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第2話 組曲・親子のバイオリン

2008年2月3日O.A.

第2話 組曲・親子のバイオリン

Episode Guide

 2008年── 渡は、父の作ったバイオリンを越えるため、制作作業に夢中になっていた。しかし、静香が修復の仕事を勝手に引き受けてしまう。最初はやる気がなかった渡だったが、そのバイオリンを見て目の色が変わり…
 1986年── 女性バイオリニストばかりを狙うファンガイアが出現。次に狙われる可能性が高い有名バイオリニスト・宮澤ひとみの警護についたゆりは、思わぬ人物と再会するのだが…

 いかがだったでしょうか、仮面ライダーキバ第1話。現在と過去が交錯する物語、ド迫力のアクションシーン、第2話ではさらにパワーアップします。
 で、ちょっとだけアクションの話。仮面ライダーといえば、ライダーキックとバイクアクションを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。第1話では鎖の拘束をぶち破ってのド派手なライダーキックをお見せしましたが、第2話ではバイクアクションを披露します。250kgを超える大型バイクでの超ヘビー級・爆走アクションをご期待下さい。

 脚本:井上敏樹 監督:田﨑竜太

Cast Information



 キバの二つの時間軸、そこには22年間という深くて広い溝があります。
 その溝のかけ橋となっているのがファンガイアハンターチームのトップ・嶋譲。金山一彦さんに重々しく演じて頂いてます。
 腹の読めない嶋とは裏腹に、現場では大阪弁全開のマシンガントークを炸裂させる金山さん。待ち時間にそんなサービスしなくてもって感じです。キャストのなかで1986年を体験している数少ない方なので、航平くんや優ちゃんが困惑する衣裳や小道具も、あったあった懐かしいな~、と大喜び。さらには次々とアイデアを出して頂き、非常に助かっています(実はスタッフも22年前を体験しているのは少数派…)。あと、過去篇の金山さん、出番の時に「変~身!」の掛け声でかつらを被ってます。



 もう一つのかけ橋が喫茶店のマスター・木戸明。こちらは木下ほうかさんが非常に味のある芝居を見せてくれてます。味がありすぎてほうかさんに視線が集中しすぎないか心配なくらい。ちなみに、マスターは嶋さんと違って、見た目が変わらないのが狙いなので、眼鏡を変えるくらいでぐっと我慢して貰ってます。
 現場でのほうかさんも滅茶苦茶面白いです、オフビートというか。例えば、喫茶店の名前「マル・ダ・ムール」は「恋煩い」という意味なのですが、それを監督から聞いたほうかさん。「素敵です… 芝居に艶が出る気がしてきました…」と。
 短いシーンでも圧倒的な存在感を見せる金山さんとほうかさん。絡みがある過去篇の喫茶店なんて反則的に面白いですよ。



 声の出演者もご紹介しなければなりませんね。
 謎の蝙蝠(?)・キバットの声は杉田智和さん。アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」のキョン役や、「銀魂」の坂田銀時役など、現在大活躍の声優さんです。お忙しいなか、制作発表にもご出席頂きました。
 キバットが喋るところはCGがメインのため、アフレコのときは、合成する下画(背景)があるだけ。監督の指示のみで台詞をあてなければなりません。それであそこまでのお芝居ができるのですから、さすがというしかありません。第2話でもキバのパートナーとして大暴れしてくれてますよ。



 2話のゲストは梅宮万紗子さん。
 次回、天才バイオリニスト宮澤ひとみを演じるのは『仮面ライダー響鬼』で滝澤みどりを1年間好演してくださった梅宮万紗子さんです。久しぶりの仮面ライダーの現場で懐かしい顔と再会する度に、歓喜の悲鳴をあげながらはしゃぐ梅宮さんの様子が印象的でした。しかし、そうはしゃいでばかりいられませんでした。今回の役が彼女自身を苦しめることになりました。バイオリンを主軸に据えた今シリーズにおいて、最初にバイオリンの壁にぶつかったのは実は瀬戸くんでも武田くんでもなく梅宮さんでした・・・。バイオリンの演奏シーンが2人よりも早いタイミングで入り、直前にみっちりと練習を繰り返していただきました。楽曲はバッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ」。子供の頃に少し経験されていたという梅宮さんも、この曲を俄仕込みで完璧に演奏することは至難の業。バイオリンの先生と弓のアップ、ダウンを何度も練習していざ本番に臨みます。
 本番はなんと、真冬の夜の秩父の山奥!しかも袖なしのドレス姿!!そして噴水が滝のように流れる舞台の上!!!演奏用のバイオリン曲も水の音でかき消されてしまう極限の撮影でした。梅宮さんの女優魂と仮面ライダースタッフの妥協のないこだわりとのぶつかり合いが始まります。こうして実現した神秘的な映像とバイオリンの音色、梅宮さんの華麗な演奏シーンに見惚れてください。



 主人公である渡が普段何をしているかを打合せしている時、田﨑監督が出したアイデアがバイオリン制作者でした。現在、物語におけるバイオリンの比重はどんどん高くなり、いまや、バイオリンのないキバなんて想像できません。ある意味、バイオリンを中心にスタッフは回っていたといっても過言ではありません。
 例えば、渡の部屋のセットは、弦楽器工房・望月様の協力を得て、作業台を始めとする大量の工具をお借りしました。1年間という長期の番組にもかかわらず、快諾してくれたのです。おかげで非常にリアリティがある… というより技術を持っていればリアルに作ることが可能なくらいの工房が出来上がりました。
 制作指導の高橋さんも、指導以上の協力をしてくれてます。瀬戸くんがノミを入れる板なんて「どうせだったら」とご自分で制作中のものをわざわざ持ってきて、使わせて頂いたんです。見ているこっちはひやひやものだったりしましたが(^^;
 もしかしたら、バイオリン制作者の方は時間の流れが我々とは違うのかもしれませんね、と田﨑監督はいいます。なにしろバイオリンの制作は16世紀から本質的には変わっていない作業だそうです。我々にとっては長い1年ですが、バイオリン制作を基準に考えると決して長い時間ではない。そもそも、使用する木材なんて10年単位で乾燥するのを待つわけですから。
 ともかく、多くの方のお力で、バイオリン制作について素晴らしい画があがっています。しかし、バイオリンといえば楽器なわけで… この項続きます。

美術・大嶋さんの力作。制作指導・高橋さんにも褒められました。ノミが並ぶと職人って感じしますよね。ちっちゃいカンナが可愛い。こういう道具自体が手作りだそうです。


 人類の敵であるファンガイア、そのデザインをお願いしているのが篠原保さん。説明不要の人気デザイナー。現在放映中の「ゲキレンジャー」を始め、ここ数年のスーパーヒーロータイム枠ではお世話になりっぱなしです(ボウケンジャー→マジレンジャー→(ブレイド応援)→ファイズ→龍騎)。もちろん本作でも素晴らしいアイデアを頂きました。
 物語上、本作品の敵はバンパイア的な要素が強くありました。そこで最初の打合せの時、我々企画部が出したのが、「何か(体液だったり樹液だったり)」を吸う生物をモチーフとする案でした。しかし篠原さんは、具体的な生物をモチーフにするのではなく結果として具体的な生物に見えればいいのではないか? と禅問答のような逆提案をされたのです。さらに、その統一イメージとして出されたのがステンドグラス。ステンドグラスの色や配置によって、生物の特徴を何か出せないかな、と。同席していた田﨑監督も即座に同意し、現在の形になったわけです。ステンドグラスはファンガイアデザインだけでなく、作品全体のビジュアルイメージに大きく貢献しています。それもこれも篠原さんのおかげ、本当にありがとうございます。
 第1話に登場したファンガイア。結果的に蜘蛛に似ているから便宜上スパイダーファンガイア、結果的に馬に似ているから便宜上ホースファンガイアです。ちなみに、スパイダーファンガイアは頭部にある鳥の意匠から、デザイン画のときにオウムと勘違いしているスタッフもいました。成功、成功。

確かに鳥の頭がふたつあります。口のギミックもいい感じ、怖いです。第2話に登場するファンガイア。結果的に何に見えます?


(文責・宇都宮孝明、大森敬仁)