戦後、「警視庁物語シリーズ」などのヒットで開花した東映の“刑事ドラマ”。
映画からテレビに場所を移してからも、数多くの作品を生み出し、最近では『相棒』など映画化へと発展するケースも見られるようになりました。
本コーナーでは、東映が長きに渡って作ってきた刑事ドラマ、特に1時間ドラマとしてシリーズ化された作品を中心に、その魅力と歴史を振り返ります。
1959年2月、NET(現テレビ朝日)が日本で21番目の民間放送局として本放送を開始、以来東映制作の数々のテレビドラマが生みだされていく。
開局当初30分の作品が中心であったが、日本初の1時間連続ドラマとして「特別機動捜査隊」が制作され'61年10月11日から放送開始された。警視庁の立石主任をはじめとする5人の刑事のチームが事件現場に急行、解決に当たるという設定で、スピーディな展開が人気を集めて30%を超える高視聴率をあげた。警視庁の「初動班」が番組のモデルであったが、放送開始後、同庁内に本物の「機動捜査隊」が設置された。「特別機動捜査隊」は幅広い視聴者の支持を受け77年まで放送が続けられた。同枠からは放送時間、曜日を変更しながらも「特捜最前線」「はぐれ刑事」「はみだし刑事」「相棒」「警視庁捜査一課9係」と、数々の人気刑事ドラマが生み出されていく。他社の刑事ドラマにも大きな影響を与えた「特捜」は日本の刑事ドラマのルーツと言える作品であった。
'68年、TBS土曜21時枠で「キーハンター」放送開始。洗練された都会的スマートさを纏ったスパイアクションの魅力と、映画的スケール、日本各地へのロケーションの多用などで人気を博し、常時20%の高視聴率を維持、'73年まで5年続く人気シリーズとなった。
同枠は「アイフル大作戦」「バーディー大作戦」そして「Gメン」へと続いていく。
'69年、東京12chで「プレイガール」放送開始。これにより東映はすべての東京キー局からの受注を果たす。
日本テレビでは'72年放送開始の「太陽にほえろ!」(制作・東宝)が終了した'86年、「あぶない刑事」シリーズ(制作・セントラルアーツ、制作協力・東映)が開始された。舘ひろし演じるタカと柴田恭兵演じるユージの軽妙な会話の魅力、横浜を舞台にした無国籍アクションで人気を獲得、何度も映画化されるシリーズとなった。
少女アクションという新しいジャンルを開拓し大反響を起したのが'85年からフジテレビで始まった「スケバン刑事」シリーズ。元スケバン・麻宮サキがヨーヨーを武器に活躍する。斉藤由貴、南野陽子、浅香唯とアイドルスターを生み出し、ヒロインの歌う主題歌も次々ヒット、劇場版も2度作られた。
テレビ朝日の土曜ワイド劇場で「相棒」が放送されたのは2000年。'02年には「相棒season1」としてシリーズを開始、'11年春放送終了の「相棒season9」では平均視聴率は20%を超えた。土曜ワイドの一作品としてスタートした「相棒」は、'08年の劇場版で興収45億円、'10年の劇場版でも30億を超える興収を記録し、国民的刑事ドラマへと成長を遂げた。その質の高さ、丁寧な作品作りは、50年前に生れた「特別機動捜査隊」以来、連綿と続く数々のドラマで培われ受け継がれた東映の作品作りへの真摯な姿勢と情熱ゆえである。
現在、東映はNHKや民放各局に向けテレビドラマを制作しており、刑事ドラマをはじめ特撮作品、時代劇、二時間スペシャル等の総制作本数は年間約420本、延べ300時間以上に及ぶ。
