倉庫の中からの緊急連絡── 新米刑事の大門凛子が、作業員たちを救うべく、仲間たちと飛び込んだ先には、見たこともない化物たちが……
拳銃も効かない化物たちに、なす術もなく追い詰められたその時、一人の青年が乗ったバイクが飛び込んで来る。
魔法使いを名乗る青年=操真晴人は、炎の中で「仮面ライダーウィザード」に変身し、銀の銃弾と銀の刃で化物たちと戦い始めるが……
ということで、平成ライダーシリーズとしては14作目、仮面ライダーウィザードが華々しく幕を開けます。
今回のライダーは名前の通り魔法使い(=ウィザード)。どちらかと言えば、超科学な設定が多いライダーシリーズの中で、ファンタジックに振り切った設定です。
火・水・風・土という4大エレメント、4つのスタイルに多段変身し、4つの属性の魔法を使う姿はものすごく恰好いいですよ。さらに、使い魔を召喚したり、空間と空間を繋いだり、体を小さくしたり……とにかく吃驚する魔法から、くすっと笑ってしまう魔法まで、ありとあらゆる魔法を使って戦います。
ちなみにその魔法を発動させるアイテムが指輪。指輪をベルトのバックル(掌の形をした部分)にかざすことによって、不思議なことが起きるわけですから、呪文の代わりみたいなものと思って頂ければ。
そして、本作の敵であるファントム。人間の絶望から生まれた彼らは、仲間を増やすべく、魔力の高い人間=ゲートを襲い、絶望させようとします。この絶望の連鎖を止めるため、ウィザードは戦うわけですが、今回は倉庫の作業員の中にゲートがいるってこと? 果たしてウィザードはゲートを守ることが出来るのでしょうか? 新米刑事の凛子さんが対抗意識を燃やして変なことをしなければよいのですが……
ちなみに、ゲートが絶望してしまった時、ウィザードには最後の手段があります。約束の指輪=エンゲージ指輪を使うことで、絶望したゲートの心の中にダイブして、心の中で生まれたファントムが現実に飛び出る前に倒す! そんなぎりぎりの戦いにならないことを祈りますが、心の中=アンダーワールドでは、ウィザードのとっておきの召喚魔法がみれちゃったりします……う~ん、難しい(^^;
どきどきとわくわくに彩られた魔法使いの物語の開幕。さぁ、ショータイムだ。
今回の物語を紡ぐのは、脚本・きだつよし、監督・中澤祥次郎のお二人。きださんの洒落た台詞と、中澤さんの精緻な演出で登場人物たちの心を丁寧に描きます。
さらに、アクション監督の石垣広文さん。今回は魔法ライダーということで、出番は少なめと思いきや、実は大違い。魔法でCG・合成を使う分、俗に言う立ち回りでは、どこまでも本人で動いて欲しいという我々のリクエストに応えて、ある意味、滅茶苦茶やってます。エクストリームマーシャルアーツをお手本にして、回っては撃ち、回っては斬り、回っては蹴る……ウィザードの大きな特徴であるロングコート(?)の裾をひらひらさせるべく、ものすごい運動量をスーツアクターの高岩さんに課しております。撮影現場で見ていてちょっと申し訳ない限り。しかし、そのご苦労のお陰で、半端ないアクションが出来上がっておりますので、ご期待下さい。
さらに、特撮監督の佛田洋さん。特撮班には主に人間の精神世界=アンダーワールドでの戦いをお願いしているのですが、第1話から出し惜しみなくバンバン戦わせております。ウィザードの中にいるドラゴンの召喚、そして激しすぎるCGバトルにもご注目下さい。マジ、すごいっすから。
ドラマ、アクション、特撮、全てが恐ろしく進化したウィザード第1話、
是非是非ご覧下さいませm(_ _)m
(文責・宇都宮 孝明)
脚本 きだつよし 監督 中澤祥次郎