

ひとつひとつの
仕事に、
想いを込めて。
INTERVIEW 02
東京撮影所スタジオ営業部
2020年入社
米山
- PROFILE
- 「人生の選択をするとき、そこには必ず作品の影響があったんです」東京撮影所スタジオ営業部の米山さんは明るい笑顔でそう話す。彼女は大学時代、学生団体に所属しラオスで幼稚園を設立した経験を持つ。当時を支えてくれたのも、東映のとある作品だったという。




CHAPTER. 01
撮影の
環境づくりから、
ときには
演者まで。
東京撮影所は東映作品だけでなく、他社の映画やドラマ、さらにはCMやバラエティ番組まで日々あらゆる映像作品を生み出している。中でも私が所属するスタジオ営業部は、他社作品の製作をサポートするため、主にスタジオの貸出や管理を行っている。しかし、ただスタジオを貸すだけではない。作品を仕上げるには多くの工程が必要になり、前準備もたくさんある。スタジオ営業部はコーディネーターとして、撮影場所のロケハン、装飾や美術の打合せ、オーディションや衣装合わせ、カメラテストなど撮影前の段階からあらゆる工程をサポートしている。より良い作品づくりのために、より良い撮影環境をつくっているのだ。また、エキストラやアテレコをお願いされることもしばしばある。以前、先輩に「ちょっと来て」と言われ、いきなりアテレコルームに連れて行かれたことがあった。お願いされたのは映画で使用する女子高生役のアテレコ。冷や汗をかきながら必死で台本なしのアドリブ演技をやりきった。びっくりすることもあるけれど、「これぞ撮影所!」という感じで結構好きだったりする。


CHAPTER. 02
人生の
きっかけになる
作品を
つくりたい。
この業界を選んだのは、映像作品は人の人生を変えると感じたから。例えば、医療ドラマを観て医者になろうと夢見るように、映像作品が人生にきっかけを与えることもある。私も数々の映像作品の影響を受けてきた。突き動かされることが多かったからこそ、次第に自分もそんな映像作品をつくりたいと思うようになっていった。また、当たり前だが作品には終わりがある。私は作品の終わりが近づくと、自分だけが取り残されてしまうような寂しい気持ちになってしまうことがある。そんな感覚が苦手で「好きな作品こそ見ることができない」なんてこともあった。これは受け手だから感じるものなのだろうか。作品をつくる側として自分の手で作品を締めくくることができれば、寂しいという感情はなくなるかもしれない。そんな思いからどうしてもつくり手側に行きたかった。東映を選んだのは、私の好きなコンテンツが集まっているから。仮面ライダーや刑事ドラマで育った私は「好きなものに囲まれて働きたい!」と真っ先に東映を思い浮かべた。


CHAPTER. 03
一番頑張った
時期を支えて
くれた作品。
大学時代、私は東南アジアの子どもたちを支援する学生団体に所属していた。友だちがほしくて入団したこともあり、最初はそこまでボランティアに真剣になれなかった。そんなときに先輩から教えてもらったのが、団体設立のきっかけでもある『僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia.』という東映の映画だ。この作品では、自分と同じ大学生たちが東南アジアに学校を建てるまでの物語が描かれている。さらにその時期にラオスを訪れ、先輩たちが建てた学校に現地の子どもたちが通う光景を目にしたことで、自然と物語のエンディングを自分たちの未来と重ね合わせていた。これをきっかけに、無気力だった私も活動に本腰を入れ始める。挫けそうになったとき、この作品は幾度となく私に力をくれた。大げさかもしれないけど、あのタイミングであの映画に出会っていなければ、私は団体をやめていただろう。東映には、幅広い世代から愛されるコンテンツが揃っている。子どものころは特撮やアニメ、成長したら刑事ドラマや時代劇と、誰しもが人生のどこかで東映作品と出会い、思い出の中に残っているはず。私もそのひとり。東映の作品は今でも私の人生に寄り添い続けている。


CHAPTER. 04
誰かの人生に
寄り添う作品を
これからも。
撮影所での日々は刺激的で毎日が楽しい。スタジオ営業部では万全の撮影環境を準備するために、台本や撮影スケジュールを読み解く力が求められる。作品毎にそれぞれ内容は違う上に、季節や天候によって必要な準備もガラッと変わる。このシーンの撮影には何が必要なのか、何が課題になるのかまでを想像して進めなければいけない。大変だけど同じ業務はひとつとしてないので、毎日新鮮な気持ちでいられる。とはいえ、私の仕事は撮影環境づくりのサポートで、作品の企画・製作に直接的には関わらない。近くにいる分、正直もどかしさもある。しかし、作品の誕生には監督やキャスト、プロデューサーはもちろん、現場スタッフの力が必要不可欠だ。撮影所で働く色々な人たちが集い、作品を支えている。私もそこで働くひとりとして、誰かの人生を変えるきっかけとなれているだろうか。この撮影所で生まれる数々の作品が誰かの人生に寄り添い続けますように。ひとつひとつの仕事に、そんな想いを込めている。




教えて、
仕事の必殺技
常にアンテナを張っておくことです。業務では現場を知り尽くしていないと対応できないことも多く、機材や備品の名前などまだまだ覚えることがたくさんあり、毎回新しい発見だらけです。常に先輩方の動きや会話の内容に意識を向け、学ぶ機会を取りこぼさないよう心がけています。また、撮影所は色々な会社が集まっている上に人の出入りも多いので、自分から動けば動くほどさまざまな情報が入ってきます。だからこそ色々な人と関わり、知ることを楽しめるよう意識しています。