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科捜研の女 15

DATA
春スペシャル2016年4月17日(日)よる9時放送
放送は終了いたしました。ありがとうございました。

EPISODE GUIDE

第14話 絶対に捕まらない男
2016年3月3日放送

京都市内のホテルで、手首を切った若い男性の死体が発見された。
「どうみても自殺」と断定する所轄署の渡刑事(演・吉見一豊)だが、
男性の婚約者・真奈美(演・福田沙紀)は「彼が自殺するわけがない」と涙ながらに訴える。

やがてマリコ(演・沢口靖子)らの解剖・鑑定により、男性の血液から麻酔薬「プロフェンタル」が発見され、「自殺に見せかけた殺人」の可能性が浮上。
さらに現場となったホテルの部屋からは、自称フリーライターの工藤(演・岡田義徳)の指紋と下足痕が出た。
組対三課の落合刑事(演・池上季実子)によれば、工藤は以前執筆した取材記事の中で「プロフェンタル」を取り上げていたこともあるという。
指紋や下足痕という動かぬ証拠を前に、工藤はあっさりと殺人を自供。その身柄は京都地検に送致された。

ところが、京都地検の取調べで工藤は一転、容疑を否認。
それどころか事件当日のアリバイを主張し、そのアリバイを立証する物証や証言者までもが現れる。結局京都地検は工藤を「不起訴処分」とせざるをえなかった。

科捜研の鑑定結果が正しかったとすれば、工藤はいったいどんなトリックを使ったのか。
そもそも警察では一切主張しなかったアリバイを、工藤はなぜ逮捕後になって話したのか――
工藤という男の正体に底知れぬ不気味さを感じる土門刑事(演・内藤剛志)ら。
そんな捜査陣をあざ笑うかのように第二の事件が起きる。
今度は手首を切った若い女性の変死体が発見されたのだ。
工藤が拘置所を出てほんの数時間後のできごとだった――

(文責・東映プロデューサー 中尾亜由子)


■みどころ

『科捜研の女』シーズン15もいよいよクライマックスに突入。最終章として今シーズンの目玉である組対三課の死神・落合佐妃子とマリコ&土門のドラマを熱く描いていきます!
 
file.14は、キーパーソンとなる新キャラクターの登場から始まります。名前は工藤貴志。自称フリーライターで、本業は麻薬の売人との噂がある男です。裏社会を飄々と生きている悪党で、一見小物に見えて、実はいちばん社会に実害をもたらす危険人物。ゲスさが魅力の「最凶の男」であります。
 
古今東西、魅力的なヒールはいっぱいいますが、人気があるのは「悪なりの哲学」を貫いていて、なおかつ圧倒的に強い実力者。こういうキャラクターには時に主人公にも勝る魅力があったりします。『スター・ウォーズ』のダース・ベイダーだったり、『羊たちの沈黙』のレクター博士みたいな人。池上季実子さん演じる落合佐妃子もそうした系譜のキャラクターです(落合刑事の場合、悪役と言い切って良いのかどうか、微妙ではありますが…)。
けど、多少マニアックかもしれませんが、ゲスさが魅力なキャラクターもいますよね?『北斗の拳』でいうとラオウやシンではなくて、ジャギです(わからない人、すみません)。卑怯なことをするのを辞さない!間違った方向に曲がった精神力なら誰にも負けない!圧倒的ではなく中途半端に強い!…みたいなゲスの極みキャラ。落合刑事がラオウなら(?)、工藤はジャギですね。
例えがファンタジーになってしまいましたが、実際はもっと現実的なキャラで、『カイジ』や『闇金ウシジマくん』に登場しそうなリアルゲスです。そんな「実生活では絶対に関わりたくないキャラ」を堪能できるのが、ドラマの良いところ。岡田義徳さんが飄々と演じるこの新キャラクター、その不敵な言動をお楽しみください。
 
この工藤に対して、京都府警は一丸となって挑みます。土門と落合の刑事ツートップが捜査するさまは迫力満点です!落合佐妃子、敵にまわすと厄介ですが、味方にするとこれほど頼もしい人もいません。でもナンカ、ただではすまない雰囲気も醸し出していて……波乱の予感! 
 
ゲストは、岡田義徳さんの他にも被害者の婚約者役で福田沙紀さんが登場。藤倉刑事部長、佐伯本部長ら準レギュラー陣も勢揃いでお送りするシーズン15最終章。見どころ満載でお送りします。『科捜研の女』史上屈指の盛り上がり最終回に向けて、見逃せませんよ!

(文責・東映プロデューサー 塚田英明)

■こぼれ話

見えない音を手がかりに真相を見出してゆく「耳撃者」はいかがでしたでしょうか?
前回の小川岳志監督に続きまして今回の演出を担当した匂坂力祥監督もこれが監督としてのデビュー作品です。
クランクインが近くなると撮影所には「匂坂組」と掲げられたスタッフルームが設けられました。さっそくその部屋で打合せをしていたのですが、歴代の先輩監督たちから若い後輩たちまでこの作品とは関係のない人を含めて様々なスタッフが部屋の様子を覗きに来るのです。皆さん「匂坂組」のスタッフルームができたことが嬉しくてしかたがないご様子。監督の人望が伺えるできごとでした。

このデビュー作には監督のこだわりがたくさん詰まっています。まずはこの話のみどころでもあった音の再現シーン。沢口靖子さん演じるマリコが、現場で盗聴されていた音から事件当時の様子を思い起こしてゆくのですが、ここは頭を悩ませるところでした。なぜならこの時点ではマリコたちの知る筈のない犯人の顔はもちろん性別も映像の上で明かしてはならず、限られた条件のなかで演出する難しいシーンだったのです。
ところが監督の頭の中には脚本打合せのときから演出プランができていて、それを聞いているだけで完成が楽しみになるのでした。そして撮影1週間前の美術打ち合わせのときには既に詳細なカット割りが発表されたのですが、4ページにおよぶ再現シーンのカット数はなんと60!クローズアップと影の世界で、まるで自分が事件現場にいるかのような生々しくて緊張感あふれるシーンに仕上がりました。

もう一つのこだわりは、土門刑事の学生時代から続く男の友情話です。高校時代に親友だった二人の間に数十年たった今も禍根を残すようなできごととは一体なんだったのだろうか――脚本打合せで議論するなかで監督の熱い友情論も加わります。さらに土門刑事役を演じる内藤剛志さん、片岡役を演じる永島敏行さんという二人の名優とディスカッションを重ねるなかでその動機はどんどんストイックなものに洗練されていったのでした。
土門刑事がいよいよ片岡に本音をぶつけるシーンは監督の希望で撮影場所が南禅寺の三門に。壮大なロングショットから始まり、高校以来の二人が向き合う熱いシーンになりました。
ここで親友同士を演じたこのお二人ですが、実際本当に仲が良いのです。ラストでマリコが見守るなかで二人が川上へ歩いてゆくシーン。「(マリコを放っておいて)いいのか?」「いいんだいいんだ」という掛け合いはお二人のアドリブでした。お陰でお二人の仲の良さがにじみ出る味わい深いラストシーンになりました。

さらに監督のこだわりは学生時代の土門と片岡が同校対決する回想シーンにも見られます。監督は学生時代に剣道をやっており、剣道の「残心」をカットとカットの間に感じたいと編集の際にコンマ1秒のレベルで試行錯誤を重ねていました。
ちなみにこのシーンの撮影が行われたのは、実際に全日本の剣道の試合などが行われている武徳館です。
ここで若き日の二人を演じたのは、土門役の長村航希さんと、片岡役の大野瑞生さん。彼らは数多くの応募者が参加するオーディションを勝ち抜いて選び抜かれた猛者たちです。撮影当日の朝に彼らの様子を伺いに行ってみたら、まさに劇中で対決する二人のような緊張感を湛えて撮影の時が来るのを静かに待っていたのでした。その迫力はご覧いただいた通り。とてもリアリティのある印象的な回想シーンに仕上がりました。

そんな甘ずっぱい過去と少年のような一面をのぞかせた土門刑事が次回は血も涙もない最凶の男に挑んでいきます。お楽しみに!

(文責・東映プロデューサー補 森田大児)

PAST EPISODE 過去のエピソード

「春スペシャル」
2016年4月17日(日)よる9時放送
監督:兼﨑涼介 脚本:真部千晶
最終話「絶対に捕まえる女」
2016年3月10日放送
監督:森本浩史 脚本:櫻井武晴
第14話「絶対に捕まらない男」
2016年3月3日放送
監督:森本浩史 脚本:櫻井武晴
第13話「耳撃者」
2016年2月25日放送
監督:匂坂力祥 脚本:吉本昌弘

INFORMATION 番組情報

CAST
榊 マリコ …… 沢口靖子

土門 薫 ……… 内藤剛志

風丘早月 ……… 若村麻由美

落合佐妃子 …… 池上季実子

宇佐見裕也 …… 風間トオル

藤倉甚一 ……… 金田明夫

日野和正 ……… 斉藤 暁

相馬 涼 ……… 長田成哉

木島修平 ……… 崎本大海

涌田亜美 ……… 山本ひかる

蒲原勇樹 ……… 石井一彰

ほか
STAFF
【監 督】田﨑竜太、森本浩史 ほか

【脚 本】戸田山雅司、櫻井武晴 ほか

【音 楽】川井憲次

【ゼネラルプロデューサー】井圡 隆(テレビ朝日)

【プロデューサー】関拓也(テレビ朝日)、藤本一彦(テレビ朝日)、塚田英明(東映)、中尾亜由子(東映)

【制 作】テレビ朝日、東映
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