最終話を終えて

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最終話を終えて

【『科捜研の女』・制作日誌】

ついに最終回が終わってしまいましたね。
その少し前に編集作業も終わり、私たちスタッフの仕事もひとつの区切りを迎えました。
なんだかとても、寂しいです。

撮影最終日の午前中は、刑事部長室の撮影。
佐久間部長は、ローラー式粘着テープ(通称「コロコロ」)でデスクの上を掃除することにご執心。朝、田中健さんの楽屋から麗しい音色が響き渡っていたことを懐かしく思い出します。ご自身が演奏される「ケーナ」という楽器の音でした。
さてその田中健さん、刑事部長室のシーンを撮って、全編撮影終了。
沢口靖子さんから花束の贈呈となりました。

この日はイベント盛りだくさん。
午後には奥田恵梨華さんのお誕生日ケーキ贈呈があり、
それから数時間して、内藤剛志さん、そして沢口靖子さんが同じシーンで撮影終了!!
土門刑事とマリコというのは、とても大人で、素敵なコンビですね。
地道な捜査で熱いハートを持つ土門刑事と科学捜査で理知的に真実に挑むマリコ。
と思いきや、時にマリコが真実を追い求めるあまり熱くなり、そんなとき土門は逆に冷静に物事を見つめる。ふたりの間にあまり多くの言葉はいらない、それほどまでに信頼関係が築かれているように思います。

内藤剛志さん。現場ではいつも明るく冗談を言って皆をリラックスさせてくれながら、現場が立ち止まった時たくさんのアイディアをその場で出してお芝居をリードしてくださいました。内藤さんの土門刑事がいなければ、「科捜研の女」は「科捜研の女」たりえないのです。

そして、我らがヒロイン、我らが科捜研の女、沢口靖子さん。
誰よりも「科捜研の女」を知り尽くし、愛して作り上げてきてくださった方です。
クールでまっすぐなかっこよさと、人の心によりそうやわらかさを併せ持つ、魅力的な榊マリコ。
台本の一文字一文字にいたるまで真摯に向き合うその姿勢、圧倒的な存在感、チャーミングな笑顔、スタッフ一人ひとりに対する温かい気遣い…
このすばらしい「座長」のもと、私たちスタッフやキャストは一致団結して「科捜研の女」を作り上げることができたのだと思います。
本当にありがとうございました。

その後ほどなくして、風間トオルさん、斉藤暁さん、奥田恵梨華さん、長田成哉さんが撮影終了を迎えました!
いつも冷静にチームをまとめる大人な宇佐見さん。現場を離れても風間トオルさんはスタッフ、キャストの兄貴的存在です。
そして絶妙な間合いで科捜研に笑いを運んでくれるのが所長こと斉藤暁さん。その芸達者っぷりはとどまるところをしりません。
皆に頼りにされているしっかり者の泰乃さん。宇佐見のことが好きなの…?という絶妙の上目づかいにどきどきしました。
演じる奥田さんは美人なのにとても気さくで、かっこいいお姉さまです。
科捜研の鉄砲玉、相馬涼。長田さんにしか演じられない役なのだと確信しています。
鑑定モンタージュでも楽しませてくれました。現場を離れても…あまり変わりません!(笑)ムードメーカーの長田さんです。
科捜研メンバーは本当に仲が良く、家族のような雰囲気があります。
皆のチームワークのよさは、現場ではもちろん、画面の外にもきっと伝わっているのではないかと思います。本当に撮影おつかれさまでした。

その後スタッフはパソコンの画面(色彩認証など)を撮り、最後にプランクトンを撮って全編撮影終了!
そのまま打ち上げパーティーになりました。
打ち上げではウサギの耳をつけた崎本さんと羊の耳をつけた長田さんが抽選大会のプレゼンターをやったり、会場を大いに盛り上げてくださいました。
打ち上げには参加できなかった高橋光臣さんからメッセージが届いたり、脚本家の方々や音楽を担当してくださった川井憲次先生まで駆けつけてくださって、大盛況。
撮影現場と、会議室、あるいは自宅のパソコンや、音楽スタジオ…それぞれが別の場所で、ふだん顔をあわせることもなく、しかしまぎれもなくひとつの作品に向かってともに汗を流していた人々が一同に会するこの打ち上げパーティーは、たくさんの感慨にあふれていました。

そしてまだ顔をあわせていない方々――テレビの前の「科捜研の女」視聴者のみなさま。
本当に本当にありがとうございました。

またいつかお会いできることを祈りつつ。


(文責・中尾亜由子)