京都人情捜査ファイル
- テレビ朝日系にて毎週木曜よる8時放送
放送は終了いたしました。ありがとうございました。
本来、支援室の人間に捜査権はない。だが、彼ら「特捜班」は人知れず捜査し、事件の早期解決をめざす。
被害者と家族の心を救うために!
あらすじ
有名陶芸家の越坂鉄幹(演・寺田農)が、展覧会が開かれる直前に殺された。
犯罪被害者支援室に支援要請が来て、戸隠(演・高橋克典)と室長の仁美(演・松下由樹)は現場に出向く。
捜査一課は鉄幹の娘・文香(演・国生さゆり)が怪しいと睨んでいた。文香は展覧会のプロデューサーでもあり、幻の名器「京の雫」出品をめぐって鉄幹ともめていたのだ。事実、父の急死にも関わらず文香は冷徹な態度で展覧会への準備を弟子たちに促す。
一方、妹であり鉄幹の工房を継ぐ清乃(演・中原果南)は泣き濡れる。「お姉ちゃんはお父さんがこんなことになって悲しくないの?」対照的な姉妹。
だが、戸隠は文香もまた父親の死に憤り悲しんでいるように見えると言い、岩瀬(演・松平健)に特捜の許可を求めるのだった。
見どころ
『京都人情捜査ファイル』は犯罪被害者支援の物語なので、メインゲストは毎回、犯罪被害者家族(あるいは被害者自身)と決めています。これは他のミステリードラマとは異なる、本作ならではの特徴だと自負しています。焦点を当てるのは、大切な人を失って悲しんでいる人たち。彼らを、主人公・戸隠鉄也がどう救えるか?
なので毎回、異なるコンセプトの被害者が登場します。
第2話の被害者家族は、国生さゆりさん演じる姉・文香と中原果南さん演じる妹・清乃。陶芸界の美人姉妹です。妹・清乃は、他の多くの被害者家族がそうであるように、突然の父の死に泣き濡れます。ですが、姉の文香は泣きません。そればかりか、父の展覧会を予定通り開催させるよう強硬な態度をとります。
本来いちばん悲しむべき被害者家族が、犯人かもしれない。この話の「被害者コンセプト」はこれです。
「泣けばいいと思って。小さい頃と変わんないわね」と、妹に憎々しげに言い放つ姉。いやあ、腹立ちます。こういう女性を一言で言うと、なんでしたっけ?
そう、悪女です。
現実世界の悪女はイヤですけど、映画やドラマの中に登場する悪女っていいですよね。ぼく、悪女キャラ好きなんです。ゾクゾクします。前にプロデュースした『仮面ライダーW』という作品(←今回の被害者役の寺田農さんがワルのボスをやってます)で、子供がメイン視聴者のヒーロー番組にも関わらず、悪女が登場するように脚本家陣にしょっちゅう要請し、「またですか」とウンザリされたことがあります。もちろん、ハードボイルド探偵モノというジャンルだから、という理由はあるんですが、多分に趣味も入っておりました(笑)最近では『ゴーン・ガール』のヒロイン、ロザムンド・パイクが素敵な悪女でしたね。
文香を演じる国生さゆりさんの悪女っぷりも堂に入ってて(?)、とてもカッコイイです。痺れます!
そんな「悪女を支援!?」な次回。戸隠は悪女にどう向き合うのか? そこには仁美のサジェスチョンがあったりもして……最後は、グッとくる泣ける展開になります。
脚本・吉本昌弘さんの台詞も粋な第二話。ご期待ください!
(文責・塚田英明)
4月30日放送分こぼれ話
<プレゼント>
主人公・戸隠鉄也を演じる高橋克典さんは、何と言ってもアイディアに溢れている方です。
現場で次々と提案を出し、その都度、監督と話をします。
言葉の言い回し、間の取り方、相手俳優とのコンビネーション…。
つくづく、こういった事をその場で自分を持ってして表現してしまう俳優さんたちには、心から敬意を払います。
また、克典さんは現場の士気を高めてくれるムードメーカーでもあります。
その周りを引っ張っていく姿・雰囲気には、一人の男としてただ単純に憧れを抱きます!
スタッフ・キャスト問わず周りからの慕われっぷりもカッコ良いです、これが。
克典さんが慕われる理由がわかるエピソードをふたつ。
前回、兼﨑監督のお子さんが産まれたエピソードを掲載しました。
その数日後のこと…。
兼﨑家には、大量の届け物が。
「差出人は……高橋克典!?」
次々と兼﨑家に届く段ボール、段ボール、段ボール。
中には、大量の幼児用品が入っていました。
お子さんのいらっしゃる克典さんからの粋なプレゼントに、監督は大変喜ばれていました!
そしてもう一つ。今回、ゲストで濱田龍臣さんにご出演頂きました。
小さい頃からCMでお馴染みでしたが、大人っぽく成長されていて非常にびっくりしました!
今回、濱田さんが演じたのは藤川駿。
父親を亡くした、被害者遺族という設定でした。
戸隠は犯罪被害者支援の人間として、駿に優しく接するのかと思えば…。
獅子の子落としのように、戸隠は接していました。
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それは、撮影現場でも同様の関係でした。
克典さんは、濱田さんの演技を引き出すため、あえて急遽アドリブを入れていたのです。
特に、上の写真のシーン。
「本番。よーい、スタート」
克典さんが、本番で突然入れた台詞やアドリブによって、濱田さんも迫真の演技を見せてくれました。
これも、克典さんから濱田さんへのプレゼントだったのでしょう。
また、成長した濱田さんとご一緒できる日が楽しみです(^^♪
(文責・井元隆佑)