

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CHAPTER. 03

人生で
最も集中した
期間。

しかし、社内公募の審査はアイデアだけでなく企画書の内容や構成も重要になる。きっと自分と同じように企画製作部で映画をつくりたいと思う人たちが、同等またはそれ以上の熱量を持って参加してくる。自分よりも映画の知識を持っている人だって数多くいる。その中で闘っていくための私の武器はなにか。考えた末、出した答えは学生時代に培ったロジカルさだった。なぜこの企画がいいのかを筋道を立てて証明し、上司を納得させていく。これは企画を伝える上で当たり前のことだが、一番難しいプロセスだ。自分の想いをあらゆる観点から表現し、伝える必要がある。そのために、他業種で働く友人や同じく社内公募に参加する仲間ともお互い企画書を見せ合い、意見を交換し合った。自分の頭の中を覗かれているようで少し気恥ずかしかったが、必要なことだったと心から思っている。一人では考えもつかないたくさんのことに気づかせてくれるのが第三者であり、最も重要な「客観的な視点」だからだ。ときには厳しい意見に耳を傾けながら足りなかったポイントを補い、何度もブラッシュアップを重ねる。今振り返ると、人生で最も集中して取り組んだ期間だったと思う。

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CHAPTER. 04

想いや熱量を
ぶつけ合って、
いい企画を
つくりたい。

「北岡くん、企画製作部に異動が決まったよ」そう言われたとき、すぐには実感が湧かなかった。念願だった企画製作部への異動。先輩や上司との面談を重ねるうちにやっと、映画をつくれるんだという感動と興奮が、じんわりと体の中を埋め尽くした。社内公募は私のターニングポイントであり、必要なことを学べた貴重な経験でもあった。いい企画はひとりだけでは絶対につくれない。だからこそ今、アシスタントプロデューサーの仕事の重要さがわかる。映画製作に関わるあらゆる人たちをサポートしながら製作全体の流れや各部署の役割を学ぶと同時に、彼らの考え方や価値観を知る。毎日が新しい経験。映画に携わる人間として日々成長していくのを実感し、やりがいを感じる。今はまだ、サポートする立場だけれど。いつか自分の企画で映画をつくる日が来たときは、製作に携わるたくさんの方たちと対等に想いや熱量をぶつけ合いながら、いい企画を、いい映画をつくっていきたい。ふと、あの本を思い出す。泥臭くお互いをぶつけ合い、作品をつくり上げていった彼ら。まだスタート地点に立ったばかりではあるが、私もその一員になれた気がしている。

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MY SPECIAL MOVE

教えて、
仕事の必殺技

社会が求めているものと、自分がつくりたいものを両立させることです。これが本当に面白いのか、観る人に本当に届くのか、何度も自分の考えを疑い続け、企画を作る際には客観的な視点と冷静な判断を心がけています。社会の声を聞くのにはSNSが便利ですが、個人的には目的もなく自分の足で歩いて街を観察することを心がけています。すれ違う人々の様子、駅前に出ている広告、流行りの服、人気のスイーツ。今、社会はどのように動きどのように変化しているのか。人々はどのような人生を歩んでいるのか、どんな趣味をしているのか、どんな映画が、アニメが好きなのかなど観察しながら街を歩くとネットではわからない新しい発見も多く、とてもためになります。

OTHERS' INTERVIEW

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01

事業推進部イベント事業室
2019年入社
大庭

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02

東京撮影所 スタジオ営業部
2020年入社
米山

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04

西日本支社映画配給室
2021年入社
寺原

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05

京都撮影所管理部
2021年入社
土橋