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映画『さらば あぶない刑事』公開記念!カースタントTA・KA代表 竹内雅敏さん独占インタビュー!

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2016.01.26

いよいよ1月30日(土)より公開の映画『さらば あぶない刑事』。 本作の撮影現場で“あぶない”魅力を放っていたのが、車をカラダの一部のように自在に操るカースタント。 劇場版最新作の公開を記念して、テレビシリーズからカースタントを担当されてきた「カースタントTA・KA」代表取締役・竹内雅敏さんへのインタビューを、東映公式サイト限定でお届けします!ここでしか読めない裏話は、「あぶデカ」ファンなら必読です!

プロフィール

カースタントTA・KA代表 竹内雅敏さん

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主な参加作品は「太陽にほえろ!」、「大追跡」、「プロハンター」、「探偵物語」等々名作揃い。マエダオート、スリーチェイス所属時代を経て1985年、「あぶない刑事」シリーズが始まる少し前に、現在代表を務めるカースタントTA・KAを設立。社名の由来は竹内さんら創設メンバーの頭文字をとって命名。鳥類の“鷹”から力強さやスピード感もイメージされているといいます。以来映画、テレビCMなど200本近くの作品を担当されてきました。御歳61歳、同シリーズの終了と共に惜しまれながらスタントを引退されます。

インタビュー

最新作『さらば あぶない刑事』について

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―お話が来た時のことを教えてください。

製作プロダクションであるセントラル・アーツの方から「昔からの仲間を集めているからやってくれないか」という話がきました。でもそのときは即答できず回答を保留にしました。

―それは意外でした。何か理由があったのでしょうか。

自分の中で60歳になったらスタントを引退すると線引きをしていたのです。技術的な心配は無かったけれど、機会を与えられれば挑戦し続けてしまう自分を知っているのでどこかで区切りをつけなければと思っていました。話をもらったとき、既に退いてから1年たっていたので、緩んだ気持ちを本番に向けて高めていけるかという心配や視力の問題などもあったのですが、それらを克服しつつ2ヵ月ほど考えてようやく「じゃあ、やりましょうか」という回答を出したんです。

そしたら1回目の打ち合わせのとき脚本家の柏原(寛司)さんがポンと肩に手を乗せてきて「スタントいっぱい書いておいたからね!」と言われてしまって(笑)。最終稿をみたら更にもう1回横転スタント(※)が増えていました。

(※「横転スタント」とは一定のスピードを出しながらジャンプ台に片方の車輪で乗り上げ、ひっくり返るスタントのこと。技術を要する上に、横転時は前方の屋根が潰れガラスも飛び散るため大きな危険を伴います)

―その横転スタントはいかがでしたか?

今までやった中でも最も厳しい条件でした。夜のシーンで、小雨が降っているのに、スモーク、とどめには向こう側から焚かれる照明のお陰で全くジャンプ台が見えない状態でした。前日の打ち合わせでは「あぶないから雨が降っていたらやめよう」という話だったのに、結局誰もやめようなんて言い出さなかったんです(笑)。設定上ワイパーも回せなかったので大いに不安でしたが現場の準備は整っていたし、長年の経験から「できる」という自信もあったので決行してしまいましたけどね。

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そのシーンがこちら。他にも迫力あるアクションシーンの連続で、手に汗握ること間違いなし!

―スタッフの皆さんも長年一緒にやってきた竹内さんを信頼してのことだったんでしょうね。

そうですね。序盤の横転シーンでも、ジャンプ台に乗り上げてから少しでも二輪のまま距離を走ってしまえば、そのままスタッフやカメラがある方に突っ込んでしまいます。そんな状況でも村川監督やカメラマンの仙元(誠三)さんやは、微動だにしないのです。普通の人だったら逃げちゃうと思いますけど。失敗できない分、自分の方がプレッシャーを感じますよ(笑)。

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カースタントを始めたきっかけについて

―「あぶない刑事」シリーズをはじめ、数々の作品を担当してこられた竹内さんですが、そんな竹内さんと車との出会いを教えてください。

高校生の時に友達と修学旅行をサボって免許を取りに行こうという話になりました。バイク免許のつもりでしたが、当時交通課の警察官だった親父に絶対にダメだと止められ、「代わりに」と免許を取る前から車を買い与えられたのが車との出会いです。事故現場を散々見てきた父の苦肉の策だったと思いますが、お陰で車で高校に通ったり、わけもなく1日100km走ったりする日々が続きました。ガソリン代は親父持ちだったので、未だに「お前のガソリン代はきつかったよ」とぼやかれますよ(笑)。その頃から車は好きでしたね。

―それでお好きな車をお仕事にしようと思われたのですか?

すぐにではないのですが、友人の誘いで「太陽にほえろ!」に参加したことをきっかけにスタントマンになると決めました。ここでも始めこそ「危ないから」と反対していた親父でしたが、僕がプロとして実績を重ねていくのを見て応援してくれるようになりました。

ただ、ある時親父が勤務する警察署管内で、よりによって「太陽にほえろ!」のマネをした一般の人がひっくり返るという事故が起きた時は、親として複雑な思いをしたようでしたね(笑)。

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「あぶない刑事」テレビシリーズ放送当時のお写真!

―どのようにしてカースタントのスキルを身につけ、キャリアを広げてこられたのでしょうか。

先輩方が手取り足取り教えてくれたというよりは、現場で先輩がやっているのを見てハンドルの切り方とか、タイヤの角度とかを自分で盗めというスタンスでした。当時はお金もなかったので、人の車や劇用車を借りて、江戸川の土手でこっそり練習していましたね。でも自分が後輩を育てるようになってからは、一から全部教えるようにしてきました。

キャリアについて、僕がスタントを始めたころは年配のスタントマンが多かったのですよ。五分刈り頭の方が多かったので吹き替えとしては適さず、徐々に自分に出番が回ってくるようになりました。そうしたら、それまで横転スタント(※)の常識が“一回転”だけだった時代に、僕がいきなり二回転してみたものだから周りから大変驚かれました。ラッシュを見たプロデューサーが「あの時怪我したでしょ!?隠さなくていいよ。今まであんなに回転した人いないからさあ」とまで言われたので、ピンピンしているところを見せつけました(笑)。でもそこで満足することなく、じゃあ次は二回転半、三回転、四回転と挑戦し続けてきました。

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模型を手に、カースタントの状況を説明する竹内さん

―まるでフィギュアスケート選手のようですね。

気持ちは五、六回転してやろうかなくらい思っていましたが、どこかで怪我をするかもしれないという不安はありました。実際に、回転の衝撃で屋根がヘッドレストのところまで潰れてきて「あともう一回転したら死ぬな」という瞬間もありましたね。

―怪我をされたことはないのでしょうか。

村川 透監督の映画『蘇る金狼』でトビー門口さんの吹き替えをやったとき…石炭の山が二つあり、手前の山にジャンプ台を仕掛けて、奥の山に突っ込むというシーンがありました。間にタイヤとかが置いてあり、向こうの山まで行かなくても、途中で落ちていいという製作側からの指示があったのですが、意地で「向こうまでいくよ」と言ってしまいました。「手か足か折れちゃうかもよ〜」と言われても「いいよいいよ、絵柄がよければ」と、若かったのですね(笑)。で、実際やった後、サングラスが落ちたからと思って取ろうとしたら、右腕が動きませんでした。当時助監督だった成田(裕介)さんが横からドアを蹴破って開けてくれたんですが、「あ、肘が!」という感じでしたね(笑)。

―それでもカースタント TA・KAでは過去に死亡事故を起こしたことがないと聞いたことがあります。

そうですね、それは胸を張れることです。それに労災を使ったのも社内では自分だけです(笑)。意外かもしれませんが、スタントマンも労災保険に入れるようになったんですよ。しかも事務職などと同じ扱いで。それだけ事故実績が少ないことが認められている証拠でもあると思います。

―スタントが怖いと思われたことは。

後から考えれば怖いんですが、やる前は全くありません。ベルトをして、ヘルメットを着けて、カメラの準備ができるのを待つ間自分に「いく、できる、やる」と言い聞かせてアクセルを踏み続けるんです。

―では、緊張で手元が狂うようなことは…?

もちろん緊張はしますが、それで狂うようなことはありません。本番に強い人、弱い人、練習ではできるのに本番でできないとかいろんなスタントマンがいる中で、自分は本番向きでした。本番でこそ本領を発揮できます。

テレビや映画はショーじゃないから、カメラの枠があって、ピントや照明の都合もあって、ひっくり返った後に前後左右どの位置に止められるかが大事なんです。入念にシミュレーションをして、止まる場所を宣言して、結果何十メートル屋根で滑走しても1mと狂わせませんでした。そんな自信満々なことを言ってもスタント後は放心状態でフラフラですけどね(笑)。

―今回の映画『さらば あぶない刑事』でも数々のスタントを成功させ、劣らぬ技術が証明されたわけですが、引退の決意は変わらないでしょうか。

撮影が終わって1~2ヵ月経ったころ歯が痛いと思って歯医者へ行ったら奥歯が根元から割れていたんです。いつでも最悪の事態を想定して歯を食いしばっていましたし、精神的にも追い込むので、体重が撮影前から5kg減りました。結構大変なんですよ(笑)。

―なるほど、それが答えですね。

ただスタントは引退しますが、カースタントTA・KAはこれからもスタッフ用車両の提供などを行っていきます。

―それでは最後の質問になりますが、竹内さんが憧れる人はいますか?

ズバリ、いません。坂本龍馬とか、誰かいそうなものですけどね、考えても出てきませんでした。誰かを追うのではなくて、常に自分との闘い、自分への挑戦の繰り返しだからだと思います。

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取材後記

撮影も終盤に差し掛かった2015年5月中旬、雨の夜を振り返る。

時速75kmでジャンプ台に寸分違わず乗り見事横転を決めた後、火花を散らしながら70m滑走。予定通りコーンを1つだけ飛ばして車が止まる。一瞬の静けさのあとカットがかかると「大丈夫かー!引っ張り出せー!」と声が飛ぶ。キャストも見守る中、全身にガラスの破片を纏いながら這い出してくる竹内さんに拍手喝采。

現場が一体になった瞬間でした。

前作が60mなら、今回は70m。誰に指示されなくても、何万人もの人が見るものだから中途半端なものは見せられない、と竹内さんは言います。

映画『さらば あぶない刑事』は、作品と共に熟練したプロの魂が随所に宿る作品です。皆さんも竹内さんのラストスタントを是非スクリーンでご覧ください。

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映画『さらば あぶない刑事』は1月30日(土)公開です!

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