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最終回を終えて

 2クールにわたってお届けしてきた「科捜研の女」シーズン13ですが、ついに最終回の放送が終わってしまいましたね。最後まで楽しんでいただけましたでしょうか?
 撮影が始まったのは暑い暑い8月半ば、しかも場所はビニールハウス(!)。そして沢口さんと風間さんは宇宙服のような防毒服を着て撮影に臨むという、灼熱地獄の中のクランクインとなりました。
 それから6か月以上経った2月、一番初めにオールアップ(撮影終了)を迎えたのは、佐伯本部長役の西田健さん。西田さんがいる撮影現場は、いつも笑いが絶えません。共演者やスタッフにおどけたジョークをとばしては、いたずらっぽい顔でニヤリ。佐伯本部長は絵に描いたような「ことなかれ主義」、組織の悪の根源のような存在ですが、西田さんのコケティッシュな魅力で実に愛すべきキャラクターになったと思います。
 そしてその翌日、最後の刑事部長室シーン…そう、藤倉部長役の金田明夫さんがオールアップ。今シリーズ、鑑識課長として初登場してから、マリコや土門そして作品全体に対して大きな影響力を持った男・藤倉甚一。敵役でありながらも、藤倉という男はいつも正しく、筋が通っていて、どこかかっこいい。それは金田さん自身が共演者やスタッフとディスカッションを重ね、「藤倉哲学」を突き詰めて体現していたからでした。
 最後の刑事部長室の次は、最後の解剖室――風丘先生こと若村麻由美さんのオールアップです。現場では凄まじい集中力でカッコいい若村さんですが、風丘先生は「生活感の人」(田﨑監督命名)。子育てをしながらバタバタと走り回り、お菓子を配り、夜中の作業にはあくびをする。マリコを始め寝食を忘れがちな科捜研メンバーが多いなか、この「生活感」は貴重です。今シーズンは無言の上目遣いで風丘先生に無茶な鑑定を頼む「おねだりマリコ」シリーズがいくつかありました。呆れながらも言うことを聞いてあげる風丘先生。素敵なコンビですね。
 そして迎えた撮影最終日。この日は終日、「科捜研」のセットでの撮影でした。
 最初にオールアップを迎えたのは、土門刑事役の内藤剛志さん。深い読解力と鋭い洞察力に基づいたたったひとつの仕草(たとえばネクタイを外す、スーツの上着を脱ぐ、など)で、土門薫のあり方、ひいてはシーンの意味まで立体的に創造してしまう力に、現場は非常に助けられました。また、自分を京都府警に連れてきた佐久間部長の退場劇にあたって顔を出し、藤倉刑事部長に反抗する中で何度も垣間見えた「土門のやんちゃっぷり」も今シーズンの魅力ですね。
 同時にオールアップを迎えたのは、木島刑事役の崎本大海さん。この最終回前後編では、シェアハウスの高齢者たちとの関わりの中で苦悩する木島刑事の姿をつかまえようと、崎本さん自身も大いに考え、監督との熱を帯びたやり取りの中で、必死に試行錯誤を重ねたそうです。悩み抜いて、刑事として一皮むけた木島刑事の顔、とても印象的でした。
 『科捜研の女』最後のカットは、宮前元・所長に科捜研メンバー全員で「(鑑定)お願いします」と頭を下げるカット。田崎監督の「OK!」という声が響き渡ると、スタッフ全員が科捜研・共有スペースに集合(この日は脚本家の戸田山さん、李さん、小川さんもいらしてました)。キャストの皆さんは一人ずつ名前が呼ばれ、花束を手渡されていきます。
 まずはすっかり科捜研メンバーになじんだ「亜美ちゃん」こと山本ひかるさん。ネットカフェの住民からスタートし、今では頼りになる科捜研メンバーの一員。そのコメディエンヌっぷりと勘のよさで、「なじんだ」どころか、もはや、なくてはならない存在です!
 続いて相馬涼役の長田成哉さん。亜美ちゃんの登場で末っ子から「お兄ちゃん」に進化した感があります。いつも物理鑑定のシーンで面白いアイディアを出して魅了してくれます。ちなみに劇中でも披露していた藤倉さんのモノマネをはじめ、スタッフのモノマネでいつも私たちを楽しませてくれるムードメーカーでした。
 日野所長、こと、斉藤暁さん。今シーズンは藤倉刑事部長の登場によって、日野所長は「悩める中間管理職」になりましたね。苦悩したり、雄たけびをあげたり、「君たちグルでしょ!」とつっこみを入れたり…斉藤さんのコメディセンスに引っ張られてたくさんの楽しいシーンができました。そして最後には笑ってマリコたちを送り出すあたたかさ。相馬君との仲がいいんだか悪いんだかわからないコンビも絶妙でした。
 どこまでもカッコいい、宇佐見さん、こと風間トオルさん。今シーズンはお母さんの介護をする宇佐見さん、マリコと激論を交わす宇佐見さん、いろいろな顔を見ることができました。いつもいれているお茶は、風間さん自身「マリコのふっとほどけた笑顔をお茶の間に届けたい」という気持ちを込めて淹れているのだそう。若手を飲みに連れていったり、いつも作品のことを考え、見守ってくれている方なのです。
 そして最後に――この方の人並み外れた熱意と、万人の心を溶かす笑顔があったからこそ、スタッフキャスト全員、この長い撮影を駆け抜けてこられました。我らがマリコ、沢口靖子さん。撮影が休みの日にはいつも台本を読み込み、スタッフ一人ひとりの名前(時にはあだ名)を呼んで、いい仕事をした時は小さなことでも褒め、炎天下でも、深夜でも明け方でも、雪の舞う極寒の中でも、「おはようございます」「おつかれさまです」と満面の笑顔を見せる、最高の座長でした。今シーズンは、所長の白衣を脱がしたり、遠方から来た宮前元所長の挨拶を「そんなことより」と遮ったり、SF映画に科学的見地から容赦なくツッコミを入れたり、と「天然女王様」なマリコの一面も皆様に楽しんでいただけたのではないかなと思います。
 こうして終わりをつげた「科捜研の女」シーズン13の撮影。その後、2週間あまりの編集作業を経て、最終回のオンエアも終わり、今私たちはほとんどすべての作業を終えたことになります。
 最後に――お茶の間のみなさま、2クールの間、観てくださって本当に本当にありがとうございました。今シリーズの最初の脚本の打ち合せから約一年間、テレビの前のみなさまの顔を想像しては、たくさんの力をもらいました。
 またどこかでお会いできることを祈りつつ。


(文責・東映プロデューサー 中尾亜由子)


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