科捜研の女 17
- 2017年10月19日~2018年3月22日放送
放送は終了しました。ご視聴ありがとうございました。
あらすじ
「宝良岳」の山中で男の水死体が発見された。
マリコ(演・沢口靖子)は、男の唯一の所持品である一枚の紙切れに目を留める。
「ヒ、ラ、タ・・・?」
そこにはかろうじて読める字で、そう書き残されていた――
「ヒラタ」は男を死に追いやった犯人の名前なのか、はたまた場所なのか。
やがて土門刑事(演・内藤剛志)のもとに、
「宝良岳」の売店で、「ヒラタ」と名乗る万引き犯が捕まったとの報が入る。
早速、万引き犯ヒラタ(演・夙川アトム)の取り調べにあたる土門刑事たち。
だが彼が話す自宅住所はデタラメで実在しないものばかり、
「平田治」という名前も、偽名である可能性が高まった。
「なんでそんな嘘ばっかり――」
マリコは、水死体の男性とも面識はないと言い張るこの「自称ヒラタ」の脳内を、
最新技術「遠隔脳指紋検査」を用いて鑑定することを思いつく。
こうして、科捜研から30km離れた山中を歩く人間の記憶をあぶり出す、
前代未聞の大鑑定が始まった――
脚本:櫻井武晴
監督:兼﨑涼介
ゲスト:夙川アトム
山下容莉枝
井俣太良
篠原里沙
ほか
みどころ
「カメダは今も相変わらずですか」
――被害者の言葉「カメダ」を追って東奔西走するかの名作「砂の器」よろしく、
身元不明の水死体が唯一残した手がかりである謎の「ヒラタ」の文字が、
今回の物語の幕開けを飾ります。
未だかつて「ヒラタ」の3文字に、これほどまでにワクワクしたことがあったでしょうか(いや、ない)というくらい、惹きつけられるオープニングです。
しかも遺体が見つかった宝良岳には、「ヒラタ」という名前の人物も、「ヒラタ」という場所も、見あたらないのです。
でも、ほどなくして「ヒラタ」は意外なかたちで、向こうからやってきます。
宝良岳の売店で万引きをして捕まった男が「ヒラタ」と名乗っているというのです。
これで謎が解決すると思いきや、この「ヒラタ」という男がまた、謎が謎を呼ぶ変な男でして。
とにかく取調室で嘘をつくんです。
容疑者というのはたいてい取調室で嘘をつくんじゃないかと思われるかもしれませんが、
彼の場合、嘘のつき方がちょっと変わっています。
「万引きしていない、誰かにハメられただけだ」とか「お金を払うところだった」
とか、そういう嘘ではありません。
「自分の住所」とか「名前」とか、調べればすぐに嘘だとわかってしまうようなことばかり。
供述した住所を調べたら実在しないことがわかった蒲原くんに怒られますが、
それでも、懲りない。
「あ、やっぱこうでした」
ふてぶてしいまでに嘘の住所を書き続ける。
蒲原も、パッと見ただけでは嘘かどうかわからないので、また調べに行く。
そして、嘘だとわかってまた怒る。
やがて「ヒラタオサム」という名前にさえ信憑性がなくなり、
彼のことは「自称ヒラタ」と呼ばざるを得ない状況になっていきます。
やっぱり「ヒラタ」、一筋縄では解決しません。
土門刑事は、この「自称ヒラタ」と、水死体の男性には面識があると睨みます。
自称ヒラタは否定しますし、全然本当のことを言わないので、立証が難しい。
そこでマリコは、自称ヒラタの記憶をあぶり出す、新しい鑑定を提案します。
約30kmも離れた山中を歩くヒラタの脳内を遠隔鑑定するのですが、
登山しながら鑑定するこのスケール感、格別です。
マリコも土門も、自称ヒラタとともに登山。
切り立った崖やそびえ立つ岩肌を効果的に捉えたカメラワークは絶品です。
さて、この話のプロットを読んだとき、
「ヒラタ」と同じくらい、いえそれ以上に惹きつけられた言葉がありました。
それは、「ちくわ玉子パン」。
「ヒラタ」が万引きしたパンの名前なのですが、なんだこの独特な組み合わせは・・
でも妙に頭に残る、そして妙に美味しそう。
脚本家の櫻井さん曰く、
「何でもよかったんだけど、腹にたまりそうな組み合わせ」
「玉子サラダに入ってるハムの代わりに刻んだちくわが入ってるイメージ」
・・ちくわは、刻むんですね。ちょっと意外でした。美味しそう。
とはいえ、パンの詳細は現場にお任せと言ってくださったので、
ドラマとしてはわかりやすさ重視で、「ちくわ」は刻まずに使用。
玉子もゆでタマゴを使い、わかりやすく、かつ美味しそうなパンを作ってくれました。
美術スタッフの松崎さんが作った「ちくわ玉子パン」という古びた看板も素敵。
そんな「ちくわ玉子パン」、油断していると、事あるごとに登場します。
そのたびにお腹が空きます。
兼﨑監督も、いわば影の主役のように撮ってくれたこの「ちくわ玉子パン」。
是非注目してご覧ください。
奇妙な謎に惹きつけられて、マリコたちの壮大な鑑定に夢中になり、
神出鬼没の「ちくわ玉子パン」にお腹を空かせているうちに、素敵なラストシーンにたどり着く。
楽しい山歩きのような一本かもしれません。
【マリコの衝撃的ワンカット】
今回のテーマの一つは「登山しながら鑑定」ですが、
デニム姿で颯爽と歩くマリコさん、カッコいい。
でもそれだけじゃありません。
なんとマリコさん、松葉杖で登山してます!
いくらなんでも無茶が過ぎるんじゃ・・・
10月クール最終回を飾る今回のエピソードですが、無事に下山してくれることを祈るばかりです。
(文責・中尾亜由子)
第7話 こぼれ話
7話には現場スタッフに溺愛されている、とあるベテラン俳優さんが出演されておりました。
その名も、西田健さん・・・!も、言わずもがななんですが、
西田健さんの愛犬、西田わびすけさんです!
今回、西田健さん演じる佐伯本部長が出演する回ということもあり、
監督面談、各部スタッフ面談を経て、
見事、米屋の犯人(演:荒谷清水さん)の飼い犬の役を勝ち取られました。
実は西田わびすけさん、これまでも他のドラマにご出演歴のあるベテラン俳優さんなのです。
こちら、監督面談中の西田わびすけさんのお写真。
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かわいい…!!お父様の西田健さんに似て、知性溢れる立ち姿です!!
今回、西田わびすけさんには、
犯人と歩く芝居、犯人を追いかけて走る芝居、
殺害場面をじっと見つめる芝居、
そしてご自身の首輪に血が飛んできて驚くという超難関芝居まで、
見事に演じきっていただきました。
犯人がいつも連れ歩いているため、西田わびすけさんの出演シーンは3日間に及び、
なんとその全日に西田健さんが付き添いで来てくださいました。
(西田健さんが、お出番のない日にもやたらと現場にいるという異常事態が発生)
しかもご出勤の際には、西田健さんが運転する超高級車の助手席にちょこんと座ってお越しになられるんです。
なんたるセレブっぷりでしょう…、西田わびすけさん!
そんな超セレブ俳優の西田わびすけさんですが、
前述した「首輪に血が飛んできて驚く」という芝居には、
さすがに骨を折られたようでした。
なにせ驚く芝居って、かなり難しいんですね。
まずは西田健さんが直々に、おもちゃを使って音を出す作戦にでます。
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(写真撮影:シリーズ助監督・宗野さん)
犬にはおもちゃを使うべし!ですもんね。
(これは2話のポンタのときに知りました!2話こぼれ話→http://www.toei.co.jp/tv/kasouken17/story/1210813_2788.html#pnt
)
しかし西田わびすけさん、なかなか驚きが顔に出ません。
困りに困って、最終的に出した苦肉の策が、
助監督の西片さんがカチンコを鳴らす、というもの。
パンッ!!!と結構大きい音が出るので、
かなりリアルに驚いてくださっていました。
西田わびすけさん、驚かせてごめんなさい!
西田わびすけさんのご出演以来、スタッフからは
今日はわびすけさんはいないのか、わびすけさんは元気なのか、という声があがっています。
どうやら現場でわびすけロスが起こっている様子。
さすが超セレブ俳優。スタッフの心のつかみ方も尋常ではありません。
こちら、西田わびすけさんの悩殺ショット。
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超セレブ俳優の頬をつかむ何者かの手が・・・!けしからん!
しかし、なんですかこのかわいさは…!
西田わびすけさん、ご出演ありがとうございました!
お父様の西田健さんにもどうぞよろしくお伝えください!
次回は8話!
いよいよ10月クール最終回です!
どうぞお楽しみに!
(文責・上浦侑奈)