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科捜研の女 15

DATA
春スペシャル2016年4月17日(日)よる9時放送
放送は終了いたしました。ありがとうございました。

EPISODE GUIDE

第13話 耳撃者
2016年2月25日放送

■あらすじ

恋多き女流作家・大文字智美(演・根本りつ子)の遺体が駐車場で発見された。臨場したマリコ(演・沢口靖子)は戦慄する。その遺体は菊の花で飾られていたのだ。犯人が智美の書いた小説に見立てたものと思われる。マリコの検視によると、智美は別の場所で殺害されて何らかの手段で運ばれてきたようだ。

遺体の第一発見者である片岡(演・永島敏行)は水道局員。その夜、水道管の破損を調べるために音聴棒という特殊な器具で地下の音を聴いていたら“奇妙な音”を聴いたのだと言う。その音は犯人が死体を現場まで運んだ時の音だと思われた。

この目撃者ならぬ「耳撃者」と会って、土門(演・内藤剛志)は驚く。
「片岡!?」「薫…!?」
2人は高校の同級生、同じ剣道部の仲間だったのだ。

だが、なぜか土門は片岡の捜査協力を拒絶するような態度をとる。
2人の間に何かあったのだろうか? 
いつもと違う土門に不安を感じながらも、マリコは片岡が聴いた“奇妙な音”の正体を探る為に音のサンプルを作り始めるが――――――

音の科学鑑定で驚愕の真実に迫るエピソード!

(文責・東映プロデューサー 塚田英明)

■みどころ

今回の題材は<音>です。普段あまり意識することはないかもしれませんが、私たちの周りは音であふれています。いまの私の周りでも、耳をすませば会話する声が聞こえます。さらには同僚がタイピングする音、プリンターが振動する音、椅子のきしむ音…意識をすれば窓の外で虫が鳴いている音にも気づきます。
そんなありふれた音の一つが、ときには事件の真相をつかむ鍵となりうる――今回はそんな「音で解くミステリー」をお届けします。

音が真相究明の手がかりとなるミステリーは古くからありました。史上初の推理小説ともいわれるエドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺人」もその一つです。テレビから始まり映画化、舞台化もされた名作「十二人の怒れる男」では音にまつわる証言が初期の推理をミスリードしてしまいます。そして、今から17年前(!)の「科捜研の女」の記念すべき第1シリーズのFile.1でも、マリコが音を手がかりに犯人をあぶりだしていたのでした。
そして今回も、マリコたちが様々な<音>を解析することによって事件の真相にせまっていきます。
ずばり、キーワードは「音で見る」です。
今回の事件では目に見える物証が乏しく、<音>だけが頼り。普段は顕微鏡に目をこらして向きあう証拠が、今回はスピーカーから流れてきます。マリコたちはそれらの小さな音に耳をすませることで、当日の事件現場で何が起きていたのかという「光景」が見えてくるのです。音は目に見えないからこそ、それが科学によって再現されることで事件の真相が視覚化されてゆくのは映像作品ならではの醍醐味です。

そして今回のもう一つのみどころが土門刑事です。高校時代の剣道部の仲間に会ってぎこちない反応をする土門さん…なんだかいつもと違います。いったい二人の間になにがあったのでしょうか?マリコが事件の真相を追い求めるなかで、土門刑事と片岡の過去の因縁も次第に明らかになってゆきます。
また、ここで土門刑事が17才の頃の回想シーンが描かれます。あの、土門刑事が、17才です!多数の応募の中からオーディションで選び抜かれた<17才の土門薫>も必見です。

事件を音で解くだけでなく、土門刑事の過去の秘密にも迫る今回のエピソード。内藤剛志さんの熱演にもご期待下さい。

(文責・東映プロデューサー補 森田大児)

■こぼれ話

息つく間もない猟奇的殺人ミステリー「殺しのナンバー」、楽しんでいただけたでしょうか?

演出を担当したのは、今回がなんと監督デビュー(商業用作品として)となる、小川岳志監督。
自身の短篇映画『一匹の親分-マタタビ地獄篇-』(大きな猫の頭を持つ「ネコ親分」が主人公のキュートな時代劇です)が京都国際映画祭2015でクリエイターズ・ファクトリー優秀賞を受賞した、期待の新人(ちなみに新婚)です。

さて、今回のお話は、「同じ高速バスに乗り合わせていたこと」が鍵になるという点が面白いですよね。
偶然その場に居合わせた、どこにでもいそうな「小市民」たちが、集団になったことで大きな「悪」となってしまう・・・そんな集団心理の恐ろしさが巧みに描かれていたのではないかと思います。
それぞれに後ろ暗いことをかかえた人間たちの姿が、とても生々しくて魅力的でした。
脚本家の戸田山さんがこのお話を考えて来てくださって、プロットの打合せをしたのが、東映の銀座本社でのこと。
京都在住の小川監督は新幹線で東京まで来ていたのですが、
帰りはなんと「取材のために」と早速高速バスを使って京都まで帰っていきました。
その結果、たとえば「携帯電話の番号なしでも予約できること」や、
「走行距離によっては運転手は一人であること」
「休憩から戻ってこない人がいても出発する場合があること」
などがわかり、これらのディテールは脚本に反映されることとなりました。

初監督作にして、いきなり3件も殺人が起こるという盛沢山な内容。
毎日深夜まで撮影は続きましたが、現場は新人監督を迎えて熱気もひとしお、チームワーク抜群。そんなあたたかい空気の中で監督は、脚本と誠実に向き合い、日々現場でディスカッションを重ねながら丹念にこの作品を撮りあげていきました。
ちなみに小川組で一番最後に撮影したカットは、「青野の胸の傷口にカードを押し込む犯人の手」。
当然、本物の役者さんの身体にカードを押し込むわけにはいかないので、
この「押し込む部分のアップ」の撮影では、人形に衣装を着せてスタンバイ。胸の部分には、粘土が仕込んであります。
あらかじめ切ってある衣装の切れ目から、同じく傷の深さに切れ込みをいれてある粘土に、カードを差し込むのです。
数年間この「科捜研の女」で科学担当助監督としてばりばり活躍していた小川監督にとっては、こういう細かい仕掛けを撮るのはお手のもの。
・・・のはずが、粘土の弾力に負けて一度押し込んだカードが飛び出してきてしまったり、逆にカードがうまく粘土にめり込まなかったり。
何回かカットを重ねてようやくOK、小川組、無事撮影終了。
連日連夜遅くまで撮影し、ヘトヘトのはずの監督でしたが、
「まだ終わりたくない、楽しくて、もっと撮っていたい」と名残惜しそうに語っていたのが印象的でした。

監督がお気に入りのシーンのひとつとして挙げていたのが、マリコと佐妃子の女子会のシーン。
お団子を食べながらの楽しい女子会、のようにみえて、妙な緊迫感と迫力があり、おかしさもあり、個人的にも大好きなシーンです。
これを受けて最後に佐妃子が「2人だけでも、案外楽しかったから」と言うんですよね。
そのときの佐妃子が垣間見せるひとなつっこい表情と、歩き去る彼女を見守るマリコの澄んだ瞳。あの女子会のシーンがあってこその、素敵なラストシーンになったと思います。
二人の「女子」をめぐる運命はこれからどう変化していくのか――今後の展開にもご期待ください。

(文責・東映プロデューサー 中尾亜由子)

PAST EPISODE 過去のエピソード

「春スペシャル」
2016年4月17日(日)よる9時放送
監督:兼﨑涼介 脚本:真部千晶
最終話「絶対に捕まえる女」
2016年3月10日放送
監督:森本浩史 脚本:櫻井武晴
第14話「絶対に捕まらない男」
2016年3月3日放送
監督:森本浩史 脚本:櫻井武晴
第13話「耳撃者」
2016年2月25日放送
監督:匂坂力祥 脚本:吉本昌弘

INFORMATION 番組情報

CAST
榊 マリコ …… 沢口靖子

土門 薫 ……… 内藤剛志

風丘早月 ……… 若村麻由美

落合佐妃子 …… 池上季実子

宇佐見裕也 …… 風間トオル

藤倉甚一 ……… 金田明夫

日野和正 ……… 斉藤 暁

相馬 涼 ……… 長田成哉

木島修平 ……… 崎本大海

涌田亜美 ……… 山本ひかる

蒲原勇樹 ……… 石井一彰

ほか
STAFF
【監 督】田﨑竜太、森本浩史 ほか

【脚 本】戸田山雅司、櫻井武晴 ほか

【音 楽】川井憲次

【ゼネラルプロデューサー】井圡 隆(テレビ朝日)

【プロデューサー】関拓也(テレビ朝日)、藤本一彦(テレビ朝日)、塚田英明(東映)、中尾亜由子(東映)

【制 作】テレビ朝日、東映
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