

すべての
経験や学びが、
自分の
スキルになる。
INTERVIEW 02
コンテンツ企画営業部企画開発室
2019年入社
山本
※所属・仕事内容は取材当時
- PROFILE
- 学生時代は広告業界や出版業界に憧れていた山本さん。紆余曲折あり、就活浪人をするか悩んでいたギリギリで東映との良い縁に恵まれたのだとか。映画業界という思いもよらない場所でも、これまで自身が学んできたことが活かされているのだという。




CHAPTER. 01
憧れと
挫折の先に
あった出会い。
学生時代、私はコピーライターになりたいと思っていた。コピーライターは簡単に言えば、キャッチコピーなど広告におけるメッセージを考える仕事だ。ひとことで人の心を掴む言葉を生み出すその鮮やかさに憧れた。キャッチコピーの本を読んだり、広告代理店のインターンに参加したりと広告業界について学んでいた学生時代。就活でも広告と出版、ふたつの業界をメインに選考を進めていった。しかし思いの外就活は難航。どちらの業界にもいい縁に恵まれることはなかった。就活浪人をするか否か悩んでいたとき、目に入ったのは東映の採用情報。そう言えば昔、京都にあった大宮東映という映画館に両親と行ったな。そんなことを思いながら、映画業界でも言葉を使ってものづくりをする仕事ができるかもしれないと選考に参加した。いきなり映画業界を受けても採用される確率は低いだろう。東映がダメだったら浪人しよう。そんな覚悟を決めていたのに、結果は採用。思いがけない朗報だった。


CHAPTER. 02
管理とは、
東映の資産を
守ること。
東映に入社し、最初はコンテンツ事業部門の管理的な部署に配属となった。コンテンツ事業部門は企画・営業・管理と大きく3つの部署に分かれている。企画は映像配信サービスで放送されるオリジナル映像作品の企画製作を行う。営業はコンテンツの配信権や放送権、パッケージなどを販売。そして管理は、コンテンツの販売における収支予算や二次利用における著作権などの管理を行う。違法アップロードや不当な二次利用などを防ぎ、コンテンツを正しく販売できるよう対応する管理の仕事は、東映の資産を守る重要な仕事だ。日々の業務にも慣れてきた頃、社内の若手育成プロジェクトとして他社との合同企画コンペに参加する機会があった。当時の私にとっては絶対逃したくないチャンス。いくつかアイデアを出し、どの案を提案するか試行錯誤を重ねた。最終的に選んだのは、自分が一番夢中になれたもの。好きな漫画を舞台化する企画だ。これならいい提案ができるかもしない。そう思った。


CHAPTER. 03
キャッチコピーの
ようにつくった
企画書。
東映に入社して初めての企画書づくり、せっかくなら広告業界に入るために学んだことを実践しようと考えた。文章は短く、ひとことで伝わるように。広告業界の雑誌で読んだような企画書をイメージする。企画書をまとめながら、インターンでコピーライターの方に教わったことを思い出した。キャッチコピーは小手先の技術でうまいことを言うだけでは相手には伝わらない。自分が本当に思っていることを素直に言葉にすることが人の心に届く鍵なのだと。どの仕事でも同じだな。そんなことを思った。この企画書も小手先では通用しない。私自身が思っていることをきちんと言葉にしなければ。こうして完成した企画書は幸いにもコンペに通り、私は2021年の春から企画開発室に異動することになった。現在、企画は実際の仕事として話が進み始めている。舞台化に際して、出版社の方や漫画の原作者の方ともお話しする機会をいただき、自分が憧れていた世界に足を踏み入れられたような感覚を抱いた。この企画が本当に実現するかはまだわからないけれど、実際に形になったときは、今よりもさらに東映に入社してよかったと思うだろう。


CHAPTER. 04
映画製作に
一番必要な
こと。
今、私は企画開発室でアシスタントプロデューサーとして働いている。アシスタントプロデューサーは人と人の間に立って、物事を調整することが多い。例えば、企画の段階ではプロデューサーと脚本家との打ち合わせに参加して意見を言ったり、撮影の現場ではキャストの要望を監督に伝えたりとさまざまだ。撮影現場に行くたびに感じることがある。それは映画をつくる上で一番大切なのは、才能やスキルではなく、コミュニケーション能力だということ。複数人で何かひとつのものをつくるとき、必ずと言っていいほど気持ちがぶつかり合う瞬間がある。それを良い方向に昇華させるためには、一旦他者の意見を肯定することが重要だ。自分と違う意見も受け入れ、それを踏まえた上で自分の意見を伝える。当たり前のように聞こえるが、熱中すればするほど疎かになってしまう恐れがある。映画製作は社内だけでなく、社外のプロフェッショナルの協力が必要だ。あらゆる人たちと末長く一緒に仕事ができる関係性を築いていきたい。たとえ、映画業界に入るためにしてきたことではなくても、これまでの経験や学びが今の自分に活かされているのだなと思う。これからも、経験するすべてのことを自分のスキルにしていきたい。目指すのは、私だからこそつくれる企画だ。




教えて、
仕事の必殺技
ひとことで伝えることと、丁寧に伝えることです。一見相反していることのようですが、どちらも大切にしています。企画やアイデアを説明しようとすると熱意がこもり長文になりがちですが、受け手も時間が無限にある訳ではないので、「ひとことで説明できるコピー」を考えて伝えるようにしています。また、アシスタントプロデューサーの仕事では各部の橋渡し役になることが多くあります。ただ業務連絡をそのまま淡々と伝えるだけでなく、「どんな意図で」「誰を思いやって」という気持ちの部分を丁寧な言葉で代弁しています。そうすれば認識の齟齬が生まれず、誰もが気持ちよく仕事ができるのではと考えています。