東映ホーム > テレビ > 科捜研の女13 > あらすじ一覧 > 第15話

テレビ

第15話

2014年3月6日(木)放送

一人の男が燃え上がっている!
火だるまの男はよろよろと歩き、やがて倒れた。火災報知器が鳴る。

「老人ホーム『百合根荘』で火災発生」
知らせを受けて急行する科捜研。すると土門刑事(演・内藤剛志)ら捜査一課も臨場していた。
その日の昼に住人同士のいさかいがあり、通報を受けていたのだと言う。だが、何が原因でもめていたのか、倉林(演・綿引勝彦)や鱒乃(演・長内美那子)ら住人たちは口を閉ざして話さない。

焼死したのは住人の山路(演・森下哲夫)。
状況から「山路はヒーターに灯油を補充した後、料理をしようとした。その時、灯油が染みた服にガスコンロの火が引火した」と見られ、所轄署は「事故」だと判断する。
だが土門は、台所の状況から推測される「料理の手順」に違和感を抱いた。

風丘先生(演・若村麻由美)の解剖の結果、山路の死因はやはり火傷による急性ショックと判明。事故か自殺か他殺かはわからない。
マリコ(演・沢口靖子)は、わずかに窒息らしき所見があったことが気にかかった。

報告を受けた刑事部長の藤倉(演・金田明夫)は「事件性なし」という判断を下したが、マリコと土門はそれぞれまだ気になることがあった。
「あるかないか分からない窒息の所見」と「死んだ男の料理の手順」だ。

気になることがある以上、二人は止まらない。
反抗的な(?)二人は事件性なしで処理された案件を、勝手にどんどん捜査&鑑定していくのであった!!

ゲストキャスト

綿引勝彦
大河内奈々子
長内美那子
森下哲夫

スタッフ

監督:田﨑竜太
脚本:櫻井武晴

みどころ

人間が燃え上がるというショッキングなシーンから、今回の物語は始まります。
掴みはOK。最初から目が離せません。
「何だよ、キワモノ話か?」
とお疑いの皆さん、いやいや、これが違うんですよ。
ご覧いただくと、かなり社会派なエピソードだと気付くと思います。

今回の櫻井武晴さんの脚本は、高齢者の住宅問題を取り上げています。
綿引勝彦さんらゲスト登場人物たちは、過酷な立場に置かれ、悲哀に満ちています。
真実を追い求めるマリコの鑑定と土門の捜査はやがて、そのシリアスな問題に正面から向き合うことになるのです。

企画チームとしては最初「この内容はかなり身につまされる視聴者の方がいるのでは」と考えました。
ですが、『科捜研の女』だからこそ語れるナニカもあるはずです。
覚悟を決め、描写を配慮した上で、挑戦することにしました。

櫻井センセイの脚本が素晴らしいのは、社会問題に踏み込んだシリアスな内容を、推理の妙を交えて「見事なエンタテインメント」に昇華させるところです。
この見応え感は、普通なかなか出せません。
一緒に作品を作っている我々も櫻井さんの筆力には毎回驚かされます。
今回も絶品の脚本を書き上げていただきました。

ただ、監督にとっては櫻井さんの脚本は撮るのが難しいです。既存の良くあるパターンものではないので……(前も同じこと書きましたっけ?)。担当監督はハードルの高いチャレンジに挑むことになります。
今回この櫻井脚本を担当したのは、俊英・田﨑竜太監督。好評を博したクリスマススペシャルに引き続いての組み合わせです。
「いやあ、これは気合い入れて撮らないと難しいですよ、監督」と空気を入れる(?)プロデューサーの私に対し、「ホント大変だよ!」と満面の苦笑(←相当やりがいを感じていると思われる表情)の田﨑監督は、頭を悩ませ悩ませ、そして見事に演出してくれました。

シリアスに進む物語ですが、“反抗的すぎる部下”マリコや相馬たちと“厳しすぎる上司”藤倉刑事部長の間に挟まれた日野所長のパートが笑えます。演じる斉藤暁さん、改めて言うのもナンですが、芝居が上手いんですよねえ。見事な中間管理職ぶり♪ ノッてコメディパートを担ってくれました。

ということで「科捜研の女・最終章」。
“マリコ最後の事件”に相応しい珠玉のエピソードになりました。
ご期待下さい!


(文責・東映プロデューサー 塚田英明)






制作日誌
 テレビドラマはたくさんのアイディアでできています。脚本家はもちろん、監督やプロデューサーのアイディアは脚本に込められていたりするわけですが、それを映像にするにあたって本当にたくさんのアイディアが必要になります。そしてそれは監督を中心とした各パートのスタッフやキャストの面々から、日々産み出されています。(以前、内藤さんがちょっとした仕草で土門の心情を表現する効果的なプランを考えてくださった話をご紹介したかと思います。)
 特に科学ネタというのは、一から考え出すのも、それを映像にするのも、それを心情にからめてドラマとして説得力のあるものにするのも、それぞれの段階で大変なアイディアが必要です。
 14話の「米びつとマフラーで静電気を起こして粉塵爆発」というのもまさに、「科捜研の女」チームの血と汗の結晶でした。粉塵爆発の話じたいは以前も扱っているので、その発火のトリックとしてなにか特別なものを考えなければいけない。会議室のホワイトボードにうどん屋の図を書いてマフラーの仕掛けを考え、ああでもないこうでもないと熱い試行錯誤が繰り広げられました。
 さて、ホワイトボード上ではなんとか成立したマフラーの仕掛けですが、実際にうどん屋のセットを作り、実験した結果、監督がこう言いました。
「マフラーの長さは4メートル必要です」
4メートルのマフラー…そんなの見たことない…!!
 しかも凶器に毛糸が付着しなければならない都合上「マフラーが長すぎるので凶器でマフラーを切る犯人」という描写が必要でした。
 どんだけ長いマフラーなんだ…と愕然としていたとき、装飾を担当するO氏が言いました。
「マフラーを縦に割いたらええんちゃう?」
 こうすればマフラーは2メートルでいい。つまり「長すぎたから切る」のではなく、「短すぎるから縦に割いて二倍にする」。犯人がマフラーを切る動機に説得力がうまれ、なおかつマフラーの長さ問題も一挙に解決。
 横ではなく縦に切る、考えてみたら単純なことですが、度重なる打合せでも思いつくことができませんでした。凝り固まった頭を反省するとともに、改めて「科捜研の女」チームのアイディア力と気概とを実感した出来事でした。

 さて、来週はいよいよ最終章。
「科捜研の女」、最後まで「攻め」の姿勢でいきますよ!お見逃しなく!!


(文責・東映プロデューサー 中尾亜由子)


同じジャンルのコンテンツ

関連リリース