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「天野喜孝展 進化するファンタジー」内覧会&天野喜孝トークショー レポート!

DATA
2016.02.03

3月8日(火)まで東京・有楽町朝日ギャラリーにて開催中の「天野喜孝展 進化するファンタジー」。アニメ「ガッチャマン」や「タイムボカン」(タツノコプロ)、ゲーム「ファイナルファンタジー」など、イマジネーションあふれるキャラクターデザインで多くの人を惹き付けてきた画家・デザイナー、天野喜孝氏の作品展です。今回は、本展の内覧会&2月1日(月)に行われたトークショーの模様をお届けします。

イベント詳細ページ

「天野喜孝展 進化するファンタジー」とは?

ゲームやアニメの代表作に加え、パリ、ニューヨークでも評価される最新のファインアートシリーズに至るまで100点以上が集結。デビュー「アニメーション」、ゲーム「ファイナルファンタジー」、「N.Y.SALAD ニューヨーク・サラダ」「Candy Girl」「EVE・パンサー」の5つのジャンルで構成されています。

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さらに東京会場では、伝説のロックスター 故デヴィット・ボウイをイメージして描いた作品も特別展示!

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自身が初めて個展を開いた有楽町マリオンにて、今も進化を続ける創造の世界とファンタジーの軌跡をたどります。

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物販も充実!東京会場限定グッズをはじめ、多彩な商品を取り揃えております。

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展覧会公式サイトはこちら

http://www.amano-exhibition.jp/

トークショーレポート

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2月1日(月)に開催されたこのトークショー。多くのファンが詰めかける中、これまでに生み出された数々のキャラクターの誕生秘話など、ざっくばらんなトークが繰り広げられました。

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ドロンジョは理想の女性像!?

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「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」が放映開始されたのは、1977年。「タツノコプロは当時、オリジナル作品を作る若いスタッフが多かったので、皆で“面白いものをやろう”ということで、ヤッターマンが始まりました。ドロンジョはそのときの僕の理想の女性です(笑)。ちょっと色っぽいお姉さんというか…。僕の妄想の世界を表したもので、思い入れがあります(笑)」と、当時を語る天野先生は、アメリカに憧れ、横田基地の近くに1人暮らしをしていたそうで、「ポップカルチャーが近くにある環境でした。その影響も受けながら作品が出来たのだと思います。ただ、スタジオにこもって毎週の締切に追われていたので、あまり作品に対する反響は聞いていませんでした。作品自体も初号を見るくらいで、視聴率はスタッフと喜んだりしたのですが、実際の反響はわかりませんでしたね」と忙しい毎日を振り返りました。(それでも寝る時間だけはきちんと確保していたのだそう!)

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笑顔で当時の思い出を語る、天野喜孝先生

キャラクターを生み出すためには、ひらめきが必要

オリジナリティー溢れるデザインで、様々なキャラクターを生み出してきた天野先生。「ぱっと思いついたものを描きます。キャラクターデザインは、何かを参考にするということができないんです。どこにもないものを生み出すためには思いつきでやった方がオリジナルとして成立しやすいですね」と語ります。さらにゲーム「ファイナルファンタジー」について触れ、「僕が最初に関わったゲームが、ファイナルファンタジーでした。それがシリーズとしてずっと続いていて、そして今でも僕が携わっているというのは自分でもすごいことだと思います」と、自身の代表作が長きに渡って愛される喜びを語りました。

ゲームの世界で生み出されるキャラクターたち

当日お越しいただいたお客様の中にも、「ファイナルファンタジー」のファンだという方が多数。そんなお客様に対し天野先生は「僕自身がゲームを作っていたわけではないので、僕は絵を提供するという形になり、絵を描いた時点で仕事としては完結しています。デザインのオファーはあまり具体的でなく、年齢・性別・役割などの概要だけが提供されるので、それ以外の仕事で影響を受けたことが絵にも表れているのだと思います。どんなことでも、言葉にしたり文字にして説明すると不思議な感じがしますが、ビジュアルだと説明はいらないわけです。提供された言葉だけで想像し、イメージを表現するという方法になります」と、キャラクターデザインの手法について話しました。

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さらに1987年に描かれた「ファイナルファンタジーⅠ」のパッケージイラストについては、「シリーズ最初の作品ですので、ファイナルファンタジーがどういう世界観なのか、ということを表現しました。手前が主人公で、奥に女性がいて…。あまり覚えていないんですけどね(笑)」と冗談交じりに話しつつも「実は、これと同じ絵で違う色を付けたものがあるんです。主人公に配色している青を、赤にしたバージョンです。今回は展示していないのですが、やはりイメージとしては青の方が良いだろうということで、こちらのバージョンになりました」と、幻の作品の存在を明かしました。

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本展の展示物の中で、個人的にも特に見て頂きたいのが1994年の作品「ファイナルファンタジーⅥ 街」。Ⅰ~Ⅴとは一線を画す、独特の世界観が描かれています。この作品について「Ⅵは、シリーズで初めて機械文明を描いた作品です。産業革命時代のイギリスの風景や街、川崎の工業地帯などをイメージしました。そこにロボットやメカを登場させ、装飾を入れて少しファンタジーを感じられるような作品にしてあります。よく見ていただくとわかるのですが、そこかしこに煙が出ていたりします」と話す天野先生。「ファンタジー」という、本展のサブタイトルにもなっている言葉については「ファンタジーというと異文化に対して感じることが多いかと思います。西洋の方々からすると“侍”はファンタジーだと思いますが、僕の感じるファンタジーは西洋のもの。日本人なので無意識のうちに日本的なものが入り、そのあたりが微妙な表現になって面白く感じていただけるのかもしれません」と、自身が描き続ける「ファンタジー」の世界に込めたイメージを語りました。

「N.Y.SALAD ニューヨーク サラダ」誕生秘話

次に話題に上がったのは、小さくて可愛らしいキャラクターたちが活躍する「N.Y.SALAD ニューヨーク・サラダ」。アニメ「やさいのようせい N.Y.SALAD」が誕生するきっかけにもなったこの作品について天野先生は「ニューヨークのアトリエで自炊をしていたとき、食材を買ってスケッチしたのが生きているんだと思います。最初にスケッチしたのはニンニクでした。あるときニンニクをむいていて“可愛いな”と思い、キャラクターにしてみたのが始まりです。架空のものではなく実体があるというのは僕の作品にしては珍しいかもしれません」と、意外な誕生秘話を明かしました。本展の展示作品である2002年の作品「N.Y.SALAD 挿絵」には、さらなる秘密があるようで…。「よく見ていただくと実際に野菜を買ったときのレシートも描いています。それ以外にも胡椒の瓶だったり、全て実際にあるものを表現しています。ただ、大きいと妖精にならないのでそのままなんですね。かぼちゃなんかはもうラベルがついたままです(笑)。落書きレベルですけど、身の回りにあるものはつい描きたくなりますね」と話しました。

戦うCandy Girlも誕生!?

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カラフルでポップな「Candy Girl」は、108体の天使たちという設定で、アルミパネルにアクリル絵の具と自動車用塗料を用いて描かれています。「これらも“N.Y.SALAD ニューヨーク・サラダ”と同じく、自分が好きで描き始めたものです。最初はヨーロッパやアジア、アメリカでファインアートとして発表しました。名前の由来は単純に、キャンディーみたいな色だから。年齢も14歳くらいで、大人でも子供でもない女の子たちの、そこにしかない空間を描いています」と天野先生。「これからも何らかの形で世界観を作り出したいと思っていて、次はCandy Girlに戦わせようかな、と思っています。ちょっと強めのCandy Girlを描いて、誰かと戦うというのも面白いかなと。最近女性は強いんだなというのを改めて感じる機会が多いので、可愛いだけじゃないイラストも良いかと思って構想しています。異世界から来たという設定なので、武器を持ったり変身したり…色々な妄想が出てきます」と、今後もどんどん広がっていく「Candy Girl」の構想について語りました。

なお、会場からほど近くの銀座三越7階ギャラリーでは2月2日(火)~9日(火)まで、「CANDY GIRL 天野喜孝展」と題した特別展も開催中です!ここでは最新作も展示されていますので、ぜひ合わせてお楽しみください。

デヴィッド・ボウイを偲んで―。

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本展に出展している作品は、2004年に天野先生が米ファッション誌「V MAGAZINE」の依頼を受け、デヴィッド・ボウイをイメージして描いたシリーズで、妻イマンのイメージと共に描かれた作品もあります。天野先生は「この雑誌の“ファッションストーリー”のコーナーをすごくやりたくて、知り合いを通じて機会をいただきました。イラストに描いた白いコートは、実際にディオールの新作だったんです。(左の作品の)女性たちはスーパーモデルで、彼女たちも実際に着ていたものを描いています。僕が直接スタジオに行ってスケッチさせてもらいました。それを元にストーリーを作り、魑魅魍魎がいるニューヨークのイメージも入れて描きました。亡くなられて本当に残念に思います。ただ、これまで日本ではこの作品を見ていただく機会があまりなかったので、奇しくもこうして日本で展示することができて、今日実際に僕も展示を見て、不思議なものを感じました」と、英国ロックの伝説、デヴィッド・ボウイの死を悼みました。

今後はギリシャ神話も題材に―。

これまで多彩な作品で多くの人を虜にしてきた天野先生。これからの制作活動については「今後は、神話をやってみたいと思っています。例えばギリシャ神話。ルーブルをはじめ、各地の美術館にはギリシャ神話を元にしたアートがたくさんありますよね。実際にパリに行って取材したりして、今制作をスタートしたところです。大きい作品の発表は数年後になるかもしれませんが、近年どんどん進んでいる宇宙の解明というのも踏まえて、神話を描きたいですね」と、抱負を語りました。

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その後は、お客様からの質疑応答の時間も設けられ、キャラクターのイメージについてや好きな色の組み合わせ(薄いピンクと黄緑がお好きとのこと!)、天野先生の作品としてはあまりイメージのないメカのデザインについて(「宇宙の騎士テッカマン」のペガスなど!)等、たくさんの質問が投げかけられました。デザインを仕事にするため勉強中の学生さんには、今後仕事をしていく上でのアドバイスもされるなど、質問の1つ1つを真摯に受け止め、対応される天野先生の姿が印象的でした。

 

本展は、3月8日(火)まで東京・有楽町マリオン11Fの有楽町朝日ギャラリーにて開催中です。ぜひ足をお運びください。展覧会公式サイトはこちら!

関連ニュース

天野喜孝展にて、伝説のロックスター 故デヴィット・ボウイをイメージして描いた作品の展示が決定!

http://www.toei.co.jp/release/event/1206908_958.html

イベント開催概要

会場

東京・有楽町朝日ギャラリー(有楽町マリオン11F)

会期

1月29日(金)~3月8日(火) 会期中無休

午前11時~午後8時(最終入場は、閉場の30分前まで)

入場料

一般 1,000円(800円) 大学生 900円(700円) 高校生・65歳以上 800円(600円)

※中学生以下無料

※上記金額すべて税込、( )内は前売券、団体(20名以上)料金

※身体障害者等割引は当日料金の半額

お問合せ先

03-5777-8600 ハローダイヤル(全日/午前8時~午後10時)

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