「俺が依頼を受けたのは、
彼女の消え入りそうな笑顔になにか
引っかかりを感じたからかもしれない……」
姿なき狙撃者からの銃弾が政策発表会見の場に降り注ぐ!
第二風都タワー建設を推進する市議・楠原みやびが狙われているのだ。
みやびは子連れのパフォーマンスで政策をアピール中で、
危険にも関わらず、娘あすかを連れ歩いている。
少女の命まで危ない!
護衛を依頼されていた翔太郎は、物陰でライダーに変身し、再度現れると銃弾の嵐から母娘を救った。
その時、あすかがダブルに言う。
「パパ!来てくれたのね…パパ!」
「え?」
仮面ライダーをパパと呼ぶ少女……その真相は?
風都にハードボイルドの風が吹く
業界大注目!
黒沢直輔監督が仮面ライダーを撮る!
いきなり個人的なことで恐縮ですが、
僕にはプロデューサーとしていつか実現させたい事リストの中に、
「黒沢直輔監督にヒーロー番組を撮ってもらう」
というのがありまして―――今回、その夢を叶えてしまいました。
黒沢直輔監督は日活出身のベテラン名監督で、
塚田的には『京都迷宮案内』(主演・橋爪功、テレビ朝日系、木曜20時)の
パート1&2を担当していたときにご一緒に仕事させてもらっていました。
黒沢監督の撮った作品の大人なカッコよさと言ったら! まあ!
当時、僕はもう心酔したのであります。
今回、『仮面ライダーW』のテーマが「ハードボイルド」ということもあり、
ハードボイルドに造詣が深い黒沢監督にぜひ一本撮って欲しいとダメ元で(?)お願いしてみました。そうしたら、
「塚田さんにとって、俺が撮るメリットってなんなんですか? ん?」
と、監督特有のぶっきらぼうな問いかけが。
メリット……ってイキナリ……うーん、さすが、面白い、と思いつつ、
僕は駆け引き抜きでこう答えました。
「見たいんです! 監督が撮るライダーを!」
すると監督はやがて、
「……やるからには子供に向けて作りますよ」
とクールに御快諾!
(↑若干、演出を入れてお送りしました)
かくして今回、仮面ライダーシリーズに新しい風が吹いたのであります。
“大人”が薫る、“子どものための”仮面ライダー。
独特の空気感を醸していると思います。
初登場のトリガーメモリにも注目していただき、ご堪能下さい!!
脚本:三条 陸 監督:黒沢直輔